概要

実習テーマに落書きを設定した背景と、本研究における調査の流れについて説明する。

1.背景

 つくば市は「田園都市つくば」をマスタープランに掲げ,環境に配慮した都市計画に基づいて開発されてきた。 実際に,昨年度つくば市が実施した住民への意識調査によると,つくば市は優れた生活環境を有し, 景観も良いまちであると80%近くの住民が認識している。しかし,市内には改善すべき生活環境上の問題点も至る所に散見される。 特に落書きは,つくば市の中心地区でよく目につく問題だ。 つくば市に多く見られる落書きは,先行研究によれば周辺住民の9割以上が消すべきであると感じており, また,周辺環境の美しさや治安に対しても悪影響を与えていると9割以上の人が感じている。 すなわち,市内から落書きを無くし,街の景観を良好に保つことは,街のイメージと治安を向上させる。 さらに,まちの美観は市民の街への愛着や誇りを高め,積極的な市民活動にもつながることが予測される。

 住民の治安面に対する不安を無くし,より住みやすい街とするために,つくば市における落書きへの対応は不可欠である。

2.目的

 つくば市における落書き問題を調査分析することによって、 落書きが発生しやすい空間の特性を把握し、効果的な対応策を見つけ出す。

3.実習の流れ

本調査では落書きに対する解決策を下図のフローにしたがって検討することとした。

調査フロー