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地区計画

荒川沖地区

2−1.現状

   JR常磐線荒川沖駅を中心とするこの地区では、駅前には商店が点在し、周りは閑静な住宅地となっているが、都市化に伴い大通り沿いにはロードサイドショップが進出し、商店は衰退の一途をたどっている。駅前のショッピングモール「さんぱる」は洋服店などが次々に閉店しているが、食料品店には多くの買い物客の姿が見られた。また、地域の高齢者が小学生の登下校をパトロールする様子なども伺え、地域の結びつきを感じさせる。

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【図30】現在の荒川沖地区の様子

2−2.課題

   地区内を歩いてみると歩行者よりも自動車が多く見られ、住民のほとんどが自動車を利用して移動していることがわかる。地区内にはバス路線も設けられているが本数は少なく、コーホート要因法を用いた人口分析によるこの地区の2035年時点での高齢化率31.6%をカバーしきれない可能性がある。 また、荒川沖駅は、2009年7月にオープンした「あみプレミアム・アウトレット」の最寄り駅となっており、駅からアウトレットまでの直通バスも運行されている。しかし、駅の改札を出たところに設置された看板や案内ポスターは十分とは言えず、最寄り駅としての役割を果たしきれていない。

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2−3.まちづくり方針

以上の現状・課題を踏まえ、荒川沖地区のまちづくり方針は     「絆むすぶまち」 とする。このコンセプトの元、地域住民による交通サポート事業、来訪者のためのゲートウェイとしての役割強化といった政策を行う。

 

2−4.提案

  2−4−1.地域住民による「きずなタクシー」制度     高齢化が進むにつれ、駅前のスーパーや郊外のショッピングセンターに買い物に行くのが困難な高齢者が増加することが考えられる。そこで、日中比較的時間の取りやすい主婦層などを対象に、「絆タクシードライバー」への登録を呼びかける。

ドライバーは一丁目あたり5〜10名程度が担当し、高齢者からの連絡を受け買い物場所までの送迎を行う。ドライバーは送迎1回あたり、高齢者と市からそれぞれ100円ずつ、合計200円の報酬を受け取ることができる。 また、この制度と同時に大型車の購入に対する補助金制度を導入することで、より多くの人にドライバーに登録してもらうインセンティブとする。

2−4−2.アウトレットへの「きずなゲートウェイ」     現在、荒川沖駅からあみプレミアム・アウトレットやその他主要施設へのアクセスがわかりにくいという問題点がある。そこで、駅構内や駅前ロータリーの案内板などを整備し、駅を利用する人をスムーズに主要施設まで誘導する。 さらに、駅前には個性的な店舗や居酒屋なども点在しているので、帰りがけに立ち寄ってもらえるよう駅前でのPR活動も積極的に行っていく。

2−5.計画についての考察

   「きずなタクシー」を導入することにより、高齢者は買い物へ行きやすくなり、主婦層やその子供などとの世代間交流が可能となるといったメリットがある。この制度では、ドライバーに対する補助金を用意する必要があるが、コミュニティバスを新たに導入するよりははるかに少ない費用で実現可能である。

   「きずなゲートウェイ」を整備することにより、電車を利用してアウトレットへ訪れる人が増加し、その人たちが駅前の商店や飲食店を利用することで地区内の経済が活性化するというメリットがある。これは一度案内表示をしっかり整備する必要があるが、その後は大きな投資は特にかからない。

   以上の計画により、荒川沖地区は住民同士、およびこの地区を訪れる人との「絆むすぶまち」を目指す。



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