基本構想

構想の背景

土浦市の現状

  1. 人口減少・少子高齢化 
    年々増加する自然減と青年世代や新婚子育て世代といった将来の生産年齢人口となる世代での社会減が進行しており、全国的に進む人口減少を土浦市のみで解決することは困難と言える。そのため、将来における人口減少に適応した市の将来設計を考える必要性がある。
  2. 居住地域・商業機能の郊外化による都市の低密化
    人口減少に伴い、広範な居住誘導区域の設定による都市の低密化が起きており、インフラ維持管理費等の増加による財政負担の増加などの問題が起きている。
  3. 空き家、空き店舗、耕作放棄地といった不使用ストックの増加 
    都市の低密化により、空き家、空き店舗などの不使用ストックの増加も起きている。
    それだけではなく、地域規模に見合わない公共施設の増加などの可能性からサービスの質の低下、サービス利用者の減少という状況が起こることも想定される。

全体構想

「つちうら+1
 ~ちょっといいね!が集まるまち~」

「+1」とは、人口減少時代において×でも+10でも+100でもない、ちょっとだけ「+1」するような、これからの土浦市にふさわしい、背伸びをしない施策を考えることを意味した目標である。
課題点に対しては改善するための施策を「+1」
いいところに対してはさらに良く、持続させていく施策を「+1」「ちょっといいね!」と思える1つ一つの施策を集め、足し合わせ、つないでいくことで各地区の拠点に機能を集約し、
土浦市を持続可能なまちにしていく。

地区別構想

+1で目指す姿

  • 中央地区
    すでに土浦駅を中心とした市街地が形成されている。土浦駅は常磐線特急の停車駅であり、近隣市町村との間を結ぶバス路線の起点にもなっている重要な交通結節点である。市役所の本庁舎や多くの文化施設などの都市機能が集積し、将来にわたって高い人口密度が維持されることが予想される。中央地区北部にある真鍋地区も合わせ、土浦市の中央にふさわしい「都市機能が集約したにぎわうまち」を目指す。
  • 荒川沖地区
    荒川沖駅を中心とした市街地が、阿見町にまたがって形成されている。土浦駅を始点・終点とする常磐線路線が多いため、乗降者数は土浦駅に次いで多く、周辺住宅地はベッドタウンにもなっている。土浦南部の拠点として、充実した都市機能をもつ「安心して暮らせるまち」を目指す。
  • 神立地区
    神立駅から東側に延びる都市計画道路沿いに商業施設等が並んでおり、かすみがうら市にまたがった市街地が形成されている。神立駅の乗降者数は荒川沖駅に次いで多く、土浦北部の拠点として、充実した都市機能をもつ「安心して暮らせるまち」を目指す。
  • おおつ野地区
    土浦協同病院が立地し、住宅地・商業施設・企業立地などを総合的に計画して開発を進めている地区である。土浦協同病院の立地を生かし、土浦市北東部の新しい拠点として、他地域のモデルとなり得るような、「つちうらの健康をまもる医療のまち」を目指す。
  • 都和地区
    旧都和村の中心として栄えた地区で、住宅が集積している。土浦北ICに近く、周辺には工業地域が広がっている。また土浦駅・神立駅へのアクセスもよく、良好な居住環境が形成されている。将来にわたって工業地域としての発展および良好な住環境を維持した、「アクセスのよい工業と生活のまち」を目指す。
  • 新治地区
    旧新治村の中心の一つである藤沢地区は、つくば市や土浦北ICに繋がる国道の立地などもあり、沿道には生活の拠点となるような施設が立地している。周辺には見渡す限りの水田などの農地が広がり、緑豊かな地区である。新治は「緑豊かで住みよい産業のまち」を目指す。
  • その他
    「拠点の外」と呼ばれ、更なる都市機能や居住の誘導は行わない。ゆとりのある空間とし、農地や工業用地などの土浦を支える地域となる。

部門別提案

4つの+1

あつまる+1

現在の土浦市の都市機能誘導区域・居住誘導区域は人口に見合わない大きさであり、各拠点の中心付近でも低密な市街地が広がっている。
この誘導区域を縮小することで、都市機能が高密な拠点を目指す。

にぎわう+1

拠点内の充実、立地適正化計画の見直しによって、それぞれの拠点周辺には更なる集約が図られる。
その中の働く環境や買い物環境の充実、公共施設の複合化、地区内・拠点間の交通の整備を行うことで、
さらに楽しく便利で人が集まり、
にぎわいの生まれる場を目指す。

つなぐ+1

拠点を集約することにより、交通空白地帯となる地区が発生する。
不便になってしまった「拠点の外」の住民の足を確保する必要がある。
乗り合いタクシーの新しい制度によって公共施設やバス停が遠くなってしまったエリアのサポートを行う。

くらす+1

土浦市全域で空き地・空き家が多く存在しており、今後居住誘導を進めていく上で、住みやすい環境の整備が必要であると考えられる。
誘導区域外やオールドタウン化が進行している地域に対しては、地域内での助け合いだけでなく、地域に関わる人の数を増やし、つなぎつづけることを目標とする。

筑波大学 社会工学類 都市計画MP策定実習2020 1班 Webサイト

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