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  •     第一章:序論
        第二章:プレ調査
        第三章:ヒアリング調査
        第四章:定点観測調査
        第五章:3学駐輪場全数調査
        第六章:駐輪場整理作業
        第七章:タグ無し自転車撤去
        第八章:アンケート
        第九章:提案
        第十章:総括
        参考文献
        謝辞

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  • 提案
       1 フレッシュマンセミナーの活用

    学生の不適切駐輪に対する問題意識の低さという問題に対して、新入生の必修科目である、フレッシュマンセミナーを活用した対策を提案しようと思う。
    まず、5月下旬から6月上旬にフレッシュマンセミナーの一環として駐輪整理作業を実施する。そして、その後話し合いの場を設けることで、1年生時点で学内の問題を発見する機会をつくる。駐輪整理作業を実施することで不適切駐輪に対する問題意識を喚起し、討論会を行うことによって学内問題の原因が学生自身にあることも認識させることができるのではないだろうか。また、討論会はそれほど堅苦しいものではなく、LT(ライトニングトーク)と呼ばれる、数分間の簡単なプレゼンテーションを行う方式を導入する。気軽に意見交換をできる雰囲気を作り出すのが目的である。フレッシュマンセミナーは学生と教員が直に接することができる数少ない場であり、自らが活動することでさらに新たな問題点を発見し、その問題点・対策をフレッシュマンセミナーで教員と共に考え、学生・大学間の情報共有が図られるのではないか。

       2 デポジット(預かり金)制度の導入

    調査を通して、学内の駐輪場の駐輪容量の一定割合を放置自転車が占めていること、昨年に筑波大学が学内から撤去された放置自転車が約1,400台あったことが明らかになった。そのため、このような放置自転車を減らし、本来の駐輪容量分だけ駐輪場を利用できるようにする必要があると考えた。放置自転車の発生原因としては、故障した自転車を放置するケース、新しい自転車を購入して古い方の自転車を放置するケース、卒業時に不使用となる自転車を放置するケース等が考えられるが、ここでは、特に卒業時に不使用となる自転車を放置するケースへの対策方法を考える。
    筑波大学において自転車を使用する場合、その自転車を大学に登録し、登録証明証として発行されるICタグを貼付する必要がある。学生は自転車を登録するときに登録料金として4,000円を支払う。なお登録料の内訳は、ICタグ発行料金として1,000円、デポジットとして3,000円である。デポジットの金額については、アンケートで調査した支払意思額を参考に、「多くの学生が払ってくれる高すぎない金額」かつ「多くの学生が返金を求めにくる金額」という条件下で、平均額に近い3,000円を設定した。そして、卒業等の理由で、学内で自転車を使用しなくなる場合、ICタグを貼付していた自転車を大学内の所定の位置まで持って行く。大学は学生証とICタグのデータを照合した後、自転車登録時にデポジットとして預かっていた3,000円を学生に対して返金する。(下図参照)



    返金が行われた時点で自転車登録は解除となる。登録解除となった自転車について、持ち主がその後使用する予定が無く、粗大ゴミとしての処分を検討している場合、返金手続きを行った場所の付近に設置された不使用自転車集積所において無料で回収を行う。
    なお、筑波大学は学内で撤去した自転車を外部業者に無料で回収するよう委託しているため、無料回収が可能となる。

    この制度により、学生が卒業時にデポジットの返金請求に訪れるために大学に自転車を持ってくる機会を作りやすくする。アンケート結果から、3,000円のデポジットを設定した場合には46%の学生が返金請求のために自転車を持ってくるという結果が出ており、昨年大学全体から撤去された自転車が約1,400台であることから、約650台の自転車の放置自転車化を阻止することができる。さらに、返金請求を行う場所の付近に回収場を設けることで、返金請求後の今後不使用となる自転車の回収を円滑に行えるようになる。それによって、不使用自転車の回収率は高まるだろう。また、不使用自転車を指定の箇所に集積させることによって、放置自転車が学内の駐輪場に分散している状態を事前に回避できる。それによって、駐輪場本来の駐輪容量分が利用可能となる。