現地調査・ヒアリング調査
留学生センターへのヒアリング
-
2015年4月28日(火)に留学生センターの酒井さんに、留学生センターのことや留学生の実態を知るためにヒアリングを行った。 留学生センターは、非正規生のための支援室のような役割を果たしている。ここで、非正規生に対し正規生とは、一般学生と同様に入学する学生を指す。基本は、こちらから留学生に対して何か情報提供するようなことはなく、留学生センターに留学生がやってくることで、情報提供を行う形をとっている。2023年までに4人に1人が留学生になった場合、従来のサポートを留学生に対して行うバックアップ体制をとるのは難しいのではないかと考えている。将来的に留学生センターをなくし、その業務をそのままグローバルコモンズに引き継ぎ、さらに各支援室に国際業務に対応するスタッフを配置する「エリアコモンズ」を普及させることによって、留学生にも日本人と同様の対応を行うことを目指しているという。
留学生へのヒアリング
-
2015年4月28日(火)に韓国人留学生のオムソンヨンさん、中国人留学生のアンチェンガンさんに留学生の実態を知るためにヒアリングを行った。 母国で勉強した日本語と話し言葉とは全く違って戸惑いがあった。日本語で分からない箇所は、調べるよりは人に聞いた方が早い、かつ、コミュニケーション能力の上昇にもつながるとおっしゃっていた。生活面では、紙媒体で提出することが困難であった。メールなどの電子媒体を通じてしたほうがよいのではないかという意見が挙がった。また、「留学生の受ける授業には偏りがある。皆でディスカッションをしながら行う授業を増やしてほしい。日本人学生が留学生とともに受ける授業があってもよいのではないか。」、「宿舎に1人で住むのは寂しい。」という意見も見られた。 留学生同士のコミュニケーションについてはFacebookなどで行われているそうだ。日本の学生にはさらに積極的に留学生と交流してほしいとのことであった。 結果、他大学のような取り組みが筑波大学でも可能なのではと考えた。
筑波大学学生宿舎見学
-
2015年5月19日(火)に筑波大学の宿舎の現状を知るために学生宿舎の見学を行った。一の矢学生宿舎の2、23、38号棟また、平砂学生宿舎3,4,7号棟の見学を行った。
一の矢学生宿舎2号棟は学生宿舎11のタイプのうち、タイプ1である。共用スペースはシャワー室などにつながるダイニングキッチン式の部屋であった。キッチンには洗剤などの荷物が置かれていた。
次に23号棟(タイプ2)では、5~6人の人が扉をあけるとすぐに会うことができるような部屋の間取りである。共用スペースには机とソファが置いてあった。そこでくつろぐような人もいると聞いた。また、そこが交流するスペースにもなり得る可能性があった。
38号棟(タイプ7)は留学生専用の宿舎である。長続きの廊下の片側にたくさんの部屋が並んでいた。また、交流スペースとして使えそうな共有スペースは施錠されていた。過去に私物を置きっぱなしにしていたり、騒ぎすぎたりして問題になったことがあったようだ。見た目は他の宿舎とあまり変わらず、留学生だからといって変わっていることはなかった。
次に、平砂学生宿舎3号棟(タイプ5)を見学した。共用スペースにソファが置かれているというのが特徴的であった。また、真ん中にはテーブルも設置されており交流しやすい環境なのではと考えた。片廊下型で部屋が並んでいた。そのために、声が響きやすいというのも特徴的であった。
平砂学生宿舎4号棟(タイプ4)は長い廊下で部屋が並んでいた。階段前のスペースには私物の自転車が置いてある場所もみられた。また、左右対称なのも特徴的であった。
最後に平砂学生宿舎7号棟(タイプ2)を見学した。一の矢学生宿舎の23号棟と形は同じであるが、異なるところがそのユニットが複数つづいているという点と、また、共有スペースには何も設置されておらず、ただ広い空間となっていたことである。主に、洗濯物干し場として使われていたようだった。また、そのスペースを囲むようにして部屋が設置されている。しかし、ゴミなどが扉の外に無造作に放置されている様子も見受けられた。住んでいる人みんなが気持ちの良いスペースの使い方はないのかと考えた。
名称 筑波大学学生宿舎 大学 筑波大学 棟数 一の矢、平砂、追越、春日
計エリア60棟部屋数 1人部屋 3430室
2人部屋 153室
世帯室 251室部屋面積 1人部屋 10㎡
2人部屋 30㎡
世帯用 3041㎡月額宿舎料 1人部屋 15350or14830円
2人部屋 31660円
世帯用 22769円〜27696円居住形式 個室
+キッチン、トイレ、シャワー共用備考 学群の新入生は優先的に入居することができる。各エリア共用等には管理事務室、理容室もしくは美容室+電気店があり、その他平砂共用棟には食堂と共同浴場が、一の矢共用棟には売店がある。 名称 一の矢学生宿舎2,23,38号棟
平砂学生宿舎3,4,7号棟見学日時 2015年5月19日(火)15:00〜
私たちはまず筑波大学学生宿舎をその空間構成から11のタイプへと分類し、特に見学する必要があると思われるもの6棟を現地調査した。
宿舎タイプ 居室対象 共用スペースの有無 共用スペースのタイプ フロアの部屋数 総居室数 現在入居数 日本人:留学生(数) アンケートでの回答数 1 単身用 ○ リビングキッチン 8、10 482 436 390:48 60 2 単身用 ○ リビング 5、6 729 609 444:165 57 3 単身、2人室、世帯用 × 2〜4 489 321 179:142 142 4 単身用 ○ 談話室 29 357 349 346:3 48 5 単身用 ○談話室 23、24 67 66 66:0 6 6 単身用 ○ リビング 21〜30 880 532 51:481 3 7 単身用 ○ 補食室 8〜19 352 261 27:234 9 8 単身用 ○ リビング 33 135 102 26:76 3 9 単身・障がい者用 ○ リビング 9〜12 222 140 30:110 6 10 単身用 ○ 湯沸洗濯室 7〜18 154 151 151:0 1 11 単身、夫婦、家族用 × 4〜6 20 17 2:15 0
一の矢学生宿舎2号棟 タイプ1 同上23号棟 タイプ2 同上38号棟 タイプ7 平砂学生宿舎3号棟 タイプ5 同上4号棟 タイプ4 同上7号棟 タイプ2
共用スペースはフロアによって使われ方が大きく異なっており、ソファがあらかじめ設置されている所や(一の矢23号棟、平砂3号棟)物干し竿が立てられている所(平砂7号棟)、共用の荷物が置かれている所(一の矢2号棟)等、さまざまな活用方法が観察されたものの、ゴミ袋が無造作に放られていたり(平砂7号棟)厳重に封鎖されていたり(一の矢38号棟)と荒んだ様子も多く見られた。共用スペースは交流の場となりうるだけでなく、同時に集団生活のしわ寄せが表れる場にもなりうる。
文献調査
現地見学・ヒアリング
他大学見学
アンケート調査