2012年度都市計画実習防災班 |

風化実態
1.記憶の風化について

記憶の風化について東日本大震災時のつくば市の震度を覚えているかという設問を設け記憶の風化について問いたところ、約90%もの方が「はい」と回答した。この時点ではつくば市において風化は見受けられない。さらに深く掘り下げて、震度の記憶で「はい」と回答した人に震度の正誤も訪ねたところ、見当はずれな回答(震度5、震度7.0など)をしているという人が全体の27%を占めた。
つまり、つくば市で合わせて38%もの人が、東日本大震災の震度について正しく把握していないということ明らかになった。
2.防災意識の風化について

次に防災意識の風化について2つの面から風化実態を把握する。
まず、1つめが情報の入手頻度という面では、これは被害の甚大な(例えば東北地方の)被災地に関する情報や、つくば市の震災に関する情報を積極的に入手しているか聞いたものである。積極的に入手している方は、直後は64%であるのに対し、現在では25%にまで減少している。約39ptが震災に関する情報を積極的に入手しなくなっているのが現状である。逆の視点ではたまたま見聞きしているという人が、28pt増加している。
風化要因の分析の項で詳しく述べるが、震災直後から現在に至るまで積極的に情報を入手するという能動的な行為から、たまたま見聞きという受動的行為へと推移しているのが読み取れる。

2つめに震災に関する話題量の変化を見る。
防災について話題にしているか5段階尺度で聞いたところ頻繁に話題にしていると答えた方が43pt減少しているのが分かります。43ptの減少に含まれる人々は現状家庭や職場などで防災に関すること話題量が減少している。
3.防災行動の風化について

次に備蓄に関して直後から今に至るまでどう変化したか聞いたところ、約60%もの人が備蓄を増加・維持させているのに対し、26%もの人が備蓄放置、減少している。
風化という面では26%の人に見受けられましたが、ただ、目的である地域防災力向上という面から13%の備蓄をそもそもしていないという方も考慮に入れていきたい。