都市計画実習2010

1社会的ジレンマについて

社会的ジレンマの説明  藤井聡先生の本を参考に・・・

2背景・既存研究

私たちが、このテーマに辿り着くまでの軌跡と既存研究

3掲示・配布したもの

私たちが、3A棟内に掲示したものの紹介☆

背景

まず私たちは、KJ法によって身近な社会的ジレンマをあげてみた。
A 交通について
・ ラッシュ時の混雑した電車・バス
・ 駆け込み乗車
・ 自転車・歩行者の信号無視
・ 車の速度違反
・ つくばセンターなどにおける一時停車、一時駐車
・ 自転車のマナー(ライト不点灯)
・ 違法駐輪
・ 自転車の傘差し運転
・ 子育てバリアフリー(ベビーカー利用率の向上にむけて)
・ 上に向けられた街灯(無駄がある?)

B 食生活について
・  単純に食堂の席数が利用者数より足りない?
・  飲食以外での目的(勉強とか雑談)?
・  食品廃棄
・  脂っこい食事(ファストフード)
・  大学生の食生活(7つのコ食)
・  激安弁当
・  利己的個人の食生活・交通生活

C 宿舎について
・  宿舎の静脈認証(不便だから壊す→莫大な修理費)
・  隣人との近所づきあい―面倒だからしなくてよい―人とのつながりが薄くなる
   (地域コミュニティーの崩壊?災害時は?)
・  補食室の汚さ

その他、AとBに関連して、
・  コンビニエンスストアーの24時間営業
・  自動販売機の設置
・  ハピネスと利己・利他的人間

続いて、3学の食堂における問題点についてのKJ法による考察
A 3学食堂について

  <改善が可能であると思われるもの>
・  レジが1つしかない
・  レジの処理能力の限界
・  無駄なスペースがある
・  食堂の奥に吹き溜まりのような場所があり、人の回転が悪い
・  メニューの種類ごとにどこに並んでいいかわからない
・  入り口の扉は混雑時は常に開けてほしい

  < 改善が不可能であると思われるもの>
・  机が必要以上に大きい
・  支払いを食券式にしたら?

  < 改善が可能かどうかわからないもの>
・  ショーケースが邪魔
・  メニューの位置が悪い

B 名店街について
   <改善が可能であると思われるもの>
・  机の並べ方が悪く、人が通りにくい
・  レジ前に4列に並ぶのが規範になっていない(粉クリ)
・  レジの動線が悪い(買う人、選ぶ人、帰る人が交錯している)(粉クリ)

  < 改善が不可能であると思われるもの>
・  定食屋だけ机と人との空間が大きい
・  改修時に各店舗の壁を残したため、動線がごちゃごちゃしている
・  店舗間を仕切る壁
・  粉クリと名店街の席を分ける必要は?
・  名店街の食券機を各々の店にしなくてもいいのでは?
・  粉クリの食器返却場の位置が悪い(粉クリ)
・  返却口と出口が離れていて効率が悪い(粉クリ)
・  レジや受け取り口の少なさ、狭さ(粉クリ)
・  味付けが濃い(体に悪い)(粉クリ)
・  そもそもキャパが足りない。もっと食堂があってもいい(需要と処理能力を調べる)。

C マナーについて
・  座席を確保しようと座っている人の後ろで待たれると気持ちよくない
・  すっと並んでたはずなのに券売機の前で長時間悩む人
・  列に並ぶとき、前の人との間隔をあけている人がいる
・  食事終わってものんびりしている人
・  カバンはあるけど人がいない席
・  一人で複数の席を使用している
・  並ぶ列の形状は学生まかせ。通行する人のことを考えない
・  列誘導。待つ場所の不十分さ
・  グループでの場所取り
・  座席をとり合う仁義なき戦い

D 時間について
・  実は・・・11:30~の20分間だけに集中
・  混雑の波が11:25~と12:15~の2つある
・  11時50分は空いている
・  いつでも同じサービス(時間ごとにサービスを増やす)

E フリーエリアについて
・  A棟北階段のあたりのスペースが、食堂以南に比べてずいぶんさびしい。
   パンや弁当を食べる人を集められないか?
・  A棟南階段から旧書籍部跡フードコートにかけてのエリアが有効活用されているようには見えない

F その他
・  机の密度
・  歩行スペース
・  修学旅行生(高校生)と大学生が昼休みに集中

既存研究

1.セル・オートマン法を利用した食堂における人間行動シュミレーションシステム
                    ~モデルの精度向上~

食堂内における全体の環境と個々の行動を観察し、分析。
その結果を元に改善策(仮説)を挙げ、改善策に対して、1 つ1 つシミュレーションを行い
待ち人数の変化を分析し、その精度を検証するという内容。
単純に待ち人数を減らすことで期待できる混雑の解消を、
モデルを用いてシュミレーションすることで対策案の効果の期待値が予測できる。
待ち時間と混雑時の行列は観察調査にもとづくモデルより算出されたものである。
カフェテリア、丼もののコーナー別に、待ち時間の短縮によってどのくらい待ち人数が減るかを予測。
カフェテリアで商品ができるまでの平均待ち時間は約97秒、混雑時は行列が25人以上であるが、
待ち時間を40秒短縮することで行列を25人前後に抑えることができるとしている。
丼ものでは平均待ち時間は約49秒、混雑時は5人以上の行列ができるが、
シュミレーションによって待ち時間を10秒短縮することで待ち人数が5人以内に抑えることができる。
(内野貴志 2003年 芝浦工業大学学士論文)

2.学生食堂の経済・経営分析 法政大学

学生食堂の混雑問題の解消へのアンケート調査による分析・解決案の提案を行った論文。
提案として、「テイクアウト実施」・「デッドスペースの有効利用」・
「移動販売車や屋上の飲食スペースとして開放」・「時間指定一品追加策」の実施を提案している。
最初の3つの提案に関しては、学生の食事の満足度を高めつつキャンパス内の敷地の有効活用が期待できる。
時間軸の変更を狙った時間指定一品追加策にもこん雑の解消が期待できることがわかる。

3.食堂混雑解消プロジェクト 徳島大学

学生生協と学生委員との連携によりおこなわれたプランをまとめた資料。
食堂混雑解消プロジェクトの一環として
「レジを通るときにあらあらかじめ財布を手元に用意してもらうように呼びかける」・
「列誘導」・「空いている席への誘導」・「食事の終わった利用者への呼びかけ」といった
比較的、すぐできる内容の活動を実施している。
その成果として、食堂責任者の人間からも成果が出ているという指摘があったことが記されている。  etc.

動線確保に必要なスペースについて

<デスク間に必要なスペース>
デスクとデスクの間に必要なスペースは、180cmは必要となる。
デスクの後ろが壁となっている場合は、人が行き来できるスペースおよび、
座っている人の作業スペースとして120cm程度のスペースを確保するようにするとよい。

<歩行スペース>
歩行者の通路スペースとしては、二人の人間がすれ違う場合で160cm、
一人でもよい場合は90cmあればストレスなく利用できる。

<ミーティングエリアのスペース>
椅子に座る人が必要なスペースとして60cm程度必要。
その後ろを人が通ることを考えると、スペース的には片面で120cmが理想的。
これにデスクスペースと、反対側に座る人のスペースを考えると、
ミーティングデスクの奥行きが60cmと仮定すると対面で300cm程度、
片側に二人が掛けるとして240cm程度が理想的。

オフィス移転ガイド :オフィスにおける動線と必要となるスペース
http://www.office-iten.net/layout/zoneing_d.htm
(オフィスの動線確保だが、学生食堂についても応用できるのでは?と考えた)

その他参考文献

・小塩真司(2004):SPSSとAMOSによる心理・調査データ解析―因子分析・今日分散構造解析まで, 東京書籍, 東京
・金鍾石, 志水英樹, 鈴木信弘, 山本敬幸(1992.8):大学食堂内における配置計画と利用特性について―大学キャンパスの福利厚生・スポーツ施設に関する研究―、日本建築学会大会学術講演便概集1992
・柴田洋希, 加藤彰一(2007):5288マルチエージェントシュミレーションを用いた学生食堂のレイアウトに関する研究, 日本建築学会大会学術講演概要集, 2007, 575-576, 2007-07-31
・柴田洋希, 加藤彰一(2008):423マルチエージェントシュミレーションを用いた学生食堂のレイアウトに関する研究―名古屋大学学生食堂を対象として―, 東海支部研究報告集, 46, 521-524, 2008-02-16

待ち行列理論について

一言で説明すると、待ち行列理論とは
「何らかのサービスを受けるために順番待ちをしている人々が、
  平均してどのくらい待つことになるのかを数値で求めるための理論」 である。

この理論の応用方法として
「並んでいる客の待ち時間を減らすことで回転率を上げる」ということを考えた。
参考書籍の記述をもとに考えた「待ち時間の減らし方」は、
① 注文を受けてから調理する際の時間を縮めるため、
   今以上の短時間で出せるメニューに変える。
   (カツ丼や親子丼、麺類のような時間が比較的長めのメニューを廃止する)
   ⇒極論すぎた・・・

② 調理担当を増員して一回ごとの調理量を増やして一度に対応できる注文の数を増やす
   ⇒実習で可能な範疇でない・・・

③ あらかじめ大量に弁当や料理を作り置きする
   ⇒3学食堂の良さが活かされなくなる・・・

④ メニューごとの注文の量に偏りがあった場合、量の多いメニューだけ担当を増やす
   ⇒これも実習で可能な範疇でない・・・

よって、 どれも現実的ではないため 「待ち行列理論」の応用は考えない事にした。
因みに、「待ち行列理論での計算方法」は以下のとおり。
”混み具合”という変数に対する関数。
つまり、「どれくらい混んでいるのか」さえ分かれば「どのくらい待つのか」が求められるということ。
混み具合をρとすると、待ち時間はρ/(1—ρ)で求められる。
この場合、人物Aの待ち時間を求めるとすると、Aの前にρ/(1—ρ)人が並んでいるということになる。
ρ=1のとき、この答えは∞になるが、これは「永遠に待たされ続ける」という意味である。
ある一定の時間の間にサービスを利用しに顧客がどれだけ現れるかをλ、
サービスを提供する側が一定の時間の間にどれだけの客にサービスを一通り提供するかをμとすると、
λをTa(aはarrivalのa)という記号を使って「平均到着率」、
μをTs(sはserviceのs)を使って「平均サービス率」といい、
混み具合を指すρ(平均利用率)はρ=λ/μとなる。
また、ρはただの比率であるため、単位は存在せず、
0から1までの間の小数、あるいはパーセンテージで現す。
混み具合を指すρをもとに考えると、Aはρ/(1—ρ)人分を待つことになり、
その待ち時間Tw(wはwaitのw)は、Tw={ρ/(1—ρ)}Tsとなる。