2.基本構想
2-1 目標都市像
本格的な少子高齢時代を向かえつつある昨今ではあるが,出生率の低下に対し何ら有効な対策が打たれていない現状からは,
20年後このような問題がさらに深刻化しているであろうことは明白である.以上のような社会的背景から,今後の都市が魅力あるものとして残ってゆくためには,
少子高齢というキーワードに着目して,更にその答えを持ちえているということが必須条件になるのではないだろうか.
本マスタープランでは,「ただいま、土浦」というテーマを目標都市像に設定する.
「ただいま、土浦。」とは,進学・就職などで土浦を出ていった人に土浦に帰ってきてもらおうというのが最大の目標で,
そのために子育て・教育・福祉を中心に土浦市の魅力を高める施策を行ってゆく.そのような施策により,土浦で育った若者がたとえ土浦を出て行ったとしても,
子供ができる頃になるとその土浦を思い出して帰ってきてくれる.というロジックである.

図2-1. 目標都市像イメージ
2-2 人口フレーム
土浦市の人口は現在14,4124人であるが,人口の将来予測をコーホ-ト法を用いて行ったところ,将来人口は減少し2030年には123288人になるという結果になった.
団塊の世代と呼ばれる年代の人々が高齢者となり,75歳以上人口が急激に上昇する一方,20歳以下の未成年人口は減少を続けるなど,
少子高齢化の傾向は今後も強まっていくことが結果から読み取れる.(図1-1,1-2)
これらの結果から本マスタープランでは土浦市の20年後の想定人口を130,000人に設定する.
これはコーホート要因法から導き出された結果より7000人ほど多い数字ではあるが,我々の目標都市像では子育て世代が土浦に戻ってくることを想定しており,
何もしなかったときに比べ若干の人口増が考えられるためである.

図1-1. コーホート要因法による人口予測

図1-2. 2030年の人口ピラミッド予測
2-3 地区別基本構想
まず市全体の基本構想としては,目標都市像である「ただいま、土浦。」を実現するためにもっとも重要となる「子育て・教育・福祉の充実したまち」を基本構想とする。
地区別構想はそれぞれの地区の特徴を踏まえ,その魅力を活かすことができるような基本構想を定めた.
●中心市街地
中心市街地の特徴として,人の流れが多く,都市の中心的な機能を有する施設が多く立地していることから, 「機能集積による求心力のあるまち」を基本構想とする.
●荒川沖
低層住宅が多く,今後の景観形成が容易であると考えられるため,「景観に配慮した親緑のまち」を基本構想とする.
●神立
現在神立地域には工業団地が立地しているため土浦の市内における働く場所として想定でき,また学生世代が住んでいる世帯が多いため,「働く場とゆとりある住環境のまち」を基本構想とする.
●新治
新治は自然が豊かな地域で,活用できる資源が多く存在し,他地域にとっても魅力となるため,「地域を結ぶ自然のあふれるまち」を基本構想とする.