4-1 新治地区
新治地区は、土浦の北西部に位置する、農業を主体とする地区である。かつては新治村という村として存続していたが、平成18年に土浦市と合併した。また筑波山麓地帯に広がる地区であるということもあり、自然が溢れ、昔ながらの農村集落が広がっている。土地の利用としては、山裾から広がる畑地・果樹園、桜川に沿った水田地帯が存在するという、主に農地として活用が為されている。また、土浦北インターチェンジ設置により、その周辺における大規模工場や流通施設の立地などの開発が進んでいる。
新治地区では、筑波山麓という地形と豊富な自然を活かしたスカイスポーツ(ハンググライダー、パラグライダー)が有名である。他にも地元産のそばを使用した手打ち体験を行える「小野小町の里」は、小野小町がこの土地に赴き、また小野小町の墓があるなど、歴史を学ぶ空間としても活用されている。しかし、それらの資源を活用した観光が為されておらず、魅力を引き出させられていないという現状がある。
新治地区には、この地区と土浦中心市街地を結び、また市民の生活基盤として活用されているショッピングセンター「さん・あぴお」を中心に巡回する循環バス「新治バス」が平成23年10月から運行している。朝晩は土浦駅へ向かう通勤客を、昼は新治地内循環による高齢者などの交通弱者の足の確保として発足したものなのであるが、現在目標利用者数の2割程度に留まっており、新治バスの利用者の少なさが問題となっている。
また、新治地区における人口予測から、急速な人口減少が予想され、特に生産年齢人口(15歳〜64歳)の減少が著しい。これは農業離れにより、新治地区から他地区・他県へ引っ越してしまう社会動態による影響が非常に大きいのではないかと考えられる。
以上の現状を踏まえ、この地区の構想として、既存している自然を最大限に活かした観光を促進させ、多世代が行き来する自然豊かなまちを目指す。これにより、人口予測で示された人口減少を抑えることを目標とする。

