背景・課題
浸水想定区域図の想定最大規模によれば、桜川による中心市街地の想定浸水深は 3〜5m(1階の天井から2階の天井近くまで浸水する程度) とされており、極めて深刻な被害が想定されている。これに対し、土浦市では堤防整備など複数の対策が講じられているが、洪水リスクそのものを低減するための対策については具体的な空間的・機能的な提案は十分になされていない。本提案では、洪水時の「加害力」そのものを低減することを目的として、市内の桜川上流部へ遊水機能を導入する。これにより、流域全体で河川への流出量を抑制し、中心市街地の洪水リスク低減を図る。
土浦駅周辺エリアの浸水深(左)とその目安(右)
概要
本提案では、土浦市内の桜川上流部を対象(図 )に、2種類の遊水機能を導入する。
一箇所目に、下坂田および飯田に広がる水田を活用した「遊水田」を整備し、洪水時にそこへ受け流すことで、堤防への負荷軽減を図る。
遊水田(茶色)と遊水公園(緑)の分布
二箇所目に、上備前川(かみびぜんがわ)と桜川の合流部に位置し、現在は一部がイオンモール土浦の臨時駐車場として利用されているエリアに「遊水公園」を整備する。越水のリスクを緩和するとともに、平常時には市民に開かれた公園として活用し、市民の防災意識向上も図る
遊水公園イメージ
効果
洪水ハザードマップに示されているピーク時の雨量条件を基に「1時間あたり77mmの降雨」が2時間継続した場合を想定する。この条件下において、遊水田および遊水公園を導入することで河川を流下するピーク時の流量はおよそ17%低減されると見込まれる。これにより、ピーク水位はおおむね50cm程度低下し、河川水位がピークに達するまでの時間を約5時間遅らせる効果があると推定される。
遊水機能の有無による桜川の流量の変化
河川のピーク水位とピークまでの時間(概略図)
