目次
一 .序論

1.土浦市の概要
2.計画人口

3.JICASTRADAによる分析

二.基本理念

三.基本構想

四 .計画人口

五 .基本計画
1 新市庁舎 
2 空き店舗の有効活用 
3 りんりんロードの拡充 
4 コミュニティバス 
5 シニアアーバン計画 

六.おわりに


3.土浦市コミュニティバス計画の詳細


3-1.想定する利用者層



(1)中心市街地への買い物・業務客

(2 )中心市街地への自動車通勤客

(3)自動車を持たない、コミュニティバス沿線住民

3-2.ルート設定と関連施策
 先ほど1.で挙げた目的を達成するために、2つの路線を提案する。

図11 路線図


(i)中心街循環線

 中心市街地の活性化と、バス自体の利便性アップを目的に、土浦駅→モール505→亀城公園→大手町→桜町を循環するルートである。この路線は、商店街の回遊性アップが目的であるので、商店のある程度集まっている地域を結ぶ路線形態とした。また、なるべく少ない台数のバスで本数を多く設定でき、なおかつ路線をわかりやすくするため、一方向循環の路線とした。

(ii)南北線

 この路線の目的は三つある。一つは、周辺部から市街地へアクセスする道路の渋滞を解消することである。そこで、単にバスを走らせるだけでなく、渋滞解消の効果をより引き出すために、パーク&ライドの実施を提案する。都和公民館(国道125号バイパス沿い)、常名運動公園(国道125号沿い)、霞ヶ浦総合公園南(国道125号沿い)の各停留所付近に駐車場を設置し、自動車利用者をバスへ誘導する。なおこの駐車場は、他都市の事例などから1箇所50台程度の規模とし、無関係の利用者を排除するため有料とするが、バス運賃とのセット乗車券などを発売し、割安感が出るよう努める。

 なお、バスが利用されるためには、スピードや定時制の面で自動車に比べ優位に立つことも必要である。そこで、渋滞の少ない道を選んで運行するほか、将来的にはバス専用レーンの設定やPTPS(公共車両優先システム:バスが接近すると信号の青時間が延長される)の導入など、更なるバス優遇策が必要である。しかし、これらの実現には市民の合意形成や資金面での課題も多いため、これからの検討課題としたい。
 もう一つの目的は、市内の見所をつなぎ回遊性をアップすることである。まちかど蔵、亀城公園、霞ヶ浦総合公園、遊覧船などの見どころを一本の路線でつなぐべく、このような設定となった。

 最後は、市内の公共交通網を充実させることである。土浦市は、県内の他都市と比べるとバス路線網も本数も比較的高密度である(例えば、土浦駅〜亀城公園を通るバスは1日242本、霞ヶ浦総合公園付近を通るバスは1日125本)が、それでもバス路線から遠く、利用の不便な地域が存在する。常名や川口、滝田など、バス停から500m離れた地域(図4)を公共通空白地域として考え、そのような地域をなるべく埋めるように路線を設定した。また、シニアタウンとなる滝田地区や、移転する市役所などの付近までバスを運行し、利便性を向上させる。
 なお、大和町〜港橋間に存在する常磐線のガードは、車高2.5mまでの車両しか通行できない(バスの車高は約2.9m)ため、りんりんロードの整備とあわせ掘り下げて対応する。

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