3章までの問題、ニーズなどの改善をするとともに魅力的な学食環境をつくるための提案を以下に述べる。設置場所は以下の図の通りである。
1
提案
それぞれの席の提案目的を以下に示す。
<カウンター席>
目的:3学食堂奥のスペースの有効活用
座席数増加による混雑緩和
1人利用者のニーズへの対応
<テラス席>
目的:屋外の芝生の有効活用
座席数増加による混雑緩和
開放的な空間づくり
<ハイテーブル>
目的:デッドスペースの有効活用
座席数増加による混雑緩和
おしゃれな空間づくり
2
改善後の実験
1.実験評価アンケート
実験後にこれらのテーブル・椅子がどのような変化をもたらせたのかを評価するために、アンケートを取った。
<アンケート概要>
日時:6月8日
場所:3学大食堂
対象:3学大食堂利用者
回答数:88枚
(詳細は付録のアンケート用紙参照)
<アンケート結果から導かれたデータ各種>
○実験評価アンケート結果
・アンケートからは混雑緩和や席の確保に影響を与えた傾向が見られる。
・カウンター席はデザインが悪いと回答した人が多かったのに加えて、奥にあって使いづらいといった意見もあった。一方で、利用しやすい、1人で使いやすいといった意見も多くあった。また、昼食ピーク時しか利用されなかった。
・テラス席は開放感がある、利用しやすいと答えた人が多く、目的は達成されたといえる一方で日差しや管理の問題などがあがった。 ・ハイテーブルは利用しやすい、おしゃれ、今後も利用したいと回答した人が多く、魅力的な空間につながったといえる。一方で、配置によっては乱雑に見えるという問題も見つかった。
2.ビデオ調査
実験後に滞在時間や人数にどのような変化をもたらせたのか調査するために、ビデオ撮影を行った。
日時:6月6日(水)~6月8日(金) 10:45~13:00
対象:3学食堂内の85席(図12参照)
○ビデオ調査結果
・利用者の人数と滞在時間の変化を見ると、水曜日と木曜日の利用者は減少しており、利用者の滞在時間は延びているが、金曜日は逆の変化が起きた。
3.デジタルカメラ撮影
実験後にはどのように提案が利用されているか検証するためにデジタルカメラで撮影した。
日時:6月6日(水)~6月8日(金) 10:45~13:00
対象:テラス席・ハイテーブル
方法:15分毎に撮影
○調査結果
・テラス席は昼食ピーク時、満席状態になり、時間外の利用も見られた。また雑談など食事以外の目的でも利用されていた。
・名店街や3学食堂利用者が見られた。また昼食時間外の利用も見られた。
3
まとめ
・ビデオ撮影の結果からは改善案の実行による利用者数や滞在時間への確かな影響は見られなかったが、実験で設置した席は使用されていたので、需要はあったといえる。
・テラス席やハイテーブルの設置によりデッドスペースが有効活用されたといえる。
・カウンター席、テラス席、ハイテーブルはそれぞれ目的が達成され、設置することによる利点が分かった一方でさまざまな問題点もある。
|