(2)たまり場プロジェクト

背景


             (土浦市市民アンケートH18より)
表は土浦市が平成18年に行った市民アンケートである。「楽しめる趣味がある」、「買い物場所や医療施設が身近にある」、「気軽に話せる友人がいる」この3点が25%を越えており、高齢化が進む土浦市において、交流場所と買い物場所が必要とされていることがわかる。

             図 500mメッシュ高齢化率と交流施設分布
図は土浦市を500mごとに区切り、その範囲の高齢化率を示したものである。青い点は土浦市内の公民館、集会所といった公共施設をプロットしたものである。この図から新治地区は高齢化率が高いということが読み取れが、公共施設は均等に分布していることがわかる。

             図 500mメッシュ高齢化率とスーパー分布
図の緑色の点は、スーパーの分布をプロットしたものである。中心部には多く分布するものの、高齢化率の高い新治地区には分布していないことがわかる。
2つの図より高齢化率の高い地域に着目すると、交流施設(公民館・集会所)は市全体に均等に分布しているが、新治地区、神立地区ではスーパーが不足していることがわかる。


提案

上記の背景より、土浦市における、高齢者の交流拠点、買い物場所を創出し、よりよい生活を提供するために、以下の2点を中心とした「たまり場プロジェクト」を実施する。

  • (1)公共施設の「たまり場」利用
  • (2)移動販売車による巡回販売



(1)公共施設の「たまり場」利用

  • 事業者:市、自治会、地域住民
  • 対象地域:新治地区中心(市全域)
  • 市の役割:施設の無料開放
既存の公共施設は市内全域に均等に分布しているため、公共施設を「たまり場」として利用できると考えた。誰でも気軽に立ち寄れる「たまり場」を作ることで、地域におけるコミュニティ形成の拠点とする。
※たまり場とは…
 地域におけるこれからのコミュニティ形成の拠点として身近に誰でも集まれる場所

・千葉県我孫子市の事例
多目的ホールを利用して、音楽を聴きながら、趣味やまちづくりについて情報交換を行う。時にはジャズや軽音楽のミニライブを実施することもある。 (NPO法人全国生涯学習まちづくり協会による「創年のたまり場事業」)

写真引用元:NPO法人全国生涯学習まちづくり協会HP

・土浦市における「たまり場」の提案(新治地区)
新治地区の観光地である小町の里を、そば打ち体験ができ、そばを食べながら、観光資源PRについて話し合える「たまり場」にする。
   
写真引用元:http://gakkainavi.com/light-album/udagawa                     http://blog.livedoor.jp/izutaiken/archives/cat_19094.html

(2)移動販売車による巡回販売

  • 事業者:市、スーパー
  • 対象地域:新治地区、神立東地区
  • 市の役割:移動販売車の維持費補助
毎週決まった時間にたまり場を訪問し食料品・生活用品を販売し、周辺住民の買い物の不便を解消する。定期性を持たせることで、たまり場へ行くきっかけともなり、高齢者の安否確認も同時に行うことができる。
・鳥取県江府町
行政とコンビニエンスストアが協力し、39の集落を週に二回、移動販売している。この移動販売により高齢者の買い物の不便を解消するにとどまらず、高齢者の安否確認もできるという効果が見られた。

写真引用:2009年8月3日 中国新聞


効果

土浦市内の公共施設にたまり場を創設することにより、高齢者に交流の場を提供できるようになる。また、そのたまり場を利用して移動販売を行うことで、スーパーのない地域の高齢者の買い物の不便も解消することができる。この2つの提案により、高齢者によりよい生活を提供する。