土浦をつなげる観光拠点「土浦フラワーシップ」を開設します!
施設の形状を1つの大きな「船」に見立て、
訪れた人々が自然と「関係」を築けるように、という願いが名前には込められています。
土浦フラワーシップについては特設サイトもご覧ください。

霞ケ浦に隣接しており、園内の植物や水辺空間も充実しているなど、自然資源を活かした観光としてのポテンシャルが高い霞ケ浦総合公園(水郷公園)を「土浦フラワーシップ」として整備します。
概要
土浦市は通年で楽しめる観光施設が少なく、花火大会や桜まつりなどのイベントに依存した観光地という特徴があります。また、首都圏や周辺地域からのアクセス性から、日帰り観光地としての特徴も備えていますが、その収益性は低いと言えます。そこで、アクセスの良さを活かした日帰り観光を、通年で楽しめる施設が必要だと考えます。
しかし、持続可能な観光地化を進めるうえでは、来訪者のニーズを満たし、収益を上げるだけでは十分ではありません。観光地は住民にとっても魅力的である必要があります。
そこで土浦フラワーシップでは、以下の3つの「つながり」によって、来訪者だけでなく、土浦市民にも魅力的な空間を提供します。
1. 魅力をつなげる
土浦にはその文化や自然資源を活かした魅力的な観光が数多く存在します。
・霞ケ浦
・サイクル観光
・きらら祭りに代表される祭り行事
・帆引き船観光
・花火大会
・レンコンなどの特産品
・里山や歴史巡り
・市の木である桜)
それらの魅力をつなげることで、土浦独自の魅力を創出します。
2. 自然とつなげる
土浦は自然の宝庫であり、人々はそこからあらゆる恵みを享受してきました。しかし現代では自然資源に関する課題は多く存在しています。霞ケ浦に代表される自然資源の恵みやそれを継承していく必要性、そしてその課題について、自然資源を体験しながら、学んで考える機会を提供します。これにより、来訪者に土浦の自然資源の魅力を知ってもらうだけではなく、土浦市民が霞ケ浦、
そして土浦に愛着や誇りを持てる観光まちづくりを行います。
3. まちとつなげる
都心からのアクセスの良さを活かした土浦の入り口的な日帰り観光拠点を作ることで、まち全体に観光による賑わいが広がることが期待できます。
花畑
土浦フラワーシップの観光の目玉として、市内随一の広大な花畑があります。
花畑は主に四つの区画に分かれています。それぞれで違う種類の花を植えることで、敷地全体が四種の花色に彩られ、より長い期間楽しむことができます。
また、一年草を毎年植え替える形で運用することで、訪れる季節毎に異なる花々を楽しむことができ、リピーターの創出を期待できます。
土浦市内では花卉栽培も盛んに行われており、様々な品種の花卉が生産されています。これらの品種を土浦フラワーシップで展示することで地域産業の活性化、「土浦ブランド」の花卉の知名度向上につなげることができます。
また、水生植物園の花々は霞ヶ浦流域の原風景に近いものであり、地域の自然を学ぶことができます。
これらの他に西洋庭園、バラ園をはじめ、霞ヶ浦総合公園の既存樹である梅、桜、モミジといった木々も彩りを加えます。

開花カレンダー
環境教育施設
園内には霞ヶ浦の生態系サービスと水資源の重要性について学ぶことができる環境教育施設があります。「伯爵宮」の1階及び2階を利用します。展示は茨城県霞ケ浦環境科学センター、及び茨城県企業局県南水道事務所と連携して行います。
※茨城県霞ケ浦環境科学センターは霞ヶ浦とその生態系などについて研究、学習支援を行っている茨城県の組織であり、環境教育展示で連携することが可能。
※茨城県企業局県南水道事務所は本施設に隣接する施設であり、浄水場として一体に水道水を供給している。「水道水はどこからやってくるのか」をテーマに水資源の重要性を学ぶ展示を行う。
既存施設であるネイチャーセンターは「進化の家」として霞ヶ浦に生息する生物の展示、バードウォッチング設備の提供を続けます。
水質浄化設備は水生植物園に移転し、隣接したビオトープの展示と合わせて霞ヶ浦の水質改善の意義を学ぶ展示に生まれ変わります。
無料開放エリア
施設の正面ゲートを兼ね、エントランスとして機能する建物「伯爵宮」と、りんりんロード土浦フラワーシップ休憩所の一部エリアは入園ゲートの外にあり、無料で開放されています。カフェや売店といった施設がこのエリア内にありますが、それらに加えて机椅子と小展示スペースを合わせた休憩所も設けます。
これはヨルベに似た性質を持ち、近隣住民の「たまり場」として機能します。例えば、体力に満ち溢れた子供は園内で遊ばせて、その親は休憩所で束の間の休息を得る、といった使い方も土浦フラワーシップの楽しみ方の1つです。
りんりんロード土浦フラワーシップ休憩所の無料エリアも同様で、サイクリストが休憩に利用することが想定されます。
開園前は総合公園として人々に親しまれていたことからも、観光施設として整備された後も無料で使える公共の福祉に資する要素は重要であると考えています。
アクティビティ
土浦フラワーシップでは自然の中で様々なアクティビティを楽しめます。
1. 遊覧船「ホワイトアイリス号」
水上から土浦フラワーシップの景色を楽しむことができます。
土浦全国花火競技大会や、水郷桜イルミネーションといったイベント時にも、陸上からは味わえない一味変わった光景を楽しむことができます。
2. スパ&プール「桃花源」
既存施設であるヒューナックアクアパーク水郷は本施設の一部となり、銭湯「霞浦の湯」は移転してスパ&プール「桃花源」としてリニューアルされます。水と直に触れあうアクティビティは、水環境をテーマにした本施設のコンセプトと合致しています。
3. アスレチック「アドベンチャーランド」
「森林に隠された秘宝を巡るアドベンチャー」というコンセプトで低学年児童から大人まで楽しむことができます。
こうしたアスレチック遊具は身体の普段使用しない筋肉を動かすものであり、子供の発育や運動不足解消に一躍買っています。また、一つのストーリー性を持たせた遊戯を行うことで、終わった後の子供の達成感につながるアクティビティとなっています。
4. 園内ジョギングコース
霞ヶ浦総合公園では一周1.5kmのジョギングコースが整備されており、盛んに利用されています。このジョギングコースに加え、湖岸のウォーターフロントを整備したことで、一周約2kmのより長いジョギングコースも生まれました。
園内の植物の彩りによって周囲の風景からも飽きさせないコースに生まれ変わります。
イベント
土浦フラワーシップでは自然や地域の文化に触れる様々なイベントが年間通して企画されます。
1. 観光帆曳船運行(7月~10月)
霞ヶ浦で古くから行われてきた帆曳船による漁は、現在は観光目的での運行が行われています。これを土浦フラワーシップからも鑑賞できるようになります。
霞ヶ浦の文化に関する展示と合わせて地域の文化への理解を深めることができます。
2. 飛行船「バロン号」実演飛行(夏季)
日本で運行される数少ない飛行船である「バロン号」が土浦フラワーシップにやってくる!と銘打ち、ツェッペリンNTを「バロン号」(ツェッペリン伯爵の発明した硬式飛行船より小型だから伯爵以下の「男爵」号)として土浦フラワーシップに着陸させます。
飛行船の離着陸を間近で見られる他、試乗も行います。また、抽選で選ばれた数名は実際に飛行を体験することもできます。
日本でも他に類を見ない実物の飛行船展示となっています。
3. 土浦全国花火競技大会前夜祭(11月)
毎年11月に開催される土浦全国花火競技大会は「土浦花火」として全国的に知られていまが、その前夜祭イベントを土浦フラワーシップで行います。
当日は夜まで開園し、小規模な花火の打ち上げや関連したイベントを開催し、花火大会を盛り上げます。
もちろん、土浦フラワーシップや遊覧船から花火を眺める場を提供しています。
4. 水郷桜イルミネーション(12月~1月)
冬に開催される水郷桜イルミネーションではオランダ風車を始め、園内が色とりどりのイルミネーションでライトアップされます。
土浦フラワーシップではこれをさらに強化し、「自然とイルミネーションの共演」をテーマに、自然と一体になった展示を行います。クリスマスと大みそかには特別イベントも開催されます。
遊覧船にのって霞ケ浦の上から幻想的な風景を眺めることも可能となっています。
この他にも、花々の開花期に合わせて花祭りを実施します。
サイクルツーリズム
土浦市内で既に取り組まれているサイクルツーリズムについては、土浦フラワーシップによって更なる加速を期待できます。
霞ヶ浦総合公園にはつくば霞ヶ浦りんりんロードの経路が含まれていましたが、土浦フラワーシップではこれを活用し、りんりんロード土浦フラワーシップ休憩所を設けます。
りんりんロード土浦フラワーシップ休憩所はサイクリストの休憩所として賑わいが生まれる他、本施設を目的地として自転車による来訪も見込めます。
大規模な施設である土浦フラワーシップでは、土浦フラワーシップに自動車で訪れ、レンタサイクルを利用してりんりんロードを巡り、施設に戻ってきてリフレッシュしてから帰る、といった利用も可能です。
地域産業との連携
土浦フラワーシップでは園内での飲食物、土産物等も重要な要素です。ここでは、地域産業と連携することで、当施設を通して、土浦市やその周辺の地場産品の魅力を発信します。
土浦市の名物れんこんや霞ヶ浦で獲れるワカサギなどを地場産品として掲げているが、市外や県外の人々への知名度では効果が一定に留まっています。土浦フラワーシップではこうした地域の特産品をグルメとして提供します。園内の飲食物としてある種の「試食」を行ってもらうことでこうした特産品の価値に気付き、店舗での購入につなげるねらいだ。
また、土産物の消費も施設の重要な収入源といえます。市内は産業の集積地があり、土産物を市内で生産することにより、施設の営業によって生まれる生産波及効果の多くを市内の地域経済に還元することが可能になります。
来園者特典
来園者特典として、市内施設・店舗で様々なサービスが受けられる特典を設けます。
既存のサイクリスト優待サービスを参考に、本特典では市内の施設・店舗で土浦フラワーシップの入場券の半券を提示することで、様々なサービスが受けられるものとなっています。
特典に参加する店舗は客数の増加につながるだけでなく、広報の効果も期待できます。利用者にとっては土浦フラワーシップと合わせて周辺地域を巡り、お得に観光ができるというメリットがあります。特典を受けるには、土浦フラワーシップの当日または昨日の半券を提示することが必要(年間パスは不可)です。昨日の半券も有効とすることで、全日に土浦フラワーシップを堪能し、宿泊して翌日は特典を受けながら市内を観光、といったプランが可能になります。
市街施設との連携
土浦フラワーシップは市外の類似施設とも連携します。
茨城県には、花や自然を主な展示とするテーマパークである石岡市の「いばらきフラワーパーク」、ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」があります。そこで、土浦フラワーシップを合わせた3施設を「いばらき花の大三角」と題し、茨城県内の3つの自然型観光施設として共同プロモーションを行っていきます。

いばらき花の大三角プロモーションキャンペーン
共同プロモーションの内容としては、それぞれの施設で他施設への来訪を促すような展示を行う他、それぞれが目玉としている品種(例としていばらきフラワーパークであればバラ、国営ひたち海浜公園ではネモフィラ)の種子を贈り合うことなどを想定しています。
これらを通じてそれぞれの市の魅力発信にもつなげ、来園者数の増加につながることが期待できます。
入園料・アクセス

土浦フラワーシップ入園料
土浦フラワーシップへの来園者の多数は自家用車での来園を想定していますが、公共交通の利用者を対象にJR土浦駅と土浦フラワーシップを結ぶ無料シャトルバスの運行を行います。運行は休日や花の開花期などに限定されますが、誰でも利用することができます。
また、その他のアクセス手段としてりんりんロードを利用した自転車や、遊覧船での来園も想定し、それぞれに入園ゲートを設けています。
土浦市民無料開放デー
地域住民の福祉に資する施設として、「土浦市民無料デー」を設けます。
閑散期の平日等を対象に、定期的に土浦市民が無料で入園できる日を設けます。
対象は土浦市民及び土浦市内の学校に通う学生で、住所の分かる本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、学生証等)を掲示することで入園料を払わずに入園が可能となります。書類を持たない小学生以下の子供については、保護者が対象者であれば適用されます。
「土浦市民無料デー」によって市民が気軽に訪れられる施設となり、定期的な開催によって園内の植物から季節の移ろいを感じ、自然に親しむことができます。また、来場者が増えるために園内での飲食・お土産消費の増加が見込めます。
費用と効果
費用
「土浦フラワーシップ」の建設費用は計52億円と推定します。

土浦フラワーシップ整備費用(単位は億円)
効果
開園後5年間の平均来場者数を30-35万人/年と推定すると、年2億円程度の営業利益が見込まれます。
また、建設投資による生産波及は約100億円、運営による生産波及額として毎年4億円程度の経済効果を期待できます。

土浦フラワーシップの収益推定(単位は円)
まとめ

土浦フラワーシップ

自然の恵みを再認識し、愛着と誇りを育む