(4)霞ヶ浦プロジェクト

背景

図5より、霞ヶ浦は市民にとって身近な存在であるといえる。 しかし、図6から全世代にとって身近だと言えず、若い世代ほど子供のころの霞ヶ浦の記憶がないことがわかる。

   図5 霞ヶ浦に対する「身近さの程度」          図6 年齢別での霞ヶ浦における子供の記憶
                 (図5,6 ミリオンズレイク事業市民意識調査より引用)

以上の点から霞ヶ浦の環境改善、若い世代が霞ヶ浦を身近に感じる施策が必要である。

霞ヶ浦とブラックバス

霞ヶ浦は全国有数のバス釣りスポットとして知られている。日本バスプロ協会が主催する大会の主要な開催地として霞ヶ浦が用いられており、 このことから霞ヶ浦はバス釣りスポットとして欠かせない場所になっていることがわかる。また休日には霞ヶ浦沿いに多く中高年が釣りを楽しんでいる姿が見られ、 市民にとってもバス釣りは日常生活における大切なレジャーの一つとなっている。

若者にとってのバス釣り

バス釣りはスポーツフィッシングという名の下、餌ではなくルアーでバスを釣る。ブラックバスは引きが強く釣る瞬間のスリル感や、 バスの居場所を予測し魚との駆け引きを楽しみながら行うなどゲームのような性質が強い。 ルアーのコレクション的要素もあり、内陸でも出来るので娯楽の一種として気軽に楽しむことができる。 また、反町隆史、木村拓也など有名タレントなどが多数、バスフィッシングを趣味としているなどが明かされていき、 ステータスとしてのバスフィッシングの側面が構築され、小学生〜中学生と言った若者に特に浸透している。 同時に任天堂からゲームソフトとして『糸井重里のバス釣りNo.1』が発売されている。売れ行きは好評で、 釣り関連のアーケードゲームも多数登場するなど特に若者にとって娯楽としてバス釣りは身近な存在である。


提案

若者の霞ヶ浦とのふれあいを重視し、環境に配慮しつつもバス釣りのメッカとして定評のある霞ヶ浦の特性を活かしバスをゼロにはしない 「バスeatプロジェクト」を行い市民、特に若者にとって霞ヶ浦を身近なものにする施策である。

「バスeatプロジェクト」

釣ったバスをリリースするのが一般的だが、料理して食べる新しいバスの利用法を提案する。 バスは汚水でも生息できるなどの汚いイメージや皮がくさいといったマイナスのイメージがあり人々は釣っても食用にはならなかった。 しかし実際には一般の白身魚と変わらずフライやムニエルに調理しておいしく食べることができる。


効果

バスの数を減少させ本来の生態系を回復させるとともに、釣ったバスを食することを通して市民と霞ヶ浦との交流の機会を増やすことができる。 そこでバスに対するマイナスのイメージを払拭してもらい、ひとつの食材として活用できる視点を市民に持たせ、霞ヶ浦を市民の身近な場所に位置づける。 また、市街地やたまり場にバス料理を広めることによって、霞ヶ浦の"自然"が"人""街"の分野とも相互で連携し土浦の特色を多方面で表現することができる。