授業紹介

受講者の感想

都市計画マスタープラン演習

幸坂 麻琴

都市計画マスタープラン策定演習は、都市計画主専攻の学生約40名が班ごとに分かれて、まちづくりの方針や整備内容の提案を4ヵ月以上かけて作成し、職員や市民に向けて発表する演習です。演習では直接、職員や市民と議論できるだけでなく、都市計画のプロである先生方からもフィードバックがもらえるため、座学では得られない実践的な学びが得られます。例年、茨城県土浦市を対象地に行われており、その歴史は古く1979年から40年以上続く伝統的な演習です.そのためMaaSやスマートシティなどまちづくりのトレンドや、空家や耕作放棄地,移住など時代によって変化する土浦の課題を踏まえた提案がこれまでされており、蓄積された先輩たちの発表スキルや提案力も学ぶことができます。また交通や観光、産業、環境など様々なテーマからロジックとデータをかけ合わせた提案を行うため、マスタープラン演習はデータサイエンスの先駆けとなっています。

都市計画主専攻の学生にとってマスタープラン演習は、大学3年間の中で最も密度が濃く、卒業研究に繋がる演習です。演習では正解のない中で試行錯誤しながら分析や提案作成を行うため膨大な時間と労力がかかります。夜通しメンバーと議論し続けたり、発表資料を完成させた後、みんなで深夜に牛丼を食べたり合宿のように過ごしたことは、今では良い思い出です。そのため多くの困難を乗り越えて、成果物ができた時は他では得られない大きな達成感が得られます。

また演習を通してまちづくりには多くの関係者の思いが詰まっていることを実感し、合意形成を図る過程を学べたことは将来都市計画に携わる上で貴重な経験になりました。ぜひマスタープラン演習で、都市計画・まちづくりのおもしろさを感じてほしいです。

担当教員より(大澤義明)

教員はファシリテーターに徹し、受講学生の独自目線が尊重されるグループ作業型実習です。客観性を確保するために土地利用均衡モデルや交通流配分モデルなどの最新の計量手法を利用する点、可視性を重視するために地理情報システムや景観シミュレーションを駆使する点で、全国で類例の無い実習となっています。 量および質ともに日本一の都市計画研究者集団を有する“つくばの社工”で、青春を謳歌しよう!