中長期的提案
ここでは、今回の実習で提案までには至らなかったものの、
数年~数十年後を見据えれば導入可能であると思われるものについての提案を行う。
●IC駐輪場
IC駐輪場とは、名前の通りICによって管理された駐輪場である。
車輪留めをICによって管理することで、乱雑な駐輪状態を回避し、整然とした駐輪状態を保つことができる。
また駐輪場ゲートをIC管理にすることで盗難も防止できる。自転車の鍵を掛け忘れたとしても盗難に遭うことはない。
筑波大の学生証にはすでにICが使われているから、これを利用できると考えられる。
IC駐輪場は先に提案した自転車登録制に登録済みである自転車しか利用できないようにすれば、IC駐輪場が余分な自転車によって占領されることもないし、
登録制の促進にも繋がる。またIC駐輪場に縦置き型ラックを利用することで、今より多くの自転車が省スペースかつ機能的に管理できる。
●コミュニティサイクル
コミュニティサイクルとは、複数設置されているステーション(専用の貸出・返却場所)であればどこでも自転車を貸出・返却できる新たな交通システムである。
これは早稲田大学や名古屋市など、大学や自治体で先進的に社会実験や導入が行われている。
筑波大学は広大な敷地を融資、キャンパスも複数エリアに渡ることから、コミュニティサイクル導入の意義があると考えられる。
このステーションをIC管理にすることで、簡単に自転車の貸出、返却ができ、盗難も防止できる。また自宅通学生をはじめ、
自転車を購入しないという新たな選択肢も生まれ、自転車の総数自体の削減にも繋がる。
●駐輪場カラーリング
駐輪場をカラーリングすることで、効率的な駐輪場利用を目指す。ある教室(または棟)に行くには、
距離・時間的にどこの駐輪場を利用するのが最も適切であるかを色分けによって可視化するものである。教室(または棟)ごとに色分けをした大学マップを作成し、
その場所に行くために最も適切な駐輪場を同じ色でカラーリングする。つまり地図上の教室(または棟)の色と、そこに向かうのに最も適当な駐輪場の色を対応させるのである。
そうすることで、利用者は目的地に向かうのに最適な駐輪場を、一目見るだけで判断できる。
またその色分けマップは常に携帯していないと意味がない。必要な時に即座に見ることができるようにするために、スマートフォンのアプリの利用を提案する。
スマートフォンアプリで自分が必要としているエリアのマップを一発機動できるようにする。
これならば自転車に乗りながら地図を広げる必要がなく、片手で即座に必要な情報を取得できる。
その他に、一部の駐輪場が混雑し一部は利用されていないという現在の偏った駐輪場利用の状況も駐輪場カラーリングによって緩和できると考えられる。
●誘導サイン
地面に矢印による誘導サインを描く(提案②そめる、図7-4-2参照)。
これによって大学の学生や教員はもちろん、外来者も目的地に行くのにどちらへ向かえばよいのかが明確にわかるようになる。
広大な敷地とたくさんのエリア、建物を有する筑波大学にとって、これは有効に機能すると考えられる。
●ループ整備
><ハンプ除去>
ハンプとは、通行する自動車の速度を抑制するために道路上に設けられたカマボコ状の突起である。
筑波大においてはループ道路に複数個所設置されている。
これは自動車の減速を促し事故防止に役立つと言われているが、ハンプを避けるために反対車線にはみ出して走行する車が少なくないため逆に危険だという声が多く出ている。
また何度も減速と加速を繰り返す必要があるため、エネルギー効率的にも悪いのではないかという意見もある。将来的にはこれを撤去したい。
<交差点の段差解消>
ループ道路におけるスムーズでストレスフリーな走行を実現するために、交差点の段差を解消する。
<サブ軸強化>
ループ利用を促進するために、ペデストリアンとループを結ぶサブ軸を複数個所に整備する。
またサブ軸に隣接した駐輪場、さらに自転車整備を請け負うモビリティーセンターもあわせて整備する。
<舗装による歩輪分離>
走路舗装の色や素材を区別することによって、歩輪分離の徹底を図る。
<車通勤・通学制限強化>
車による通勤通学は大学から2km以内では禁止である、という現在の規制範囲をさらに広げ、自転車利用を促進する。
<センター・大学間LRT>
つくばエクスプレスが開通してからつくばの交通の便は格段によくなった。しかし、つくばセンターと筑波大間のアクセスはよいとはいえない。
そこで大学とセンターを結ぶ手段として、2つを結ぶLRTを提案する。