地区別構想:中央地区

現状

 中央地区は亀城公園、その城下町としての歴史を活かした歴史的町並み、また広大な霞ヶ浦での遊覧船観光やレイクスポーツなど様々な観光資源を持ち合わせた土浦の中心としてふさわしい観光地区である。また、土浦市を含むつくば地区は1999年に国際会議観光都市に認定されており、全国でも屈指の国際会議開催件数を誇っている。よって、学術面や国際都市としての発展も今後期待することができる。しかしその一方で土浦市の観光は衰退しており、その観光もキララ祭り(8月)や土浦全国花火競技大会(10月)といったイベントに依存している(図8)。安定した観光客数の獲得が課題である。
 そこで、つくば地区での国際会議の開催件数が全国的に見ても多いことに着目した。国際会議がほぼ毎月開催されていることに加え、MICEと呼ばれる国際会議などのビジネスイベントの参加者は通常の観光客の7倍の経済効果をもたらすことが分かっている。よって、会議の参加者を観光に誘導できれば安定した観光客数の増加と大きな経済波及効果を期待できる。しかし、現状では会議への参加と宿泊がつくば市内で完結しており、土浦市への人の流れがない。会議の参加者を観光へと誘導するために、@宿泊施設の充実 A観光の強化 B土浦−つくば間の交通の強化 を達成することで、「有形無形の歴史で国内外の観光客を惹きこむ魅力ある中心市街地」を目指す。



図8 H26土浦市月別入れ込み観光客数

提案

復活!土浦宿プラン


 宿泊施設を充実させるために、宿場町としての歴史と空き家を生かし、宿泊施設を提供することを提案する。土浦市が一般家庭に対して募集を行い、市が宿泊先として登録・斡旋することで一般家庭への民泊を推進する。また、空き家に対して援助を行い、空き家を古民家風の宿泊施設に改築することで、宿泊施設としての利用を推進する。
 以前は「住宅用地の特例」により、土地を更地で所持するのに比べ、空き家がある状態だと税金が少なくなっていた。しかし、2015年度から特定空き家に対し「住宅用地の特例」が適用されなくなった。そのため、特定空き家の所持者は適正利用か解体しなければならなくなる。そこで土浦市が宿泊施設のリノベーションに関して補助金を出すことで、解体して更地にするより活用をするメリットを生み出すことができる。
 また、既存の伝統的建築物との連続性を意識するために、すでに歴史的建築が多い景観形成重点地区での改築を推進する。
 このプランを行うことで、MICE開催における宿泊施設の提供、空き家問題の解消、外国人観光客の集客を実現する。

水上飛行場プラン

 観光を強化するために、霞ケ浦という観光資源や霞ケ浦海軍航空隊という歴史を活かすために、水上飛行機による遊覧飛行の実施とチャーター便の導入を提案する。
 遊覧飛行では、ラクスマリーナを中心として筑波山、牛久大仏、霞ケ浦といった茨城県のランドマークを上空から見下ろすことができる。15分コース3万円、30分コース4万円で3人乗りの貸し切りを実施する。
 チャーター便は、@成田空港−ラクスマリーナ間 A茨城空港−ラクスマリーナ間を運行する。水上機とバスを利用することで、直通バスに比べ大幅に時間を短縮することができる。こちらは、会議に来る富裕層をターゲットとする。
 水上飛行機が新たな観光の目玉となり、土浦のオンリーワンの魅力となる。

バスマップの改善

 土浦・つくば間の交通を強化するために、土浦市のバスマップの改善を提案する。現在バスマップの問題として、@使っている色が多い Aバス停・路線が分かりにくい B外国人向けの対応がない Cつくば市とのつながりが見えない が挙げられる。
 バスマップの改善案(拡大図)を図9に示す。@については使う色を抑えて分かりやすくすること、Aについてはバス停・路線に番号を設定すること、Bについては英字を添えることで外国人に対応させることでバスマップを改善した。Cについては、土浦・つくば間の路線をマップに記載し@〜Bを改善した。

図9 バスマップ改善案(拡大図)