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  • 成果物
  •     第一章:序論
        第二章:プレ調査
        第三章:ヒアリング調査
        第四章:定点観測調査
        第五章:3学駐輪場全数調査
        第六章:駐輪場整理作業
        第七章:タグ無し自転車撤去
        第八章:アンケート
        第九章:提案
        第十章:総括
        参考文献
        謝辞

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  •     1 調査の背景と目的
     筑波大学は南北に5キロ,東西に1キロもの日本でも指折りの広大なキャンパスを持つ.およそ4700人の教職員と16400人の学生が在籍しており,その学生のうち約80%が通学に自転車を利用している.
     そして,この自転車利用者の多さゆえの問題も発生している.その問題の中の1つに駐輪場の混雑問題がある.多くの学生が利用する施設がペデストリアンデッキ(以下「ペデ」とする)沿いに立地していることから,ペデ上の駐輪場の利用率が高く,駐輪容量を超えて枠外に自転車が溢れている.われわれが主に授業で利用する第3エリアにおいても,指定駐輪場の駐輪容量を超える自転車が駐輪されている.
     この状況を大学側は問題視しており駐輪場の増設,年に1回の放置自転車の撤去等で対応しているが,これらの問題は依然として解決されていない.また,2013年10月より自転車・バイク登録制度「ICycle」が導入されたが,半年が経過した現在もICycleを活用した違反駐輪の取り締まり等は行われていない.
      3学周辺の駐輪場問題は,次の3つの要因により構成されていると我々は考えた
      まず,駐輪問題を構成する3つの要素のうち,③駐輪場の混雑の原因として,3学における駐輪場の容量不足が考えられるが,この容量不足は更に,駐輪需要の絶対数に対する容量不足と,ペデ沿いの駐輪場に一極集中的に駐輪が集中するために起きる容量不足の2つに分けることができるだろう.
      次に,②違法駐輪と③駐輪場の混雑の原因として,駐輪場の認知度の低さを挙げることができると考えられる.「筑波大学第3エリアにおける駐輪の実態と避難への影響」(田村・野上・宮脇・劉 2013)においては,アンケートによって,3学食堂の東に認知度が高く,なおかつ容量が不足していると利用者から思われている駐輪場が多い一方で,3F棟周辺の駐輪場等については認知度が低かったり,3B棟周辺など,知られているにもかかわらずあまり利用されない駐輪場が存在したりすることが明らかにされており,後述する,我々が行ったキャパシティ調査の結果とも,整合する部分が多かった.
     最後に,①迷惑駐輪と②違法駐輪の原因として,学生の問題意識の低さを挙げることができるであろう.このような問題意識の低さの原因としては,駐輪を行おうとする場所に監視の目がおかれていない,ICなどを用いた規制がほとんど行われていない,自らの駐輪行為による被害を被ることがない,などが挙げられる.
     このように,3学周辺の駐輪場においては,複合的な要因が関係しあった問題が顕在化しており,これらの問題は改善の必要性が高いため,先述した3つの問題点に関わる要因の解決を行うために,提案を行ってゆく.

       2 調査フロー