学類長からのメッセージ

激動の時代に向かっての社会工学

AI時代の到来、自然災害の頻発、国際紛争を含む世界の政治経済の変化、新型ウィルス感染症の蔓延など、今や、世界は激動の時代を迎えております。 まさに「疾風怒濤の時代」の到来とも言えます。この怒濤の海を乗り切るには、優秀な船乗りが必要であることは言うまでもありません。 私達、教育と研究に携わる者にとって、優秀な船乗りになれる人材を養成することが喫緊かつ最大の責務であると感じております。

当筑波大社会工学類“つくばの社工”としては、新しい皆様を大きな期待を持って迎えられることを本当に喜ばしく思っております。 当学類の大きな目標は「複雑な社会の生み出す諸問題を学術的に分析するための思考能力の素養を磨き、その能力を持って今の社会に対応し、貢献できる人材を養成する」ことにあります。

具体的に申し上げますと、当学類は、「社会経済システム」「経営工学」「都市計画」の三つの主専攻から構成され、各主専攻間の専門領域の学際的叡智を結集して、多種多様の社会問題に対するための知識や技能の修得が図られています。 そのための教育プログラムも多岐にわたり、経済学、経営学、心理学、社会学などの文系科目と数学、統計学、オペレーションズ・リサーチ、情報工学、計算機科学、都市・環境工学などの理系科目との文理融合型のカリキュラムを提供しております。 また、実習や演習を重視し客観的分析力、実践的思考力と解決能力を身に付ける方法の教育も行ってきました。そして、それぞれの学問分野には、その学問に通暁された先生が数多くおられます。

「疾風怒濤の時代」に船出し、それを乗り越えるには、船を動かす者の力量にすべてがかかっております。 そして、その力量は、より良き社会への変革を生む力量でもあります。「社会工学という知性と技能の力量」をしっかり身に付け、この荒波に立ち向かって頂きたいと切に願っております。

人間行動の場を形成する3つの領域
筑波大学 理工学郡 社会工学類長 イリチュ 美佳