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CMA~Community Management Association~
CMA

土浦市で住民による地域経営を行う方法として、住民のコミュニティを生かした組織であるCMA(Community Management Association)を立ち上げることとします。
財政健全化を市が行うとすると、住民の意思にかかわらず、一律でサービスの供給が行われなく恐れがありますが、CMAを立ち上げあることで住民の意思を生かした財政健全化を行うことが可能になります。

財政の健全化を第一の目的としてCMAを立ち上げましたが、CMAの目的はこれだけではありません。 CMAは地域に眠る資本をいかした、地域のニーズを把握し、自分の地区を運営していくことが大きな目標です。
これまで行政が把握しきれなかったニーズや生かし切れていない地域試案を活かすことで地域ごとに独自性が生まれ、これが土浦を一つ魅力的なものにします。


CMAのルール

CMAの基本的なルールは以下のものとします。

CMAは旧小学校区域で一つとし、区域の住民は全員強制的に加入する運営組織とする。
運営組織はCMA区域内の町丁目から代表を立て、その代表者からなる代表組織を理事会とし、この理事会を通じて最終的な意思決定を行う。
理事会の役員は公正な方法で選出され、給料が支払われる。
CMAの活動資金は区域内住民一人一人から徴収する共益費用であるが一部の地方税の還元を受けるものとする。
地域内のCMA同士は互いに協力して財政健全を目指すものとする。
CMA地区内の空き家や空き地も最終的にはCMAで管理活用することができる。

土浦市内には旧小学校区域は20個あるため、市内でのCMA組織は20組織となります。範囲設定として、CMA内の住民の人数は約7,000人~約15,000人としています。
CMAをこの規模に設定する理由は以下のものがあります。

住民が地域の実情を肌身で感じられる範囲であること

公共サービスの費用削減においてスケールメリットが得られる規模であること

意思決定において、住民の合意形成及び意思疎通が可能であること


CMAの効果

CMAを行うことによる効果としてはいかのものが存在します。

A 立地適正化計画のように新たな線引きを行わなくてよいため、土地の資産価値が制度の導入により大幅にさがることが少ない。
B 固定資産税率が上がるなどの理由で今現在住んでいる居住地から居住地を移動することを強いなくても良い。
C 行政サービスを削減されるのではなく、自らの意見で積極的に削減することができる。
D 最終的には住民自身が居住地区の在り方を決定することを可能にする。そのため、望む住環境を形成できることにつながる。
E 住民の細かなニーズに応えるサービスを展開する地元企業ができ、地元雇用が創出される。

CMA行うにあたってはその地域の住民全員が積極的に活動するわけでないことも考えられます。 そのために負担が積極的な住民に偏ってしまうことも考えられます。

しかし、地区内での住民の生活に直接的に影響を及ぼすこととなるため、積極的に参加しない場合は自らに不便益が生じることとなるため、最終的には参加していくものと考えています。 また、住民の意思決定においては、マイナンバーカードを用いたインターネット投票などのシステムを導入することにより、だれでもいつでも意思表明をできるシステムを用いることとします。


CMAによる財政健全化

CMAが第一の目標の財政健全化に向けて取捨選択する行政サービスは次の表のものを考えます。
削減に与える費用はどれも最大値であり、H30~H40年の財政赤字の平均額が約13億円であることを考えると、市全体の削減目標は約60%です。

これらの項目は行政サービスのうち地域性が高いと判断できるものを挙げています。 こうした行政サービス以外の上下水道や公共交通、医療、教育、保育、警察、消防やCMA単独では扱えないような地域幹線道路の建設と維持に関しては行政が継続的に提供していくものとしています。

実際の意思決定のプロセスに関しては図に示した通りとします。 大まかな流れは以下のようになります。

1 土浦市がCMAに削減目標を考慮した削減費用項目を提示します。
2 CMAはこれに従い費用を削減するか、削減せずに削減費用分をCMAで負担するかを判断します。
3 CMAは削減する場合はどのサービスをどういった方法で削減するのかを決めます。
4 削減が達成された市が公共性の高いサービスを市内に提供します。
5 その後はCMAで地域のニーズの高いサービスを行うか検討します。

意思決定においてはCMAアドバイザーという市の職員を一部派遣したまちづくりに精通したコンサルティング会社の社員や大学の教授ら専門家組織からのアドバイスを受けるものとします。 このアドバイスをものとでCMAはどういった行政サービスをどういった方法で削減していくのか、また民間企業に代わるサービスを提供してもらうことはできないかを検討します。 アドバイスを行うことで、意思決定においてCMAは短期の利益追従のみを行うのでなく、将来世代まで考えた長期の利益追従を行うことが可能となります。


CMAによる財政健全化後

財政健全化がされた後は市全域に需要のある公共性の高いサービス(公共交通や教育、福祉など)はより拡充できることが考えられます。 こうした公共性が高いサービスに関しては市が継続して提供していくとします。 CMA自体は費用の削減のための組織ではないため、今後は地域独自のサービスを展開していくことも可能になります。 こうしたサービスを提供する際には費用自体はサービスの利用者やCMA内の住民から徴収することで、市の負担を軽減しながら実施することが可能となります。 サービスの提供者は行政でも可能ですが、民間に委託し行うことも可能です。

こうした地域の細かなサービスのニーズは従来、市がすべてを把握し提供することは難しかったですが、より地域のニーズを把握しやすいCMA 組織を通して行うことで住民の満足度を上げることができ、幸福度の増強にもつながります。 さらに細かな地域ニーズを市場に反映させることで、このニーズを提供する新たな職がうまれ、地元の雇用にもつながると考えられます。

また、もともと費用が多くかかっていた土浦駅を中心とする地域では地域の独自サービスの需要が小さい場合も考えられます。 この場合、この地域のCMAは新たに地域独自のサービスを提供せずに行政が提供するサービのみを享受することが可能です。

CMAという組織を通して住民が土浦市に積極的にかかわることで、地元への関心が高まり、地元への愛着を生み出し、高めていくことも可能となります。