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パティオビル周辺の再開発

1.背景

土浦駅西口の駅前エリアでは、2015年にウララビルに土浦市役所が移転したのを筆頭に、2017年にアルカス土浦、2018年にプレイアトレが開業するなど多くの施設が新たに誕生しました。一方、1985年に開業したモール505をはじめとする駅から離れた商店街は衰退が進み、空き店舗が目立っています。土浦第一高等学校の探求学習にて2022年度に行われたアンケートでは、生徒の多くがモール505の印象について「寂れている」「暗くて治安が悪いイメージ」「汚い」「シャッター街、オワコン」といった否定的な意見を持っていることがわかりました。そこで、モール505周辺のにぎわいを取り戻すための方策として、駅方面から人が流れるようにする必要があると考え、経路上にあるパティオビルに着目しました。 パティオビルは今年で築50年を迎え、コロナ禍以降テナントのほとんどが撤退しています。周辺には駐車場や木造平屋の低未利用地が多く、夜になると不法駐輪も目立つ薄暗い空間となっています。一方、現在もパティオビルで営業を続ける古書店や喫茶店でのヒアリングを通して、建て替えの要望があることがわかりました。

2.概要

パティオビルと周辺の低未利用地を対象に、WEDOと呼ばれるコンセプトに基づき遊歩道・広場・低層建物で構成される地区として整備します。建物にはテラス席を備えたカフェや安心して子供を預けられるガラス張りのプレイパーク、現在パティオビルの核テナントとなっている北関東最大級の古書店、土浦古書俱楽部を配置します。脇にベンチを並べた遊歩道や広場には茨城名産の芝を使い、世代を問わず安心して過ごせる空間の創出を目指します。

3.費用

この事業にかかる費用は既存建物等の解体費と整備費で合計約27億円と想定しており、建設費は現在のパティオビルと同規模の5階建てビルを建設した場合と比較して92%削減することができます。また、地価の上昇を考慮すると15年の賃貸収益で費用の回収が可能であると試算しました。

4.効果

図のように、ウォーカブルな空間を整備することにより歩行者の通行量が増加することで、この地区の賃料の上昇や、小売店や飲食店の売上アップが見込まれます。これによって多くの店舗が出店することにより、さらに地域が魅力的になっていき、訪れる人が増えるという好循環を生み出せ、再びこの地区に活気をめぐらせます。