2019 防災班

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事前調査

ヒヤリング

学内やその周辺での自転車の盗難件数や今までに行ってきた盗難対策などについて、 筑波大学学生生活課とつくば市中央警察署に対してヒヤリングを行った。

これらの調査の結果、下記の点が明らかになった。
a)盗まれた自転車のうち6割が鍵をかけておらず、無施錠は盗難リスクが高い。
b)つくば市全体では自転車盗難件数が年々減少している一方、学内および大学周辺ではほぼ横這いである。
c)通常、盗難が最も多いのは駅周辺なのに対して、つくば市では筑波大学周辺が最も多い(実際警察の方からもつくば市内の自転車盗難の増加には、筑波大に責任の一部があるという旨の言葉をいただいた)
このことから、以下の事項が指摘できる。
① 無施錠の自転車は盗まれやすい。
② 筑波大学の自転車盗難被害は深刻である。

プレアンケート

課題の設定に当たり、筑波大生の実際の自転車への施錠状況と、自転車盗難に対する施錠の有効性について調べるためにアンケートを実施した。以下アンケートの実施状況、及びそこから得られた結果である。


図1は、筑波大学在学中における自転車盗難被害の有無について尋ねた結果を示したものである。これをみると、筑波大生の約18%が自転車盗難被害に遭っている、つまり、ほぼ5人に一人が盗難経験があることが分かる。また、図2は駐輪時の施錠の有無を尋ねた結果を示したものであるが、約22%の人が普段鍵をかけていないことが判明した。

無施錠者に対して、自転車に施錠市内理由を聞いたところ「面倒だから」、「鍵がないから」、「自分の自転車が盗まれると思っていないから」などの自転車利用者の意識によって解決できる理由への回答が集中した。

図4は、駐輪する場所と施錠状況の関係を尋ねた結果を示したものである。これをみると、筑波大生は駅や自宅から遠い場所では施錠意識が高いが、自宅やその近辺では施錠を怠る場合が多いことが分かる。注目すべきは、本来は公共的空間である大学内が、自宅に近い場所と同程度の割合で鍵をかけていないという状況であり、多くの学生が大学に対し私的空間のような意識を持っていることが判明した。

 図5の結果より、施錠の有用性についてχ二乗検定を行ったところ、χ二乗値=63.02となり、p値が限りなく0に近い値となったため、盗難に対する施錠の有効性が示された。

目的の設定

プレアンケートとヒヤリング調査より、
a)筑波大学のうちおおよそ5人に一人が自転車盗難にあっている
b)筑波大生の施錠意識は低い
c)施錠しない理由の多くは意識的な問題であり、利用者次第で改善を図ることができる
d)施錠は盗難防止に有効
e)大学を私的空間と考えている学生が多い ということが分かった。
これら明らかになった事項から、学生の自転車の盗難リスクの高さを喚起するとともに、施錠が面倒であるという意識の改善と大学が公共空間であるという意識付けによって、施錠意識を改善できれば自転車盗難は減少するのではないかと考えた。そこで、施錠するメリットや施錠しないデメリットを認知させ、施錠意識の改善を図ることにした。