地区別構想:南部地区

現状

 南部地区の年齢別人口の推移を図5に示す。南部地区では少子高齢化の傾向が強く、今後更に進行することが予想される。過去には乙戸地区などで大規模な住宅の開発が行われており、南部地区では住宅地が広がっている。ヒアリング調査では、南部地区は住みやすいという評判がある一方で、将来運転できなくなったときの交通手段や、若い人の減少に不安を感じているということが分かった。南部地区には路線バスはほとんどなく、公共交通は高齢者向けののりあいタクシー土浦のみとなっている。市民アンケート調査では、病院やショッピングセンターを路線バスで通してほしいという要望が多いことが分かった。高齢者を中心とした交通弱者の交通手段を確保することが課題である。
 新たな公共交通をつくることで、住民を離さない「多世代が永く安心して住めるまち」を目指す。



図5 南部地区の年齢別人口推移

提案

新コミュニティタクシープラン

 高齢者の交通手段の確保のために、コミュニティタクシーを通すことを提案する。タクシーの路線を図6に示す。コミュニティタクシーとは、本来バスが走行する路線をタクシー車両で通るというものである。高齢者がよく利用する駅やカスミ、ジョイフル本田、病院を通る路線を40分に1本走らせる。バスではなくタクシー車両にすることで経費を半分ほどに抑えることが可能である。また、タクシー車両はバスでは通れない細い道を通ることができるため、住宅地を効率的にまわることができる。

図6 コミュニティータクシー路線図

 事業費について、小型バス(土浦市キララちゃんバスと同様)とタクシー車両を比較し分析を行った。結果を図7に示す。タクシーバスの方が年間約200万円のコストを抑えられることが分かった。また、車両購入費(2台分)が小型バスは3400万円、タクシーは400万円ほどかかる。さらに、小型バスは走行の際に幅員が最低限約4.7m必要である。南部地区は細い道が多いため幅員拡張の費用が必要となる。一方でタクシー車両は道路を拡幅する必要がないため、タクシー車両を使うことで低コストの公共交通を実現することができる。

図7 小型バスとの事業費の比較