令和元年度 都市計画マスタープラン実習 2班

一戸一灯運動

1) 背景
 土浦市は現在、人口1,000人あたりの犯罪発生率が約10%(2019年12月末までの集計)と茨城県内ワースト1位です。この現状を踏まえ、土浦市を安全で安心な住みよい環境とするために防犯面に対する対策が必要だと考えられます。ここで、犯罪不安を感じる理由として「明るさの多少」が挙げられ、また、防犯対策として人通り・街灯を増やすことを検討すると、安全性を高めたいときには歩行者間隔がばらつく人通りを増やすよりも、街灯を規則的配置で増設する方が効果的であるとされています。土浦市の街灯は市道の街路照明灯・商店街街路灯・防犯灯に分類され、街灯の中でも、主に生活道路を照らし、犯罪抑止を図る目的で設置された街灯である防犯灯は町内会(自治会)が設置・維持管理を行っています。現在、土浦市でも「防犯灯設置等補助金」「防犯灯電気料金補助金」という形で自治会に対して防犯灯に関する補助を行ってはいますが、防犯灯による安全な明るさの確保は難しい状況にあります。

2) 概要
 地域の方々が連携し、夜間、自宅の門灯・玄関灯を一晩中点灯することで、自宅の安全に加え夜間の犯罪発生を予防する環境をつくる運動である「一戸一灯運動」を行います。灯りの規則的配置という面で住戸の灯りを点灯することで自治体主導の防犯灯設置ではカバーしきれない明るさを確保し、その住戸内に人が“いる”ことを外に示すことで監視性も高まることが期待されます。まずは、住宅街の暗さが目立ち、不審者情報も多いという現状を抱える三中地区で安全性を高め、さらに快適な住環境を持つ地区を目指すために先進的に導入します。そして、当運動を住民に対して周知するためにチラシを配布し、市内アナウンスを活用した声掛けを行います。

3) 費用
 一戸一灯運動の周知のための活動として三中地区の各戸にチラシを配布します。市が負担する費用はこのチラシ作成費10円×10,855戸(令和2年1月1日現在)=108,550円です。夜間の門灯・玄関灯点灯について、一か月の電気使用料金は一般的な15ワットの蛍光灯1個を1日6時間ほど点灯した場合で60円程度、最も夜が長い冬至を想定しても一か月140円程度であるため、住民負担とします。

4) 効果
 一戸一灯運動によって通りを明るくすることで、地域住民が安心して歩くことができ、自宅・事業所への侵入盗の防止やひったくりなどの街頭犯罪、性犯罪の防止が効果として期待されます。犯罪者がもっとも恐れるのは住民の視線だといわれており、街を明るくすることで、犯罪者は見られることを恐れるとともに防犯意識の高まりを感じ、その地域に近づきにくくなると考えられます。


作成者

令和元年度
都市計画マスタープラン実習
2班

安藤慎悟(班長)
有水瑛美
伊藤奎政
伊藤彩公子
奥村蒼
由井貴大
下津大輔(TA)