新治地区:歴史的住環境エリア
▶藤沢地区の強化居住誘導区域施策
将来像
歴史的な街並みを保全すると同時に、伝統的な街中での暮らしを求める住民を藤沢地区に誘致する。
現状/背景
藤沢地区は自然と調和した伝統的な家屋が建ち並ぶ街並みである。そこで、この地域特性を活かした居住誘導を行えないかと考えた。
提案:「景観形成事業による街並み保全」
現在土浦市内で行われている景観形成事業[1]を藤沢地区の中心部でも適用させ、景観の保全を強化する。また、景観に沿う住宅を新築する住民を対象とした補助金制度を作ることで、歴史的な街並みの保全を行いつつ、伝統的な街中での暮らしを求める住民層の誘致を行う。
▶旧斗利出小学校の活用
現状/背景
新治地区において廃校政策の対象となる小学校は旧斗利出小学校である。旧斗利出小学校が廃校になったのは2018年(平成30年)であることから、周辺に新たな若者世代が参入してくることが考えにくいことが現状だ。そのため、周辺の店舗や施設が今後徐々に減少し、利便性がなくなっていくことが予想される。
それに加え、中学校区別に算出された65歳以上の高齢者が占める割合である高齢化率は新治地区が最も高い36.92%である。今後より高齢化率が高くなるであろうことを踏まえると、周辺の高齢者がその地域で暮らしてゆける最低限の仕組みが必要だ。
条件:「健康確認を兼ねた置き薬の販売実施」
旧斗利出小学校に誘致した介護事業者が連携している外部の薬剤師によって定期的に旧斗利出小学校周辺に住む住民の住宅を訪問し、置き薬を販売する。
置き薬とは、江戸時代から続く歴史的な薬の販売方法である。薬の入った薬箱を顧客の住宅に預け、次回訪問する際に顧客は使用した薬の分だけ料金を支払い、販売業者は使った薬や使用期限の切れた薬を補充・交換する仕組みだ。これにより、近くに薬局や病院のない高齢者でも、車や自転車による長距離の移動を行うこと無く常に自宅に幅広い症状に特化した薬を所持することができる。その他にも、使用することなく薬の期限が切れた場合は費用負担がないことがメリットとしてあげられる。
それに加え、住宅を訪問する過程に周辺住民への健康確認を兼ねることで、地域住民に安心感を持たせ、健康なまちづくりにつなげる。