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廃校活用

背景

廃校数

<廃校の現状>

 土浦市には未活用の廃校が4校(斗利出小学校、藤沢小学校、山ノ荘小学校、上大津西小学校)あり、2028年には新たに菅谷小学校も廃校になる予定です。廃校は建物の耐震性や規模の面で多くのポテンシャルを持っているため、利活用によって土浦市が抱える課題の解決や産業の発展を図りたいと考えました。

<IT・先端技術産業の現状>

 茨城県では本社機能移転強化促進補助金を活用してAIやIoT、ロボット、次世代自動車といった成長分野の企業を強く支援しており、2023年時点で、企業立地件数は全国一位です。これらの産業の県南地域への移転は続いており、需要が高いことが予想されます。土浦市でもITオフィス環境整備事業費補助金を出しているが、生産額や事業所数の変化はあまり見られません。しかし、県南地域のIT関連の生産額が増加していることを踏まえると、県南地域の企業立地の需要は高いと考えられます。

<高齢者介護・福祉の現状>

 現在土浦市では、在宅医療や地域包括支援事業が行われています。地域包括支援センターへのヒアリングより、在宅医療や地域包括支援は人手が不足しているわけではないが、支援者の育成には手が回っていないという現状がわかりました。

概要

<旧上大津西小学校を活用した「地域包括支援者育成センター」>

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 ほかの廃校に比べて人口集中区域や包括支援センター、介護系の専門学校からのアクセス性が良い点を活かし、旧上大津西小学校をリノベーションして「地域包括支援者育成センター」を整備します。
 土浦市から土浦市社会福祉評議会に運営を委託し、介護士や認知症ヘルパーの人材育成、周辺の地域包括支援センターなどの事業所と連携した就労支援、就労後の介護士と認知症ヘルパーの相談を一括して行い、介護者や認知症ヘルパーの就業者数の増加と離職率の低下を促します。支援者育成のための人材は、土浦市内の事業所や専門学校・大学と連携して確保します。

<旧藤沢小学校を活用した先端技術産業の誘致>

廃校数  旧藤沢小学校の常磐道へのアクセスの良さや、スーパーシティ型国家戦略特区に指定されたつくば市に近い点を生かし、先端技術産業(AI、ロボット開発)の発展の拠点を整備します。教室をオフィスとして貸し出し、校庭と体育館は実証実験の場として活用できるよう整備します。先端技術開発を行う企業やIT企業を誘致し、賃料は周辺のオフィスの賃料より格段に安い2000円/坪とします。
 また、旧藤沢小学校は100年以上の歴史がある学校であるため、この場所を活用するには住民との合意形成が重要となると考えられます。そのため、企業に対して2回のワークショップの実施を義務づけ、地域の住民が先端技術の実験や開発を間近で見ることができる機会を設けます。これによって、地域と企業のつながりを持たせ、市民の企業に対する理解を促します。  旧藤沢小学校をオフィス活用するにあたり、教室やインターネット環境の整備を行います。改装費用は4100万円、維持費は500万円程度であると推定しました。賃料収入は、2000円/坪×540坪×12か月=約1300万円であり、費用と収益から計算すると、約7年で費用を回収することができます。

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効果・目標

<旧上大津西小学校を活用した「地域包括支援者育成センター」>

 人材の育成、就労支援、支援者の相談を一括することによって、介護支援者の働きやすさ向上を促進し、採用数の増加と離職率の低下に努めます。目標は練馬区の類似事例を参考に、介護職員の採用数は310人から330人に、離職人数は340人から310人になると推測されます。
 
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<旧藤沢小学校を活用した先端技術産業の誘致>

 全フロアが埋まった場合、賃料収入は年間約1300万円となります。ほかにも、雇用の創出による人口の増加、税収の増加が期待されます。また、ワークショップによる地域活性化にもつながると考えられます。