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提言1:自転車講習会

 アンケートでの事故・ヒヤリハット事案の件数や新商業施設開業予定地周辺の交通実態調査を受けて、自転車の交通マナー向上のための施策をしなければならないと考えた。そこで我々からは大学での自転車講習会の開催を提案する。

 具体的には、1年生が必修のフレッシュマンセミナーを利用し、そこでの講習を受けさせた上で、筑波大学構内への駐輪に必要であるICタグの購入をできるようにするというシステムを提案したい。

 自転車を駐輪するのに必要なICタグと自転車講習会を結びつけることによって、自転車利用者が確実に講習会を受けられるシステムとなる。講習会の事故防止効果については、2015年から2016年の警視庁の取り組みにおいて、悪質な自転車利用者に講習会を義務付けた場合で事故が全体の13.1%減少するという報告がなされており、開催する意義は十分にあると考えられる。

提言2:イメージハンプの設置

 交通実態調査から、自転車利用者の多くが減速せずに新商業施設開業予定地前のペデストリアンデッキとループ交差部分の横断歩道や、ペデストリアンデッキと市道の交差部分を横断しているという事が判明した。これが危険な行為で事故につながるということは明白であり、これを改善しなければならないと考えた。そこで提案するのが、イメージハンプの設置である。

 イメージハンプとは、錯視によって凹凸や段差に見える模様を地面に描くことによって、そこでの交通の減速効果・注意を向ける効果を期待するものである。特に自転車利用者は路面に注意を向ける傾向があり、地面に描くイメージハンプの効果が期待できる。

 特にペデストリアンデッキと市道の交差部分では本来通行不可であるバイク・原付の進入も報告されており、事故が発生した場合の被害が大きくなる可能性が考えられる。そのためこのイメージハンプの設置を行うことで減速・一時停止をさせ事故を低減させることを提案する。

提言3:カスミ筑波大学店の営業時間延長

 ヒアリングの結果から、カスミ筑波大学店の営業予定時間が8時から21時であることが判明した。しかし我々のアンケート結果から、学生の20%が21時以降のカスミ筑波大学店利用を希望している。学生の利便性向上のためにはこの時間も営業時間とすべきであると考える。カスミはカスミテクノパーク桜店など24時間営業を行っている店舗も存在し、深夜まで営業するノウハウは所有していると考えられる。また、夜間営業をすることによって周辺の光量を確保でき、学生の安全性にも寄与できる。よって営業時間の延長を提案する。

提言4:カスミ筑波大学店の品揃えの強化

 ヒアリングの結果から、カスミ筑波大学店では学生の購入が考えられる弁当・惣菜類を中心に品揃えを整えるという方針である事が判明した。しかし我々のアンケート結果から、カスミ筑波大学店に期待する品揃えとして最も大きかったのは生鮮食品類であり、カスミが考えるよりも自炊のための素材を求める向きが大きいと考えられる。またアンケート結果からカスミ筑波大学店の来店時間として昼の時間帯を挙げる学生は殆どおらず需要が夕方に集中しているので、昼の弁当需要は少ないと考えられる。以上のことから、実際の需要と供給とのすり合わせが肝心だと考え、より生鮮食品の品揃えに力を入れるべきだと提案する。

提言5:バスの利用促進

 アンケートの結果で自転車の不満点としてあげられた路面や天候の問題を解決するためにバスは有効である。ただし同じくアンケートから、カスミ筑波大学店へ行くのにバスを利用しない理由として、自宅から近いからという回答が最も多かった。またバスの料金が高いという回答や定期を持っていないという回答も多かった。自宅から近いという回答は、裏を返せばカスミ筑波大学店の設置によって学生の購買行動の利便性が向上しているということであり喜ばしいが、定期を使えば無料であるのに利用しないというのは他の問題も絡んでいると考えられる。例えば、バス定期の普及率や近隣バス停の有無、バスがいつ来るか分からないといった要素が挙げられる。これらを解決するために、まずは新商業施設前のバス停設置、バスがいつくるかわかるバスロケーションシステムの導入、バス定期の購入促進をすることでバスの利便性が向上し、自転車での不満点が解決する。

提言6:COMSの導入と利用促進

 上で挙げた自転車の不満点を解決するために提案するもう1つの手段が超小型モビリティ・COMSである。アンケート結果ではCOMSを導入した場合の利用について中立的な立場を取る回答者が多かったが、これはCOMSについての情報が不足しているためと考えられる。そのためまずはCOMSの情報発信が必要であると考えられる。我々が実際に試乗し近隣のスーパーマーケットまで走行したところ、カタログスペックからは分からない利点が多く挙げられた。これらの情報を発信していくことで利用率を挙げられると考える。

 また、アンケートでCOMSを利用しないと回答した回答者の中で、その理由として多く挙げられたのが料金に関する問題だった。料金面に関して学生のために利用料を下げると行った方策が必要だと考えられる。