まちあるき商店街

■背景

土浦市の中心商店街にはシャッターの閉まっている店舗がいくつかあり、商店街が衰退している様子が見られた。このような空き店舗の所有者は、店を営業してないにも関わらず店舗を譲りたがらないため、現在のように店舗が効率的に利用されていない状況になっていることが商工会へのヒアリング調査よりわかった。また、歩行空間が乏しい点も課題であると考えられる。


■計画内容・期待される効果

歩行者空間を充実させ空き店舗の所有者への対応と空き店舗を活用することで、歩行者がにぎわう商店街を目指す。また、県南で最もまちあるきがしやすい空間として、他地域との差別化を図る。


①道路整備・修景

滝の前広場から中城通りの間の道路を整備し、車の通行を時間帯で規制する(毎日10時-17時)。ただし、キララちゃんバスなどの公共交通は通行可能とする。

景観の整備として、中城商店街の町並みに合わせた歴史を感じるファサード修景を行う。修景の費用は市が一部を補助する。また、中城商店街で行われている、のれん、行灯、うんちく板を設置し、中城商店街との統一感を出す。

まちあるき商店街の修景に市が負担する費用は表3-1を参照。


図3-1

図3-1 まちあるき商店街の位置


図3-2

図3-2 修景後のイメージ


表3-1 修景に市が負担する費用

表3-2

②住み替え支援・歩数マイレージ制度の促進

中心市街地への居住を希望する人を対象に、中心市街地の空き家の情報発信や、郊外への居住を希望している中心市街地の住民との住み替え支援を行う。この施策により、空き家問題が解消する他、まちあるき商店街の商業圏域の人口増加につながり、まちあるき商店街の利用者増加が期待される。

また、将来は駅も近く便利な中心市街地に高齢者が多く住むことが予想される。そこで、キララちゃんバスなど公共交通利用を促進させ、高齢者も買い物がしやすい環境をつくる。

さらに、現在行われている歩数マイレージ制度を促進させ、日常生活における歩くインセンティブを創出する。これにより、高齢者の健康維持増進を図るとともに、日常の買い物客の増加を図る。

※歩数マイレージ制度…参加者には1000円の登録料と引き換えに歩数計を貸与する。参加者には歩数計をつけ普段の生活をしてもらい、1ヶ月ごとにデータを保存し、その歩数に応じて商店街で使用できる商品券を進呈する。

③商店街の再編

市が修景した空き店舗を貸しテナント化し、新規参入店には補助金を交付する。具体的には野菜の直売所やチャレンジショップなど。さらに、新規参入店に加え、地元商店の移店を支援する。

これにより、関係者には以下のようなメリットがある。

  • 地権者:

    提供した土地や建物からテナント料が入る・地価が上がる・建物が綺麗になる。

  • 新規参入者(企業、農家、学生):

    チャレンジショップを通して、格安での賃貸が可能になり、ビジネスチャンスが増える。

  • 地元商店:

    移店することによって、にぎわいのある通りで開店できる。また、移店後の跡地を有効に活用できる。

  • 土浦市:

    修景や賃貸補助を行うが、市の商業が賑わい、まちの景観が良くなることで土浦に人が来る。


  • 図3-3

    図3-3 商店街再編の仕組み