都市計画実習2010
社会的ジレンマの説明 藤井聡先生の本を参考に・・・
私たちが、3A棟内に掲示したものの紹介☆
利用時間については,実験前では11:15~11:30に利用者が極端に集中しており,実験中に利用するように促した非ピーク時間(11:45~12:00)では利用者が極端に減っていることがわかった.また,2回にわたって利用者のピークが集中していた.しかし実験中ではどの時間においても均等に利用者がカウントされ,われわれが利用を促した非ピーク時間においても利用者が増えていること,つまり協力行動者が増大したことがわかった.
扉開放については,実験前では扉を自らの手で開け,通るという作業が必要だったが、これらを省略させた実験中の扉開放の機能改善では,約3秒近い通過時間の短縮に成功した.
アンケート結果の比較から,チラシをもらった授業直後に食堂の利用時間をずらす協力行動に移しやすい2限の授業の2つにチラシを配ったこと,食堂をもっとも利用する一年生の授業にチラシを配布して結果が出ているので,午前中の昼食に近い時間帯で行われる授業の食堂利用頻度が高い対象に情報提供を行うことができれば,協力行動意図の形成に大きな成果が得られることがわかった.また,実際に自分の目で食堂の混雑を見て混雑を体験している人間は「利用時間をずらすことで食堂の混雑していない時間に食事ができる」という自分にとって有益な情報を受けて協力行動に移したということがわかった.また,三角柱広告以上に強い影響を持つ行動意図が存在していることから協力行動の誘発のためには,ジレンマによって発生している問題を実際に対象者に体験させ,さらに協力者に有益な情報をあたえることが重要であることがわかった.
これらから,心理的方略・構造的方略ともに,食堂の混雑緩和に効果があったことがいえる.具体的には,
□心理的方略:ピーク時間を避けて、食事をとろうという行動を活性化
□構造的方略:ピーク緩和、食堂内通過時間短縮、注文待ち行列の整列化
といったところである.昼休みという限られた時間の中でも,私たちが目的とした混雑緩和の傾向が見られたといえるだろう.
今後の課題として挙げられるのは,実習で提案した混雑緩和手法の継続実施である
1) 扉の開放・トレーの位置
食堂側との話し合いで、従業員の方々が作業を行ってくださることになった。
2) ショーケースの位置
食堂側との話し合いを継続する.
1学期の間は撤去に合意していただいたが,ショーケースは会社側のリース契約のためその後の判断は難しいが,スムーズな通行のために正式に撤去をお願いしたい.
最終発表会の際に本社の方がいらっしゃって,発表後,社に持ち帰って検討するとの返事をいただくことができた.
3) ほかの食事場所(名店街など)への導入・拡大
机の配置,扉の開放など,有効な機能改善をほかの食事場所(たとえば三学食堂と並び,人気のある「名店街」)に提案することができれば,第三エリア全体でより利用しやすい学食になると考える.