目次
一 .序論

1.土浦市の概要
2.計画人口

3.JICASTRADAによる分析

二.基本理念

三.基本構想

四 .計画人口

五 .基本計画
1 新市庁舎 
2 空き店舗の有効活用 
3 りんりんロードの拡充 
4 コミュニティバス 
5 シニアアーバン計画 

六.おわりに


2.他都市におけるコミュニティバスの運行事例

・東京都杉並区


 杉並区では、2つのコミュニティバス路線が運行されている。これは、区内を南北に走る公共交通が不便であるため、その状態を改善することを大きな目的としている。
 
一つは、浜田山駅〜阿佐ヶ谷駅を結ぶ「すぎ丸」である。小型バスで住宅密集地の狭隘道路を15分間隔に運行している。

運賃は全線100円均一(現金・すぎ丸専用回数券のみ)で、運行業務は京王バスに委託している。利用者数の実績は、1便あたり平均で31人となっており、その後も増加傾向にあり成功といってよい。成功の要因は、これまでバス路線の無かった人口密集地にハイレベルのサービスを実施したことと考えられる。


 二つ目は、永福町〜高円寺駅を結ぶ路線バスである。これは、運行形態は一般の路線バスで、運営はすべてバス事業者(京王バス・関東バス)が行っているが、杉並区が主導となって路線を開設させたものである。こちらも小型バスで狭隘路を15分間隔で運行しているが、運行形態は一般路線バスであるため運賃は200円となっており、バス共通カードやシルバーパスなどでも乗車できる。

運行経路はおおむね住宅密集地であるが、途中で道路の狭隘な商店街を通過する点は注目される。
また、この路線は車両に特長があり、幅・長さともにマイクロバスサイズでありながらノンステップの車両を日本で初めて採用した。


・弘前市

 中心市街地の商店街活性化を目標に、弘前バスターミナルを起点にJR弘前駅、中心地区商店街を循環するバスが運行されている。運賃は100円で、データイムに10分間隔で運行されている。当初は、商店街活性化のため商工会議所が主体となって運行し、現在は弘南バスに業務委託されているが、商店街がイベントなどでバックアップしている。利用は好調であるが、肝心の商店街活性化への影響はあまり大きくないとのことである。このことは、商店街活性化はコミュニティバスだけに頼っては実現できないということを示しているのではないだろうか。


・金沢市



 通勤時間帯の渋滞緩和を目的に、路線バスを利用したパーク&ライドシステムが金沢市内の4箇所で行われている。これはコミュニティバスではないが、示唆的な事例であるため紹介する。
 バス路線沿いにある大型店の駐車場を、買い物客の少ない平日に限ってパーク&ライド用に利用しているもので、全ての箇所を合わせて187台分(うち17台分は鉄道利用)となっている。駐車場の料金は、駐車場を提供している店の商品券という形で利用者が支払う。バス事業者側では、割引定期券を設定しているほか、パーク&ライド利用者をターゲットとした急行バスを運行し、利用者の利便を図っている。(*2)

・土浦市



 1997年、中心市街地の循環線と、土浦駅〜真鍋(パーク&ライド駐車場)線で休日の買い物客を対象に試験運行。中心市街地の循環線は、土浦駅〜川口町〜亀城公園〜千束町〜桜町四丁目〜土浦駅の路線、土浦駅〜真鍋線は土浦駅〜川口町〜亀城公園〜土浦一項〜合同庁舎の路線であった。また、合同庁舎をはじめ市内数ヶ所で、休日に利用されていない駐車場を200台分無料開放し、パーク&ライドを試行した。1日1000人以上の利用があり好調だったが、無料運行のため財政負担が大きく本格運行には至っていない。

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