FUTURE of TSUCHIURA

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人口減少していく土浦市において、現状の都市構造では将来的に質の高 い行政サービスの提供や地域コミュニティの維持が困難になると予想される。そのため人 口減少社会に適した都市構造への転換、つまりコンパクトシティへの転換が必要とされる。 コンパクトシティへの転換を図るため、初めに人口減少に応じた居住誘導区域の再設定を 行う。次に再設定した居住誘導区域に居住を誘導する政策を提案する。最後に居住誘導で形 成した都市構造に合わせてネットワークの整備を計画する。それぞれの地域の特性に合わ せて交通の基盤を整え、人口が減少したとしても市民の公共交通サービスへのアクセスを 担保する。

居住誘導区域再設定

現状の居住誘導区域は住宅地・公共交通に合わせた設定がされており、ただの現状把握に なってしまっている。このままでは私たちが想定した将来の土浦市の人口規模に対して面 積が広く、公共サービスレベルを維持することは難しい。そこで居住誘導区域を再設定する ことで、将来人口減少する土浦市が現状のサービスレベルや交流を維持できるように備え る。

居住誘導区域(赤:年機能誘導区域、青:居住誘導区域)

居住誘導

サ高住
日本社会全体で高齢化が進み、土浦市においても今後ますます高齢化が進展することが 予想される。さらに、日常生活において家族の助けを借りることが難しい高齢者の単身世帯 も急速に増加している。このことから、高齢者が便利かつ安心な生活を送るための選択肢と して、サービス付き高齢者向け住宅の需要が高まっていくと考えられる。 また、高齢者福祉の行政窓口として地域包括支援センターの整備が求められている。現在 土浦市には、土浦駅周辺エリアの拠点となる地域包括支援センターうららと北部エリアの 拠点となる神立地域包括支援センターが整備されている。すべての市民に高齢者福祉のア クセスを提供するため、今後は立地適正化計画に則って荒川沖地域とおおつ野地域にも地 域包括支援センターの整備を進めるとしている。 今後の高齢化社会に対応して高齢者福祉の拡充を図りつつ、5.4.2 インフラ・施設統廃合 に基づき公営住宅の廃止を行うにあたっての不足分を補う複合事業として、PFI 方式を活用 した地域包括支援センター、公営住宅、サ高住の一体整備事業を提案する。

サ高住 事業スキーム

ネットワーク形成

A) 全体背景

土浦市は、人口減少と財政難に直面しており、地域交通の衰退が進んでいる。人材不足 や運転手不足により、公共交通の減便や路線廃止が相次ぎ、市民の移動手段としての利便 性が低下している。その結果、日常の移動は自家用車に依存する傾向が強まり、車を運転 できない高齢者や交通弱者にとって移動の選択肢が限られる状況が生まれている。
このような課題に対応するためには、人口減少社会を見据えた持続可能な交通ネットワ ークの整備が不可欠である。特に、居住誘導と連携した「コンパクト+ネットワーク」の 都市構造を構築し、地域内の移動を支える効率的な交通システムを確立することが求めら れる。地域拠点間の移動、地域拠点内移動をスムーズにし、地域全体のアクセス性を向上 させることで、公共交通を利用しやすい環境を整備し、それぞれの地域に応じて市民の移 動手段の多様化を図る必要がある。

B) 全体概要

このような背景を踏まえ、土浦市では先進モビリティの導入や地域交通の再編を通じて、 移動手段の確立を目指す。

新治地区:高齢者などの交通弱者の需要に応じたデマンド型交通
北部地区:子供、高齢者のラストワンマイルを満たし、新興住宅地としての先進性を活かす
中央地区:つくば市との連携を強化するための交通
南部地区:阿見町との連携を強化するための交通

ネットワーク全体概要

C) 個別概要

新治地区:高齢者などの交通弱者の需要に応じたデマンド型交通
現状の乗合タクシー土浦の仕組みを変更し、新治の都市機能誘導区域内の交通拠点に、乗合タクシー土浦の支部を作る。 年齢制限を撤廃することで、公共交通不便地域に住む市民や、年少者、高齢者などの交 通弱者の移動需要を幅広く担うことができる。年会費 15,000 円のうち、13,000 円を地域新電力の売上から捻出することで、市の負担を軽減し、タクシー増便など利便性の向上を図る。アンケートから、利用方法が分からないという回答数が多かったため、予約方法を電話以外に高齢者などにも比較的利用しやすい LINE アプリ上から予約できるシステムとする。

乗合タクシーのスキーム変更

北部地区:子供、高齢者のラストワンマイルを満たし、新興住宅地としての先進性を活かす

おおつ野地区の特徴である、「ラストワンマイルの需要」「新興住宅地から発展する先進的なまち」「地域の高齢者数増加見込み、子供の数多い」「高密度でコンパクトな構造」を考慮して、先進モビリティの実装を目標とし、グリーンスローモビリティと超小型 EV シェアリングをハイブリッドで導入する。おおつ野地区で実証実験―実装を経て、最終的には土浦市の各地での先進モビリティ実装を目標に、それらの実験場所としておおつ野地区で先駆的に導入を図っていく。 中央地区:つくば市との連携を強化するための交通
南部地区:阿見町との連携を強化するための交通

地域新電力の利益の一部を利用し電動バスを購入、既存の路線バスで使われている車両 を電動バスに入れ替える。運営している事業者に支援する形で導入を図る。以下の路線で運行されている路線バスの車両を電動バスとする。


D) 効果

-新治地区:高齢者などの交通弱者の需要に応じたデマンド型交通

新治を含む交通空白地帯の市民の移動を満たすことができ、高齢者を含む、交通弱者の移 動利便性向上が期待できる。 地域新電力の補助金を年会費の補助金に当てることで、実質の市の負担を軽減する。

-北部地区:子供、高齢者のラストワンマイルを満たし、新興住宅地としての先進性を活かす交通

実証実験を経てからの実装となるが、ラストワンマイルの需要に見合ったおおつ野地区ならではの交通により、 見守りといった防犯や地域内通貨の導入による経済効果、高齢者、 子供の健康的かつ環境に優しい地域交通の実現ができる。

-中央地区:つくば市との連携を強化するための交通
-南部地区:阿見町との連携を強化するための交通

  地域新電力のクリーンエネルギーを活用による環境負荷の軽減、電動バスの導入によって交通インフラの持続可能性向上、 自治体間の連携力の強化が期待できる。
さらに、将来的な無人運行バス導入へのステップとして基盤を整えることができ、実証実験 を重ねながら段階的に先進的な交通システムを確立していく。