そもそも市民農園とは「農家以外の方でも農作物の栽培、農業体験が出来る機会を設け、身近に農業を感じてもらうことができる事業」として土浦市農林水産課が統括して行っている事業です。耕作放棄地になってしまうはずだった未利用農地を、土浦市が請け負い管理することで、関わる人みんなが得をする「市民農園+」として運用します。
現状と概要
耕作放棄地の増加は土浦市の農業において重要な課題です。これを踏まえて、農家が所有している未利用農地を集積し、市民農園へ転用する事業「市民農園+」を行います。また、現在耕作放棄地対策として「農地中間管理事業(通称:農地集積バンク)」が存在しますが、土浦市の農地集積率は全国平均の2分の1ほどで、農地集積事業は土浦市では進んでいないと言えます。「市民農園+」では、未利用農地登録時に土地管理者へインセンティブを与えることで、当制度の積極的利用を促します。さらに、農地の状態が悪く作物の栽培には整備が必要な場合、貸し手である土地管理者、または借り手である市民へ農地整備を依頼し、整備者に対して整備費用の補助を行います。土地整備者が借り手である場合には、借り手の支払額、貸し手への支払額ともに減額を行い、両者に負担のない状態で運用されることを理想としています。
詳細
土地管理者、農家の方は現在使用していない農地を土浦市の「市民農園+」用地として登録します。登録時給付金として1区画毎に1年間の賃料と同額のインセンティブを土浦市から貸し手へ支払います。既存の市民農園にならい、基準となる1区画は20㎡、単位期間は1年間と設定します。農地が荒廃していて整備が必要な場合、その荒廃レベルを以下のように設定します。
Lv.1:草・灌木の除去が必要であるが、根・地下茎の除去が不要
Lv.2:草・灌木の除去に加え、根・地下茎の除去が必要で、バックホウなどの機器が必要
上記の荒廃レベルに応じて整備費用補助及び、賃料減額を行います。整備費用補助額や賃料などの金額は以下の通りに設定します。

上記のすべての場合において、借り手が着いてから3年目以降は安定した収益化が可能です。10年目には1区画あたり11,000〜13,000円の収益が得られます。人口減少による税収の減少の背景を踏まえ、これらの収益は新規就農者に対する補助金のさらなる予算確保など、新たな市民への支援金確保に活用できます。
土浦市農林水産課では毎年3月から4月頃に市民農園の新規利用者を募集しており、令和4年度募集があった農園のすべてが令和4年4月1日時点で満員でした。これらの農園は中央・南部地区に集中しており、市内の他地区においても需要がある可能性が高いでしょう。
まとめ

未利用農地から「市民農園+」へ

豊かで安心できる食生活を