タイトル

改善案検討

5-1 概要

 現状把握によって、学内で迷う問題が分類・整理された。この章では、問題に対する改善案を検討し、現状把握の結果やコストの観点で評価した。アンケート調査では各改善案について必要度などの観点での評価を筑波大生165人に聞いた。このアンケートは現状把握のアンケートと同時に実施している。我々が提示する改善案は6つあり、以下ではそれぞれについて検討し評価した結果を述べる。各改善案が解決する問題をまとめると次の図5-1のようになる。

図5-1
図5-1 各改善案と対応する問題

5-2 大学公式アプリ

 この改善案は、大学が公式に地図機能を有するアプリを配信するというものである。この改善案は安定した更新やポータブル性がメリットである。一方で、スマートフォンを持っていない人や外部の人などは利用できないというデメリットもある。

 アンケートの結果、地図機能を搭載した公式アプリが必要だと思う人は回答者の約7割に上り、必要性が高いことが分かった(図5-2)。また、えりたんの使用度、満足度が高いことは先に示した通りであり、公式アプリでも機能が充実すれば同様の結果が期待できる。必要とされている機能については表5-1に示す通り、えりたんに無い機能の必要度が高いことが分かる。これらのことから公式アプリは効果的な改善案であると考え、推進室に提案をした。

図5-2
図5-2 公式アプリの需要
表5-1 求められる機能と必要度
表5-1

5-3 地面にペイント

 この改善案は、図5-3に示すように地面に「矢印」「その先の施設名(2言語対応)」「施設までの距離」をペイントするという案である。メリットは、特に自転車利用者に有効であることと、設置に場所を取らないことが挙げられる。

設置位置としては、ペデから野球場、屋内プール(体芸エリア)に行く道を検討する。この道は体育で多くの人が通るが、元の看板の位置では曲がり道がどこにつながっているかわからない。迷走実態調査でも迷った経験が多い場所であり、ここに設置することで問題を解決できると考えられる。
 アンケートの結果(図5-4)は、役に立つ、利用するという回答が多かった一方で、景観が悪化するという意見も一定数存在した。

図5-3
図5-3 地面にペイント案イメージ
図5-4
図5-4 地面にペイント案の評価

5-4 QRコード付き看板

 この改善案は、既存の看板にQRコードを添付し、それをスマホで読み込むと看板が示す建物の場所がわかるという案である。この案は低コストで実行できる[9]というメリットがある一方で、自転車利用者は使えないというデメリットもある。

 具体的な設置位置としては、ペデストリアンデッキ沿いのバス停を示す矢印看板とバス停付近の地図看板に添付することを検討する。これによりバス停とペデストリアンデッキのつながりを強化することができると考えられる。
 アンケートの回答(図5-6)は、必要性と利用度が低い結果となった。この結果は、この改善案が自転車に乗りながらでは利用できないことが影響しているのではないかと考えられる。筑波大学の外部から来る人にとってはまた別の評価になるであろう。

図5-5
図5-5 QRコード付き看板案イメージ
図5-6
図5-6 QRコード付き看板の評価

5-5 建物配置図

 この改善案は、棟のつながりを示した配置図を、その棟の入り口に設置するという案である。メリットとして使う人を選ばないことが挙げられるが、一方で施設部によるとコストが一枚20万円と非常に高いことがデメリットである。

 具体的な設置位置は、迷走実態調査で迷ったエリアとして特に多く挙げられた第一、第二、第三エリア付近のペデストリアンデッキ沿いで、人目に付きやすい5カ所とした。それぞれの位置は図5-8に示す。
 アンケートの結果は、どの項目についても6つの改善案の中で最高の評価であり、非常に優れた案といえる。しかしながら、やはりコストの高さは無視できない問題である。

図5-7
図5-7 建物配置図イメージ
図5-8
図5-8 建物配置図案の評価

5-6 迷子ハザードマップ

 この改善案は、新入生にエリアごとに迷いやすい場所を示したマップを配り、ピンポイントで迷う場所に対策するという案である。メリットは、キャンパスマップに比べて迷いやすい場所に特化しておりかさばらないことと、コストもさほどかからないことが挙げられる。迷いやすい地点の特定にはキャンパスマップのコラムや迷走実態調査で上がった位置を利用する。この改善案は新入生が迷う問題に対応している。

 アンケートの回答(図5-10)としては、新入生をターゲットとするため一年生の回答に着目した。その結果、役立つと思う意見や必要性が確認された。そのため、新入生に対して効果的であると考えられる。

図5-9
図5-9 迷子ハザードマップイメージ
図5-10
図5-10 迷子ハザードマップの評価

5-7 新歓ツアー

 この改善案は、新歓イベントの一環で学類のエリア外において授業等で利用する場所を巡るツアーを行うという案である。この案により、キャンパスに慣れていない新入生を一度空間認識させて道に慣れさせ、迷わない学生づくりをすることができる。

 アンケートの回答(図5-11)としては、迷子ハザードマップと同様に、新入生がターゲットのため一年生の回答に着目した。その結果、前案と同じく役に立つと思う意見や必要性、利用可能性の高さが確認された。

図5-11
図5-11 新歓ツアーの評価

参考文献

[9] ラクスル株式会社,「A3サイズのチラシ・フライヤーチラシ・フライヤー印刷料金表 ネット印刷のラクスル」 https://raksul.com/flyer/a3/44_coat_standard_4c4c_option-14-1/?amount=1(2019/6/18閲覧)

ページTOPへ↑