土浦市の現状

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人口

   1980年から2005年までの国勢調査をもとに,世帯数と人口の変化を調査したところ, 1980年の時点では33844世帯,112517人だったのが,2005年には51090世帯,135058人と四半世紀で順調に増加していた.また,2010年10月1日の推計では,57120世帯,144174人となる見込みである.


図1.土浦市の人口(2010年は旧・新治村を含む)

   グラフがそれまでの傾向から大きく増加しているのは,2006年に旧・新治村と合併したことによる.しかし5年前の旧・新治村の人口も考慮すると,合計した人口は2000年から減少を始めていて,既に土浦市は人口減少時代に突入していたことがわかる.計画人口を20万人としている土浦市の計画に疑問を持たざるを得ない.それではこの先,土浦市の人口がどのように変化していくのかを,コーホート分析により算出した.


図2.土浦市の人口予想(コーホート分析)

   その結果,20年後の2030年には現在よりおよそ1万5千人少ない,129,670人となることがわかった.ちなみに直近5年間での人口変化がそのまま続いていくと仮定した場合,20年後には140,870人になることも示された.いずれにせよ,将来的に土浦市の人口は減少することが予想される.
   さらに65歳以上の人口に着目すると,2010年現在で高齢者数は3万人を超え,高齢化率も22.1%と「超高齢社会」になっている.10年後には約4万人となり,高齢化率の28%の「超超高齢社会」の到来が避けられない状況になっている.

 
図3.土浦市の人口ピラミッド(左:2010年,右:2030年)


図4.土浦市の高齢者数と高齢化率の推移

   次に1980年から5年ごとに地区別の人口を調査し,前の期との比を算出した.この地図は旧・土浦市を21の地区に分けたものである.1980年から85年では,乙戸地区の土地区画整理事業や板谷地区の団地建設によって,人口が増加している.85年から90年では,バブル景気も重なり地価が上昇したことを受けて,郊外居住が進んだこともあり,神立駅周辺の人口が大きく増加していることがわかる.90年代前半では,木田余地区で土地区画整理事業が行われ,住宅地としての供給が始まり,人口増加が起こっている.90年代後半になると,80年代に住宅地開発が行われた地域の人口変化が収まってきているため,地域が完成されたことを示している.さらに2000年代前半には,この傾向が市全体に現れ始め,市の人口も頭打ちになってきたように見える.近年,おおつ野エリアで土地区画整理事業が行われ,この地区の人口が増加しているほかは,目立った変化はない.

   
     
図5.旧・土浦市の5年毎地区別人口比

   これまでのことで明らかになったことは,80〜90年代に土地区画整理事業や団地建設などで住宅地として開発された地域は,これからの大きな人口増加は見込めないということ, おおつ野地域を除くと,近年では大きな人口変動がなく,市全体で高齢化率が上昇していること,これらを勘案すると,今までの土浦市の人口増加は住宅地開発のみによって発生していたものであり,これからもし人口の減少が始まるとしたら,さらなる人口の増加は期待できないのではないだろうか.