あつまれ? ひなんしゃの森

ハザードマップと対策状況

 ここでは,「普段から防災情報を発信している自治体は,COVID-19下のような緊急時でも適切な対応ができているのだろうか」という仮説に基づいて,ハザードマップの公開の有無と自治体の住民への周知に関する質問である大問1の関係性,およびそれから得られる提言について論ずる.自治体のハザードマップの公開の有無について調査した結果,図1のようになった.

図 1 ハザードマップ別の公開割合(n=177)

 158の自治体に,6月16日以降に回収した19の自治体を新たに加え,ハザードマップの公開の有無と周知に関する対策状況の関係について独立性の検定をした結果,図1の6つのハザードマップのうち,避難経路・避難場所などの防災マップ(以下,避難マップ)と避難行動判定フローは有意水準5%で関係があることが示された.なお,6月16日までに回収したアンケート結果(158自治体)では,避難マップと「平時の備え」,「分散避難」,「在宅避難の備え」,「避難行動判定フロー」の 4項目 において有意もしくは有意傾向であった.これより,新たに追加した19の自治体は「平時の備え」,「分散避難」,「在宅避難の備え」という項目において,158自治体とは逆の相関を持つこと,加えて「避難行動判定フロー」は「避難マップ」の公開とより強い関連があることがわかった.したがって,避難マップの作成・公開は,COVID-19のような緊急時でも避難中の住民の行動計画および意思決定に役立つと考えられる.

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