「土浦を知ってもらう」フェーズとして、市外の人にそもそも土浦の存在、魅力に気づいてもらう必要があります。そのためには、「土浦と言えばコレ」というキラーコンテンツの存在が必要不可欠であると考えました。

　土浦市は近年、りんりんロードの開業を契機にサイクリストの誘客に力を注いでいます。そこで、その流れをさらに加速させ、土浦を「サイクリングのまち」として広報していくことを提案します。

　社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパンが実施した「サイクリスト国勢調査2021」によると、サイクリストがサイクリングに行く先を選定する際に重要視する項目として、「自分の体力に適したコースが有ること」や「地域の魅力を感じられるサイクリングコースが整備されていること」などがあります。

　それを踏まえて現在の土浦市の課題を見てみると以下のような課題があるのではないでしょうか。

　まず、土浦市発のりんりんロードはいずれのコースも長く、筑波方面へは40km、霞ヶ浦方面では90km以上の長さになります。また、高御経降雨機関との接続点が少なく、途中でのリタイアが非常に難しくなっていると考えられます。

　また、りんりんロードは土浦市内の魅力的なスポットを通るわけでもなく、市内の走行距離もそこまで長くありません。土浦はあ、茨城県南地域一帯を走るりんりんロードの入口にしかなれていないのではないでしょうか。

　そこでわたしたちは、土浦市内に新たな自転車道を整備することを提案します。

　土浦駅を起点とし、桜川の河口部からその河川敷をとおり宍塚公園に至り、そこから市南部の乙戸沼公園へと向かうコースです。乙戸沼公園のすぐ北側にはつくば市との市境があり、それを超えるとすぐに赤塚公園があります。赤塚公園から北に向かってはつくばセンターや筑波大学へとつながるつくば市のペデストリアンデッキが伸びているため、そこと接続することでつくば駅と土浦駅を結ぶ一本の自転車道として利用することもできます。

　このコースを整備する一番の目的は、サイクリストに対して豊富な選択肢を提供することにより、土浦を気軽なサイクリング先として選んでもらうことです。

　長さはつくば駅から土浦駅まで約15km程度と短く、道沿いには豊富に公園があり、景色を楽しむことはもちろん、気軽に休息をとりながらのんびり走ることも可能となるため、子供を連れて気軽にサイクリングに訪れやすくなるという効果が期待できます。

　また、第二の目的として、県南地域で一番人が集まっている場所であるつくば市の研究学園エリアから土浦への自転車でのアクセス性を改善できることがあげられます。これにより、研究学園エリアの住民の休日の気軽なレジャー先として土浦市や霞ケ浦湖畔などが選ばれやすくなるのではないでしょうか。

　さらには、つくば駅からりんりんロードを利用する利用者に向けた安全で走りやすい走行環境を提供することにも繋がります。土浦にはプレイアトレ土浦やりんりんポート土浦といった自転車インフラが豊富にあることもあり、これまでの「りんりんポートの入口」という役割に加え、「つくばから走り始めた人にとっての最初の休憩のまち」としての役割も生まれ、より多くの人が土浦を訪れることにつながるのではないでしょうか。