令和元年度 都市計画マスタープラン実習 2班

基本構想

 土浦市では現在人口減少が加速しており、それに伴い財政の圧迫、都市の郊外化、産業の衰退など様々な問題が生じています。
 そこで私たちは、各種問題の原因となる 人口減少 に着目すべきだと考えました。

 人口減少の内訳をみると、年々増加する自然減と、青年世代や新婚・子育て世代といった重要な世代での社会減が続いています。自然減に対しては全国的に人口減少が進んでいる中、土浦市のみ食い止めることは困難かつ得策とは言えません。そのため、人口減少に適応したまちを目指します。一方、社会減に対しては食い止めることが可能であると考えました。これらを踏まえて私たちは、 人と土浦のまちを「何か」で繋ぐまちづくり を目指します。これはコミュニティや情景といった「何か」によって人が土浦全体や地区に愛着や興味を持ち、繋がっていくことを目指すまちづくりです。人とまちを繋ぐことで、人を逃がさない・人を呼び込む・人を集めるといった効果が期待され、都市密度維持による自然減への適応及び社会減のさらなる抑制が可能となります。そしてただ人が留まり集まっただけではなく、私たちの提案する何か、で繋ぐことにより土浦というまちに対して愛着がわき、現在土浦で起きている、もしくは起きる可能性のある課題解決に繋がります。

 今回私たちは、人とまちを繋ぐ「何か」が大きく「くらしやすさ」「風景」「しごと」「人」の4つに分類できると考え、この4つの「何か」で人とまちを繋ぎます。


部門別構想

「くらしやすさ」でツナグ

 住環境や福祉といった要素を始めとし、都市機能や公共サービスの維持、住民の生活利便性を向上させるまちづくりを通して、人とまちを「くらしやすさ」で繋ぎます。

1.コンパクトな都市構造へ
 都市拠点を設定し、都市機能や居住を各拠点に集約・誘導します。
2.公共交通の利便性向上
 拠点間を繋ぐ公共交通のサービスを整備することにより、車社会から公共交通への転換を目指すとともに、拠点への居住を促します。


「風景」でツナグ

 情景や歴史といった要素をはじめとする、土浦固有の風景を理由に人が土浦に愛着や誇りを持ち、「土浦に帰ってきたい」「変わらない景色が残っている」と感じられるようなまちづくりを通じて、人とまちを「風景」で繋ぎます。

1.中心市街地における水辺空間の整備と発信
 土浦市固有の資源である霞ケ浦湖と土浦市の最大拠点である土浦駅を結び付けた、一体的な整備を行います。
2.大自然を活用したレジャーの推進
 土浦市の持つ大自然を、レジャー・アクティビティとして土浦市外の人に向けて押し出していきます。


「しごと」でツナグ

 商業・農業・工業といった要素を始めとし、土浦を支える各産業を活かしながら、新たな仕事や雇用の創出などを通じて、人とまちを「しごと」で繋ぎます。

1.スタートアップの推進
 全国的にも注目されているスタートアップに、土浦市も力を注ぐことで、新たなる雇用の創出と活気をもたらすことが期待されます。
2.工業の推進
 土浦市の基幹産業となっている工業を今以上に推進し、土浦市の強みとして押し出していきます。


「人」でツナグ

 コミュニティや市民協働といった要素を始めとして、土浦でしか得られない人との関係性や強いコミュニティを活かしたまちづくりを通じて、人とまちを「人」で繋ぎます。

1.スタートアップの推進
 人口減少が進む今後も、土浦市の強いコミュニティを持続的なものとするための策を講じます。
2.工業の推進
 比較的コミュニティの薄い新興地区においてもコミュニティを強化することで、土浦市全体として強いソーシャル・キャピタルを作り上げます。


地区別構想

 今回私たちは、平成26年3月策定の「土浦市都市計画マスタープラン」で採用されている区分法に基づき、土浦市を4つの地区に区分しました。

 



なお、土浦市の中学校区との関係は以下の通りとなっています。

 中央地区:一中地区、二中地区、四中地区
 北部地区:五中地区、都和中地区
 南部地区:三中地区、六中地区
 新治地区:新治中地区

では、各地区ごとの構想を述べます。


中央地区

 土浦の拠点として、市内でも最大の人口密度を維持しながら、市内外に土浦の魅力を発信し、土浦に人を繋げる地区を目指します。結果として、土浦の拠点に留まらず、茨城県南地域の広域的な拠点となり、ひときわ賑わいあふれる地区へと進化することを目指します。

1.広域的な機能の追加
 りんりんロード沿いのつくば市と桜川市、霞ケ浦湖周辺の市町村と連携し、中心市街地において新たな魅力を創出します。
2.「しごと」の充実
 中心市街地に都市拠点や居住を集約するだけでなく、職の場を新たに設けることで、更なる活気を生み出します。


北部地区

 土浦市の北の拠点である神立駅と新興住宅地であるおおつ野地区を含み、産業・医療の面で市を支え、働きやすく住みやすい地区を目指します。結果として、人との繋がりも生まれ、新興住宅地ながらコミュニティの強い地区へと進化することを目指します。

1.更なる産業の発展
 工場誘致の補助を充実させることにより、新興地区において更なる産業の発展を目指します。
2.コミュニティの強化
 新興地区であるおおつ野で、住民が主体的に活動できる補助を行うことで、コミュニティの育成を図ります。


南部地区

 土浦市の南の拠点である荒川沖駅を中心として、霞ケ浦総合運動公園をはじめとする憩いの場に近接し、主要幹線道路沿いという利便性の高さと住民主体の防犯対策で良好な住環境をもつ地区を目指します。更に快適な住環境をもつ地区へと進化することを目指します。

1.明るく安心なまちづくり
 住民の方々の協力を得つつ、夜道も明るく安心して歩ける街を目指します。


新治地区

 固有の資源である歴史や自然を活かして独自の産業を展開し、住民と一体となって活気を生み出す地区を目指します。結果として、住民が誇りを持てる地区へと進化することを目指します。

1.大自然を活かしたレジャー施設
 土浦市外の人に向けたレジャー施設を作ります。住民がその運営に関わることで、住民に誇りが、まちに活気が生まれます。


作成者

令和元年度
都市計画マスタープラン実習
2班

安藤慎悟 (班長)
有水瑛美
伊藤奎政
伊藤彩公子
奥村蒼
由井貴大
下津大輔 (TA)