ホーム実態調査
1 筑波大学に存在する掲示システムについての調査
1-1 現行の紙媒体掲示システムについての調査
【紙媒体掲示システムの観察調査】
理想の掲示システムとはどのようなものであろうか。その手がかりを掴むために、現行の紙媒体掲示システムについて実態調査を行なった。紙媒体の掲示システムには学内の6つの支援室周辺(春日エリア、医学エリア、体芸エリア、一学、二学、三学)に分散して存在する掲示板の他、外国語センター、留学生センター、体育センターなどに存在する掲示板があると分かった。また支援室周辺の掲示板は掲示内容がほぼ同じであったが、多少の偏りやエリアごとの特殊項目があることが判明した。表Aに示したのは、各支援室周辺の掲示板にほぼ共通して載っていた掲示項目の一覧である。

掲示作業は図のような手順で行なわれていることが分かった。学群担当や大学院担当の事務員がおり、それぞれが独立して掲示業務をしている。教員が掲示したい情報をもっている場合、そのデータを教員が所属しているエリア担当の支援室事務員に送信し、それらが印刷されて各掲示板に掲示される。また、各支援室の学群担当同士や大学院担当同士は、学内の掲示情報が均質化するよう、掲示情報のやり取りを行なっていることが分かった。図Aに示したのは、2つのエリアにいる支援室の学群担当について、教員から来た情報が掲示されるまでの流れと、支援室間の情報のやり取りの様子を表した模式図である。


以上の既存の掲示システムについての調査結果を踏まえ、TWINSとMoodleを使って掲示板のWeb化を実現できるのではないかと考えた。それを確かめるためにTWINSとMoodleそのものと、その管理者について調査を行なった。
理想の掲示システムとはどのようなものであろうか。その手がかりを掴むために、現行の紙媒体掲示システムについて実態調査を行なった。紙媒体の掲示システムには学内の6つの支援室周辺(春日エリア、医学エリア、体芸エリア、一学、二学、三学)に分散して存在する掲示板の他、外国語センター、留学生センター、体育センターなどに存在する掲示板があると分かった。また支援室周辺の掲示板は掲示内容がほぼ同じであったが、多少の偏りやエリアごとの特殊項目があることが判明した。表Aに示したのは、各支援室周辺の掲示板にほぼ共通して載っていた掲示項目の一覧である。
掲示作業は図のような手順で行なわれていることが分かった。学群担当や大学院担当の事務員がおり、それぞれが独立して掲示業務をしている。教員が掲示したい情報をもっている場合、そのデータを教員が所属しているエリア担当の支援室事務員に送信し、それらが印刷されて各掲示板に掲示される。また、各支援室の学群担当同士や大学院担当同士は、学内の掲示情報が均質化するよう、掲示情報のやり取りを行なっていることが分かった。図Aに示したのは、2つのエリアにいる支援室の学群担当について、教員から来た情報が掲示されるまでの流れと、支援室間の情報のやり取りの様子を表した模式図である。
以上の既存の掲示システムについての調査結果を踏まえ、TWINSとMoodleを使って掲示板のWeb化を実現できるのではないかと考えた。それを確かめるためにTWINSとMoodleそのものと、その管理者について調査を行なった。
1-2 TWINS掲示システム調査
【TWINSコンテンツ調査】
TWINSコンテンツ調査では、TWINSの機能とその利用状況について知ることができた。
機能は5種類あり、学生情報参照機能、成績管理機能、学籍管理機能、アンケート調査機能、掲示板機能などがあった。(表B)また、掲示板機能の掲示板は、「授業掲示板」と「お知らせ掲示板」という2つの掲示板に分かれており、授業掲示板の下には授業というジャンルが、お知らせ掲示板の下には学生呼び出し、行事予定、事務からのお知らせ、落し物情報という4つのジャンルが設けられていた。(図B)
利用状況について述べる。学生情報管理機能、成績管理機能、学籍管理機能は、十分に活用されているものの、アンケート機能は全く使われていないに等しい状況であった。TWINSの機能の中でも今回の研究に大きく関わる掲示板機能であるが、図Bから分かるように落し物情報の提供程度にしか使用されておらず、2013年6月18日現在で授業掲示板の掲示件数が0件という状況であった。
TWINSをシステムとコンテンツの両面で管理している教育推進部へヒアリング調査を行なった。その結果、TWINSはCampus Squareというソフトを筑波大学独自にカスタマイズしたものであり、掲示板機能はCampus Squareに元からついていた機能であることが分かった。また、掲示板機能が落し物情報提供以外の面ではあまり活用されていないのは、例年のことだということも分かった。つまり、たとえ活用されていなくても授業掲示板など

図B TWINSの掲示板ジャンル・件数一覧(平成25年6月18日現在の様子)
落し物情報以外の掲示板機能があるのは、掲示板機能がCampus Squareに標準装備されていているためなのである。
その他に、掲示システムのWeb化が学生の総意として全代会を通して提案された場合は、紙媒体の掲示板を廃止することを条件として、教育推進部がWeb化を実行できるということも分かった。
1-3 Moodleコンテンツ調査
【Moodleコンテンツ調査】
Moodleには多くの機能があるが、筑波大学で使用されているものは主に講義日程・内容の掲示、受講者に対する連絡配信、課題、小テスト、授業資料の配布という5つの機能だった。(表C)なお、受講者に対する連絡配信とは、Moodleのニュースフォーラムの書き込みをすると、受講者全員にその内容がメールで配信されるという機能である。
Moodleのシステム管理を行なっている教育クラウド室へヒアリング調査を行なったところ、以下のようなことが分かった。
教育クラウド室はMoodleなどのIT教育インフラを用いて教員の負担を軽減することを任務としている。しかし筑波大学には2000名ほどの教員が在籍しているが、そのうちMoodleを活用している方は300〜400人ほどしか居ない。教育クラウド室としてはMoodleの利用者を多くしたいと考えており、そのためにより使いやすいシステムとなるように努めている。
その他に、Moodleはあくまで学習管理システムとして利用されるのが望ましく、紙媒体の掲示板が持つ機能の代替には適さないという回答が得られた。
2 各アンケート調査の実施
3 他大学調査
3-1 上智大学ヒアリング調査
6月4日(火)に上智大学にヒアリング調査を実施した。調査に行ったのは高畠と田辺で、協力いただいたのは、学術情報局総合メディアセンター事務長の大埴智弘様と人事局事務システムグループの新誠司様、相生芳晴様の3名である。上智大学を選んだ理由は、まず、筑波大学同様Moodleを使用し、TWINSに似たLoyolaという教務システムを用いているため、そうした点で筑波大学と似ているという点が挙げられる。二つ目の理由としては、管理体制も上智と筑波では似通っていて、筑波大学でMoodleは教育クラウド室が管理しており、TWINSは大学教育推進部が管理しているといったように、上智大学では、Moodleは学術情報局総合メディアセンターが管理しており、Loyolaは学事センターが管理しており、それぞれ独立した機関が管理しているという点である。次に、上智大学のLoyolaとMoodleについてヒアリングからわかったことを述べていく。

【Loyolaの活用状況】
上智大学のLoyolaとは、TWINSと同じくCampus Squareという商品をベースとした教務システムである。現在管理している主な項目は(1)履修管理、(2)成績管理、(3)学籍管理、(4)Web掲示板である。(1)〜(3)までは現在の筑波大学のTWINSにもある機能であるが、(4)に関しては機能としては筑波大学にもあるものの、上智大学がより発展させている。掲示板には、授業掲示板や学生の呼び出しに関する掲示板、部局ごとの項目があり(図C参照)、授業掲示板には休講・補講・教室変更など学生にとって需要が高い情報を掲示している。また、掲示板に情報を載せると同時に、メールで学生のもとに随時届くようになっている。この機能により、従来の紙の掲示板なら自分たちで見に行かなければ情報を受け取り損ねるという心配がなくなり、受信したい情報も学生側が選択できるようになっているため、学生側のニーズに対応できるシステムになっている。さらに、携帯で見ると、情報量が多すぎるという苦情をふまえて、検索機能も昨年からつけ、より使いやすいものになった。こうしたLoyolaの掲示板システムは、学生・教員・管理側にとって利便性の向上と事業の効率化へとつながり、ペーパーレス化が進むこととなった。
【Loyolaの管理体制】
授業関連の情報に関しては、各教員から学事センターに報告し、その情報を学事センターが掲示板に載せている。部局の掲示板に関しては、それぞれの部局から情報が配信される仕組みになっている。次にMoodleについてヒアリングからわかったことを以下にまとめる。
【Moodleの活用状況】
上智大学では、Moodleを10年以上前から使用しているようだが、利用している教員は3割程度にとどまっている。(約4000講義中1500講義) 利用している授業は主に理工学系や情報系の授業、大人数の授業など、パソコンに慣れている教員や受講者の管理が大変な授業の場合に使用されていると考えられる。
周知方法も講習会や説明会が開かれるなど具体的に対策がとられているわけではなく、先生たちの口コミといった地道なやり方で広まっている。
【LoyolaとMoodleの住み分け、一本化の問題】
筑波大学同様上智大学でも、複数あるシステムの住み分けの問題が顕在している。管理者側の住み分け、一本化も議論になる可能性が高いが、教員にもLoyolaかMoodleのどちらを使うか、つまり授業運営統一させるということは強制できることではないため、一本化は難しいとのことだった。
【Web化に伴う問題点】
上智大学では、上記に書いた2つのシステムの活用状況等に加え、紙掲示板を廃止しWeb化に移行する際に生じた問題や、Web化に伴う問題点についてもヒアリングを行った。
まず一つ目に考えられる問題は、サーバーメンテナンスの問題である。紙掲示板では、メンテナンスは必要ないが、Web掲示板になることでメンテナンスの際に使用できない時間帯ができてしまう。その問題に関しては、やはりトップメニューに事前に「いつ、何時にどれくらい接続できなくなるのか」をしっかり告知しておくことで対応している。また、テスト期間など多くの学生がアクセスするであろう時期は避け、長期休暇中など閑散期を狙って行う工夫をしているそうだ。
二つ目の問題は、個人情報の流出という問題である。学生呼び出し等の情報が外部に漏れると、個人の名前や学籍番号などが流出してしまう恐れもあると考えられる。しかし、紙掲示板のときのように、誰でも自由に閲覧できる場所で、個人の名前や学籍番号などを載せられるよりは、ログイン制になってIDやパスワードの管理ができている限り情報が漏洩することがない方が、個人の情報は守られるのではないかというのが上智側の意見であった。
三つ目の問題としては、情報を配信するタイミングの問題が挙げられる。教員によっては春学期の休講・補講情報などを新入生の入学前に出す場合もあり、そうした場合、新入生は情報をメールでは受け取れないことになってしまう。これは仕方のない問題ではあるが、メール配信の機能はあくまでオプションであり、Webでも学生自身が自分で調べて確認することを基本としているので、受け取れない情報についても個人の責任としているそうだ。
最後に、紙の掲示を廃止する過程で生じる問題もある。やはり、移行期間には学生、教員の間に混乱が生じていたそうだ。Loyolaは定着に2ヶ月ほどかかっていた。地道に周知させ両者に普及させていくとともに、学生には、Webになっても能動的に情報を見る習慣をつけさせることが必要である。
【Loyolaの活用状況】
上智大学のLoyolaとは、TWINSと同じくCampus Squareという商品をベースとした教務システムである。現在管理している主な項目は(1)履修管理、(2)成績管理、(3)学籍管理、(4)Web掲示板である。(1)〜(3)までは現在の筑波大学のTWINSにもある機能であるが、(4)に関しては機能としては筑波大学にもあるものの、上智大学がより発展させている。掲示板には、授業掲示板や学生の呼び出しに関する掲示板、部局ごとの項目があり(図C参照)、授業掲示板には休講・補講・教室変更など学生にとって需要が高い情報を掲示している。また、掲示板に情報を載せると同時に、メールで学生のもとに随時届くようになっている。この機能により、従来の紙の掲示板なら自分たちで見に行かなければ情報を受け取り損ねるという心配がなくなり、受信したい情報も学生側が選択できるようになっているため、学生側のニーズに対応できるシステムになっている。さらに、携帯で見ると、情報量が多すぎるという苦情をふまえて、検索機能も昨年からつけ、より使いやすいものになった。こうしたLoyolaの掲示板システムは、学生・教員・管理側にとって利便性の向上と事業の効率化へとつながり、ペーパーレス化が進むこととなった。
【Loyolaの管理体制】
授業関連の情報に関しては、各教員から学事センターに報告し、その情報を学事センターが掲示板に載せている。部局の掲示板に関しては、それぞれの部局から情報が配信される仕組みになっている。次にMoodleについてヒアリングからわかったことを以下にまとめる。
【Moodleの活用状況】
上智大学では、Moodleを10年以上前から使用しているようだが、利用している教員は3割程度にとどまっている。(約4000講義中1500講義) 利用している授業は主に理工学系や情報系の授業、大人数の授業など、パソコンに慣れている教員や受講者の管理が大変な授業の場合に使用されていると考えられる。
周知方法も講習会や説明会が開かれるなど具体的に対策がとられているわけではなく、先生たちの口コミといった地道なやり方で広まっている。
【LoyolaとMoodleの住み分け、一本化の問題】
筑波大学同様上智大学でも、複数あるシステムの住み分けの問題が顕在している。管理者側の住み分け、一本化も議論になる可能性が高いが、教員にもLoyolaかMoodleのどちらを使うか、つまり授業運営統一させるということは強制できることではないため、一本化は難しいとのことだった。
【Web化に伴う問題点】
上智大学では、上記に書いた2つのシステムの活用状況等に加え、紙掲示板を廃止しWeb化に移行する際に生じた問題や、Web化に伴う問題点についてもヒアリングを行った。
まず一つ目に考えられる問題は、サーバーメンテナンスの問題である。紙掲示板では、メンテナンスは必要ないが、Web掲示板になることでメンテナンスの際に使用できない時間帯ができてしまう。その問題に関しては、やはりトップメニューに事前に「いつ、何時にどれくらい接続できなくなるのか」をしっかり告知しておくことで対応している。また、テスト期間など多くの学生がアクセスするであろう時期は避け、長期休暇中など閑散期を狙って行う工夫をしているそうだ。
二つ目の問題は、個人情報の流出という問題である。学生呼び出し等の情報が外部に漏れると、個人の名前や学籍番号などが流出してしまう恐れもあると考えられる。しかし、紙掲示板のときのように、誰でも自由に閲覧できる場所で、個人の名前や学籍番号などを載せられるよりは、ログイン制になってIDやパスワードの管理ができている限り情報が漏洩することがない方が、個人の情報は守られるのではないかというのが上智側の意見であった。
三つ目の問題としては、情報を配信するタイミングの問題が挙げられる。教員によっては春学期の休講・補講情報などを新入生の入学前に出す場合もあり、そうした場合、新入生は情報をメールでは受け取れないことになってしまう。これは仕方のない問題ではあるが、メール配信の機能はあくまでオプションであり、Webでも学生自身が自分で調べて確認することを基本としているので、受け取れない情報についても個人の責任としているそうだ。
最後に、紙の掲示を廃止する過程で生じる問題もある。やはり、移行期間には学生、教員の間に混乱が生じていたそうだ。Loyolaは定着に2ヶ月ほどかかっていた。地道に周知させ両者に普及させていくとともに、学生には、Webになっても能動的に情報を見る習慣をつけさせることが必要である。
3-2 東京農工大ヒアリング調査
6月5日(水)に東京農工にも担当の對馬、田中がヒアリング調査を実施した。協力いただいたのは、総合情報メディアセンターの萩原洋一様と農工大生の大澤温様である。農工大を調査対象にした理由は、私たちの班が今後提案していくであろうWeb掲示板にかなり重点的に特化しているのが農工大だったからである。まず、Web掲示板とはどういったものか、Web掲示板の活用状況についてまとめていく。
【Web掲示板の活用状況】
東京農工大のWeb掲示板は上智大学のWeb掲示板と比べてもかなり歴史が古い。第一世代(1997〜1998年)、第二世代(1998〜2011年)、第三世代(2011年〜現在)に分かれており、第一世代では、ネットバード(注○)と呼ばれる昔のFacebookのような掲示板を用いていた。続く第二世代は学生が運営していた。盛り込まれた内容としては、(1)掲示板(2)休講情報(3)学生呼び出し(4)シラバスDBシステム(5)授業のページ(6)教室の利用状況がある。
Iモード(携帯版)に対応しておりパソコンこら自動的に変換されるため、学生には好評であった。当時は個人情報の概念がゆるかったため、学籍番号等個人情報まで載っていたそうだ。
現在も利用されている第三世代は現行システムのベースとなるシステムを工学部で運用し、2012年から農学部に展開されて普及している。現在のWeb掲示板も上智大学同様教員からの情報を教務係がチェックし掲示板上に載せることになっている。学生は直接入力することは出来ないが、サークル情報などは生活課に依頼すれば表示可能である。上智大学のようにメールでの新着情報の通知機能はサーバーへの負荷やメールを見る手間の問題があるためついていない。しかし、それでは自分に必要な情報がいち早く手に入らないため、掲示板自体の表示の仕方に工夫が必要とされている。また、農工大のWeb掲示板は筑波大のTWINSや上智のLoyolaとは異なりログイン制ではない。その理由は学生にとってログイン制は面倒であり、ログイン制にしなければならないほど内密にすべき情報はないというものである。
【Web掲示板の管理体制】
管理者は各学部教務係担当者でサーバー管理は総合情報メディアセンターが行っている。OSはキャンパスごとに別々になっている。管理自体はほぼ自動で動くように掲示板作成の際に手間をかけて雛形を作成しているため、正常に動いているかを見る程度である。紙掲示板やMoodle、公式HPなどとは完全に独立して運用・管理されている。
【Moodleの活用状況】
Moodleは第三世代のWeb掲示板が出来る前に導入されていた。利用状況は全授業の約10%と低い。使ってもらう工夫として、アンケート調査や説明会を実施しているが効果は薄いようだが、Web掲示板があるためすべての授業で普及させる必要もないようである。
【Web化に伴う問題】
現在のWeb掲示板は教務係や各学科の人と連携し、システムの構造やコンテンツを相談しながら試行錯誤を重ね、約半年かけて雛形を作成し約1年間準備期間を経て導入されるに至っている。導入時の問題は、まず教務の仕事量増大に対する懸念があった。しかし、実際には紙家地盤を原則として廃止しWebで一本化できるため、業務は減ることを説明し納得してもらったようだ。導入時にはアクセス頻度の集中やそれに伴うサーバー負荷といった問題が予想されていたが、現在の技術・容量なら問題はないそうだ。
【Web掲示板の活用状況】
東京農工大のWeb掲示板は上智大学のWeb掲示板と比べてもかなり歴史が古い。第一世代(1997〜1998年)、第二世代(1998〜2011年)、第三世代(2011年〜現在)に分かれており、第一世代では、ネットバード(注○)と呼ばれる昔のFacebookのような掲示板を用いていた。続く第二世代は学生が運営していた。盛り込まれた内容としては、(1)掲示板(2)休講情報(3)学生呼び出し(4)シラバスDBシステム(5)授業のページ(6)教室の利用状況がある。
Iモード(携帯版)に対応しておりパソコンこら自動的に変換されるため、学生には好評であった。当時は個人情報の概念がゆるかったため、学籍番号等個人情報まで載っていたそうだ。
現在も利用されている第三世代は現行システムのベースとなるシステムを工学部で運用し、2012年から農学部に展開されて普及している。現在のWeb掲示板も上智大学同様教員からの情報を教務係がチェックし掲示板上に載せることになっている。学生は直接入力することは出来ないが、サークル情報などは生活課に依頼すれば表示可能である。上智大学のようにメールでの新着情報の通知機能はサーバーへの負荷やメールを見る手間の問題があるためついていない。しかし、それでは自分に必要な情報がいち早く手に入らないため、掲示板自体の表示の仕方に工夫が必要とされている。また、農工大のWeb掲示板は筑波大のTWINSや上智のLoyolaとは異なりログイン制ではない。その理由は学生にとってログイン制は面倒であり、ログイン制にしなければならないほど内密にすべき情報はないというものである。
【Web掲示板の管理体制】
管理者は各学部教務係担当者でサーバー管理は総合情報メディアセンターが行っている。OSはキャンパスごとに別々になっている。管理自体はほぼ自動で動くように掲示板作成の際に手間をかけて雛形を作成しているため、正常に動いているかを見る程度である。紙掲示板やMoodle、公式HPなどとは完全に独立して運用・管理されている。
【Moodleの活用状況】
Moodleは第三世代のWeb掲示板が出来る前に導入されていた。利用状況は全授業の約10%と低い。使ってもらう工夫として、アンケート調査や説明会を実施しているが効果は薄いようだが、Web掲示板があるためすべての授業で普及させる必要もないようである。
【Web化に伴う問題】
現在のWeb掲示板は教務係や各学科の人と連携し、システムの構造やコンテンツを相談しながら試行錯誤を重ね、約半年かけて雛形を作成し約1年間準備期間を経て導入されるに至っている。導入時の問題は、まず教務の仕事量増大に対する懸念があった。しかし、実際には紙家地盤を原則として廃止しWebで一本化できるため、業務は減ることを説明し納得してもらったようだ。導入時にはアクセス頻度の集中やそれに伴うサーバー負荷といった問題が予想されていたが、現在の技術・容量なら問題はないそうだ。