5-3-1 霞ヶ浦の顔づくり

現状より、「霞ヶ浦が活用されていない」と、市民が感じていることから、霞ヶ浦に3つの顔を持たせ、霞ヶ浦を大いに活用する「霞ヶ浦の顔づくり」を実施する。以下、各々の要素ごとに具体的内容を述べていく。

 現在ニュータウン開発が行われているおおつ野地区では、人口予測より、市内で人口増加が見込まれる地区となっている。そのため、今後おおつ野地区内での生活排水量増加が予想され、霞ヶ浦の水質汚染の悪化が進行する恐れが考えられる。そこで、おおつ野地区では近隣に立地している霞ヶ浦環境科学センターとの連携を図り、地区内で環境教育を実施するなど、エコタウン「おおつ野」を目指す。また、霞ヶ浦湖畔に広がるハス田を活用し、農業体験等を通して地元農家との新たなコミュニティ形成を図る。地区住民たちが積極的に霞ヶ浦の環境について配慮し、おおつ野地区から、霞ヶ浦をきれいにしていく。



 既存の施設を活用し、誰でも霞ヶ浦の自然を満喫できるよう、霞ヶ浦総合公園では、霞ヶ浦に触れる親水空間の創出を目指す。ここでは、現在あるビオトープを更に拡充することや、国民宿舎側にある人口砂浜周辺の整備を行う。そして、霞ヶ浦総合公園では、多くのスポーツ施設が充実しているので、市をあげての運動会を開催するなど、スポーツを通して、更なる市民のコミュニティ拡充を目指す。満足のいくスポーツ活動が行えるよう、施設の改修工事も行う。



 中心地区では、現在ラクスマリーナなどのヨット船管理場所として活用されているため、一般人が霞ヶ浦へ近づきにくいという問題点がある。土浦駅という市の中心となる駅から徒歩圏に霞ヶ浦が存在しているにも関わらず、現在の状況は非常に問題視するべき点であると思われる。そこで中心地区では、一般人が近づきやすい、かつ行きたくなる空間の整備を行う。内容としては湖畔沿岸の緑地化などの整備、土浦駅から霞ヶ浦へつなげる遊歩道づくりである。そして、行く先で人々が楽しめるよう、マリンスポーツの普及活動や季節に見合う行事の企画を行い、空間の活用を進める。ラクスマリーナでのヒアリング調査結果より、下記の図のように、ラクスマリーナ周辺の緑地化が決定されている。また、霞ヶ浦湖畔を沿うようにして遊歩道を整備することで、駅から歩いて向かいやすく、安心・安全で景色を楽しみながら人々を霞ヶ浦へ引き付ける魅力づくりを目指す。

前出の図の中心部分にあるカメラマーク地点から、ラクスマリーナの現在の様子と緑地化後の様子を比較できるよう、以下に示す。





イメージ図のように計画的に緑地化を行うことで、魅力的な霞ヶ浦湖畔の環境を整え、人が行き交う中心地区を目指す。

5-3-2 霞ヶ浦のイベント

 土浦市、茨城県の月別観光客数のグラフより、両方ともに冬の観光客が少ないことからがいえる。そこで、土浦市固有の資源である霞ヶ浦で新たなイベントを開催することを提案する。これにより、土浦市民には霞ヶ浦を寄り身近に感じてもらい、観光客には霞ヶ浦を土浦市のブランドであるということをアピールしていく。



具体的には、冬の霞ヶ浦の湖上に電飾された約50mのクリスマスツリーを設置することを提案する。場所は川口運動公園前の湖上であり、イルミネーション点灯時間は18:00〜翌0:00とする。イベントスケジュールとして、12月1日オープニングセレモニー、12月24日ファンタスティック・イブ、12月25日クリスマス・ファンタジーを開催し、花火を打ち上げイルミネーションと花火の競演を行う。またイベント内において地元特産品を活かしたスープバーなどを開き、食事を提供することで霞ヶ浦だけではなく、その他の土浦のブランドも確立することができると考えられる。さらにラクスマリーナで現在運行中である遊覧船「ホワイトアイリス」を臨時運行し、ナイトクルーズを行うことにより、大人の恋が似合う場所“霞ヶ浦”としてのイメージも与える。事例として、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロの「ブラデスコ・セグロス・クリスマスツリー」があるが、世界最大の浮かぶクリスマスツリーとして約85mのクリスマスツリーを設置している。点灯式には焼く10万人が訪れ、期間中には100万人以上の観光客が見込まれているため、今回の提案も大勢の観光客が見込むことができると予想でき、実現可能性は大いにあるということがいえる。