中央市街地移転計画
背景
土浦市は江戸時代より水運の要衝として栄え、水とともに発展してきたまちです。しかし、それ故に中心地は洪水による浸水リスクが高くなっています。
そこで、商業のにぎわいと水に対する安全を両立することを目指し、100年規模の水害を見据えた居住移転計画を提案します。
概要
この提案では、危険性の高い戸建て住宅などの建物を北部・南部へ誘導し、中心市街地は高層建築を中心とした構造への転換を促すことを計画しています。これと後述する再開発によって、商業による中央のにぎわいを維持しながら、リスクを減らすことを目指します。
この計画では、2つの手法を使って中心市街地の構造を変化させていきます。
1.地区計画の指定による建築物への制限
新しく建物を建てる場合、高さや浸水対策の基準を設けます。一口に中心市街地といっても、場所によってリスクも街並みも異なるので、それぞれに適した地区計画を立て、その中に基準や将来像を盛り込みます。
2.まちなか定住促進事業による移転の促進
現在、土浦市では中心部への移住に対して、家賃や家の建設費などを補助する支援を行っています。この支援の対象地を北部・南部やおおつ野に変更し、新しく土浦市に住む人をそちらに誘導します。加えて、中心部の戸建て住宅などから移る人にも、同様に支援を行います。
これらの施策によって、中心地から浸水リスクの高い建物を減らし、水害に強い市街地をつくる。一つの仮定として、ハザードマップと同じ規模の洪水が起きた場合は、建物被害を概算で300億円減らすことが期待できます。