教員代表あいさつ(2022年4月1日)

そもそも社会工学は、現代社会の多様な問題を客観的・数理的アプローチで分析し、解決することを目指す挑戦的な学際分野です。そのため“つくばの社工”の教育組織のミッションは、社会的知識・論理的思考力・各種の工学スキルを持って社会問題を解決できる、豊かな人間性を兼ね備えた視野の広い人材を育成することにあります。

今回の組織改組では、“つくばの社工”らしさを凝縮したカリキュラムを編成しました。同時に、教員組織のスケールメリットを活かし、スピード感を持って社会変化へ対応できる弾力的な教育研究体制を構築しました。さらに大事なことは、学位プログラム導入により学位名を2種類に絞ったことです。教育体系を特定の学問分野固有の体系に対応させるのではなく、「現代社会の要請に対して開かれたものとする」という“つくばの社工”の理念をより一層反映させています。社会の変化に応じて、“つくばの社工”も進化するのです。

日本は高度成長から成熟期へ移行し、社会的な合意形成が重視され、説明責任が求められるようになっています。“つくばの社工”らしさを追究した世界初の新たな学位である修士(サービス工学)が認可・設置されたように、理論と実践を共に重視する社会工学に対する期待がますます高まっています。これからも“つくばの社工”は、筑波大学開学以来蓄積された歴史と実績をふまえ、卒業生、企業や自治体、地域社会、さらには学内外の教育研究機関と力を合わせ、自由闊達な雰囲気の教育の場を提供し、次代を切り拓く能動的人材を育成していく所存です。

“つくばの社工”の大学院の歴史

1973年 筑波大学開学
1976年 “つくばの社工”の大学院、経営・政策科学研究科が発足する。独立修士課程であった同研究科は、公共・民間両部門の政策や経営にかかわる問題を科学的に分析し、解決策を提案できる高度専門職業人の育成を主眼としていた。同じような大学院として、日本ではじめて設立された研究科として知られている。
1977年 つくばの社工”の学部組織、第三学群社会工学類が発足する。
1978年 “つくばの社工”の大学院・研究者養成機関として、博士課程(5年一貫制)の研究科である社会工学研究科が発足する。計量計画学専攻、経営工学専攻、都市・地域計画学専攻の3専攻から構成された。
1994年 社会工学研究科の都市・地域計画学専攻で、連携大学院方式が発足する。
1997年 社会工学研究科の改編がなされ、社会経済システム専攻、システム情報数理専攻、都市・環境システム専攻、計量ファイナンス・マネジメント専攻の4専攻体制となる。
2000年 社会工学研究科がシステム情報工学研究科に編入され、社会システム工学専攻と計量ファイナンス・マネジメント専攻の2専攻に改編される。社会システム工学専攻は社会経済システム分野、システム情報数理分野、都市・環境システム分野の3分野で構成されることになる。
2001年 経営・政策科学研究科が従来の経営科学分野と政策科学分野を、MBA、ビジネス情報数理、社会経済システム、都市計画の4コース制に改編する。
2005年

5年一貫制博士課程が区分制博士課程(2年の博士前期課程と3年の博士後期課程)に移行し、社会システム工学専攻と計量ファイナンス・マネジメント専攻は博士前期課程の社会システム工学専攻と博士後期課程の社会システム・マネジメント専攻に改編される。社会システム工学専攻は、社会経済システム分野、システム情報数理分野、都市・環境システム分野、計量ファイナンス・マネジメント分野の4分野で構成されることになる。

経営・政策科学研究科は、博士課程前期課程の1専攻としてシステム情報工学研究科に編入され、経営・政策科学専攻となる。同年度の入学者から、修士(ビジネス)を取得するMBAコースまたは修士(公共政策)を取得するMPPコースのいずれかを選択することになる。

2006年 社会システム工学専攻が、社会経済システム分野、経営工学分野、都市計画分野の3分野に再構成される。
2007年 “つくばの社工”の学部組織が、理工学群社会工学類へと改編される。
2013年 筑波大学開学40周年を迎えたこの年、“つくばの社工”の大学院3専攻である社会システム・マネジメント専攻、社会システム工学専攻、経営・政策科学専攻が、1つの専攻へと改編されることが決まる。
2014年 “つくばの社工”の大学院、社会工学専攻 (社会工学学位プログラム、サービス工学学位プログラム) が発足する。
2020年 “つくばの社工”の大学院 (社会工学学位プログラム、サービス工学学位プログラム) が、筑波大学大学院 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群に位置づけられる。

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