4. 調査・分析

4.1. 学生の居酒屋の利用実態

筑波大生の居酒屋の利用実態を把握するためにアンケート調査を行った。(N=186)

4.1.1. 飲酒額・飲酒量

図10. 居酒屋での平均的な支払額

 図10より、ほとんどの人が2,000~3,999円の価格帯に入っており、筑波大生は一度飲みに行くと飲み放題に近い値段(3,000円前後)を支払っていることがわかる。

図11. 居酒屋での平均的な注文杯数
※ここでの1杯はオーダーで注文する1品とする
(例:ビール=中ジョッキ1つ、日本酒=徳利1合)

 図11より、居酒屋で飲む杯数は多くの人が2~4杯のところに分布しており、比較的少ない杯数に収まっていることがわかる。

4.1.2. 居酒屋利用の性質

図12. 居酒屋での平均的な滞在時間

 図12より、多くの人が2時間以上3時間未満のところに分布しており、1度飲みに行くと比較的長い時間その店に滞在するという傾向がわかる。

図13. 1人で飲みに行くか

 図13より、9割以上の人が「あまりない」「全くない」と答えた。したがって筑波大生のあいだでは複数人で飲みに行くというのが主流で、1人で居酒屋に行くことはほぼないということがわかる。

図14. 大学帰りに飲みに行くか

 図14より、9割以上の人が「あまりない」「全くない」と答えた。したがって、筑波大生は大学帰りなどに気軽に居酒屋によるのではなく、1度家に帰ってから時間を決めて居酒屋に集まるというような傾向もうかがえる。

4.1.3 アンケート調査から

 1人で居酒屋に行くことはほとんどなく、大学帰りに居酒屋によることもほとんどない。すなわち、筑波大生にとって居酒屋に行って飲むという行為自体が複数人で楽しむイベントの性質を持っていることが分かる。

4.2. 居酒屋の減少を防ぐためには

 実際に個人がどれだけお酒を飲む必要があるか検討した。店舗は上記の電子電話帳から130店、店舗運営に必要な費用や商品の原価は実際の店舗への聞き取りから、対象は2年生以上の筑波大学関係者17,958人とした。また、「居酒屋が救われる」=「損益がない状況」と定義し、今回のシミュレーションでは、損益分岐売上高≦売上であるとした。1店舗の1日当たりの損益分岐売上高の算出方法は以下の通りである。
 損益分岐売上高=固定費÷(1-変動費率)
 (変動費率=食材・ドリンク原価÷売上)
 ※なお、計算に必要な数値は店舗への聞き取り調査のデータを利用
 まず、個人が一日あたりビールを何杯飲む必要があるかについて分析した。
 今回はビールのみのシミュレーションであるため、お店はビールのみを仕入れ、ビールのみを販売すると仮定する。この点を考慮すると、損益分岐売上高は4,113,820円となる。ビール1ジョッキを550円とすると、それを賄うためには8,228杯が必要となる。1日当たりであれば274杯になる。これを、130店舗と筑波大学関係者17,958人に当てはめると、1日1人当たり1.9835杯の消費が必要となる。

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