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レトロモール505Proposal

背景

 土浦市は、霞ヶ浦の水運と城下町として発展した歴史を持ち、現在は「歴史的風致維持向上計画」に基づき、土浦城跡や旧水戸街道沿いの町並みなどの保全・活用を進めている。景観まちづくりにも力を入れ、駅前通りなどを景観重要道路に指定している。モール505は昭和・平成期の商業文化を象徴する施設で、近現代のまちの歩みを伝える重要な地域資源であり、今後の活用にあたってはその歴史的価値を適切に位置づけることが重要である。

ワークショップへの参加

 モール505の活用を検討するため、12月21日に土浦市主催のワークショップに参加し、モール前の歩行空間の活用について地域住民と意見交換を行った。市の整備案では遊具やコンテナ店舗の設置が示されたが、住民からは「空きテナントの活用」「既存の魅力を生かすべき」「他地域と同じ開発は不要」「水のまちの記憶を継承してほしい」「街灯を増やし明るい雰囲気に」といった意見が出た。また、現在は通学路でありながら雰囲気を避けられていることや、学生が立ち寄れる店が少ないこと、かつては大変なにぎわいがあったことなども共有された。ワークショップへの参加を通して、モール505に対する周辺住民の強い愛着を実感するとともに、中高生の通学路として利用されているなど、実際の利用状況についても把握することができた。



立地

 モール505は土浦駅から500m以内に位置し、中心市街地の中でも高い利便性と可能性を持つエリアにある。土浦駅前通りに隣接し、主要動線と接続しているが、休日通行量を見ると西端部は453人にとどまり、駅方向からやや外れた位置関係や入りにくい雰囲気が影響していると考えられる。一方で、周辺には一定の歩行者量があり、立ち寄りやすい空間へ整備すれば駅利用者を呼び込める潜在力もある。このように、交通利便性と動線上の立地という強みは、今後の活用に向けた大きな基盤となる。


中心市街地の歩行者通行量(人)


概要

 モール505は、かつてのにぎわいの歴史と土浦駅近接という立地条件から高いポテンシャルを持つといえる。そこで本提案では、モール505を存続させ、レトロで懐かしさを感じられる空間として活用することを目指す。周辺を含めて人々が集い、近隣住民が土浦らしさを感じられる居場所づくりを目標とする。活用にあたっては、①モール505周辺の歩行空間整備、②モール505の利用促進、の2段階で計画を進め、それぞれについて具体的に検討していく。



歩行空間整備

 本提案の第一段階では、モール505周辺の歩行空間を再整備し、建物には手を加えず前面空間の魅力向上によって利用者を増やすことを目指す。レトロな雰囲気を活かしつつ、暗く入りにくい印象を改善し、駅前通りとの連続性を高めることで立ち寄りやすい環境を整える。
 空間はゾーニングにより三つのエリアに分け、西側はにぎわいを創出する導入空間として整備し、不要となった歩道橋の撤去などにより開放性と明るさを確保する。中央部は水の記憶を継承する落ち着いた公園空間とし、噴水やベンチ、駐輪場を設ける。東側は日常は広場として開放しつつ、イベント時には仮設ステージを設置できる柔軟な空間とする。これにより回遊性を高め、歩行者・自転車交通量1日1500人を目標とする。整備にあたっては、道路空間の柔軟な利活用を可能とする制度や、国の補助制度を活用し、財政負担を抑えながら効果的な再生を図る。



テナント誘致

 第二段階では、第一段階で整備した歩行空間を基盤に、ゾーニング方針に沿ったテナントを建物内へ誘致する。環境改善により立地の魅力を高め、出店を促進する。
 にぎわいゾーンには既存飲食店を集約して立ち寄りやすい飲食エリアを形成し、公園的なゾーンには学生向けの習い事教室や一時保育施設を配置する。静かなゾーンにはコワーキングスペースやオフィスを導入し、必要に応じてイベント利用も可能とする。さらに1階部分には視認性を活かし、飲食店や弁当店など日常利用型の店舗を配置する。
 ゾーンごとの機能分担を明確にし、対象テナントには賃料3割減額の支援を行うことで出店を後押しし、モール505全体の利用促進と再生を図る。



効果

(1)収入

 テナント料は1階8,000円、2階6,500円、3階5,500円(坪単価)と周辺より低めに設定し、ゾーニングに沿う店舗には3割減額を適用する。稼働率75%を想定した場合、年間テナント収入は約6,000万円を見込む。


(2)費用

 歩行空間整備費は2.5億円で、まちなかウォーカブル制度により総事業費の半額が補助対象となる。建物改修費は約4.3億円、維持管理費は年間200万円を想定する。


(3)効果

 レトロな魅力を活かした再生により、住民や学生が日常的に立ち寄れる居場所を創出する。既存建物の保全と土浦らしさの発信にもつながり、古く暗いというイメージを払拭し、親しみやすい空間への転換を目指す。



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