私たちは筑波大学周辺の治安改善のためにジョグパトの学生参加の可能性に着目し、ジョグパトには「犯罪に対する安心感の向上」と「監視性の確保」が可能であるという仮説を立て、検証を行った。
検証の結果、安心感については向上できるとは言い切れなかったが、監視性による犯罪抑止効果があり、防犯効果は十分にあることが分かった
そこで、まだ学生の認知が低いジョグパトの参加者を増やすことを目指し、
「申請の容易さの周知」「ジョギングをする人への PR」 という 2 つの戦略を立て、これらの戦略に基づく 5 つの具体策を実行または計画した。
ジョグパトはこれから学生を中心とした参加者が増える見込みがあり、大学周辺の治安向上に貢献できると考えられる。
アンケート作成
今回の実習を通して、仮説の検証方法に課題が残った。
仮説の検証にはアンケートを用いたが、質問項目が不十分であったり、配置が不親切であったりした。
質問項目を作成する際には全員が回答すべき設問であるか、それともある特定のひとだけが回答すべきであるのか明記する必要がある。
また、今回の研究では「ジョグパトを行っている人がいる」場合の違反行動についてのみ調査した。
しかし、ジョグパトが防犯効果を持っていることをより明確に示すには、 「たまにジョグパトを行っている人がいて、今はいない」場合についても調査すべきであった。
公式ポスター・ビブス
ジョグパトのポスターやビブスデザインについても課題が浮上した。アンケートの中で、「ビブスを付けるのが恥ずかしい」という意見が一定数あった。T シャツや帽子でもジョグパトを行っていることを示せれば、より気軽に参加しやすくなると考えられる。ポスターのデザインについては、目立つ色やモチーフを使っているものの、具体的な活動内容や申請方法などがイメージしにくいといった指摘があった。
ジョグパトの課題
また、ジョグパトそのものへの問題もある。ジョギングを行っている人が必ずしも善良な人ではないこと、そのような人がジョグパトのビブスを付ければ、防犯パトロールを犯罪機会に利用するのではないかという可能性もある。
集団でジョグパトを行うことが推奨されているが、歩道の狭い道などについてはすれ違う歩行者の迷惑にもなりかねず、実施する時間帯や区域を考える必要がある。
これらの課題を改善することにより、ジョグパトの参加者を増やし、またジョグパトそのものを改善させることができると考えられる。このことにより、つくば市、特に筑波大学周辺の防犯環境をより良いものとできると信じ、本研究の締めくくりとする。
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