目標都市像
「エネルギッシュなまち」を目標都市像として掲げる。
全体構想
土浦市の現状として、意欲的に活動している人々がいる一方で、活動したいけれど活動できる環境がないということが原因で意欲的に活動できていない人々がいる。活動できる環境を整え、意欲的に活動する人々をもっと増やし、土浦をさらに元気にしたいと考えた。
そこで、目標都市像として「エネルギッシュなまち」の実現を目指す。私たちは「エネルギッシュ」を「人々がより意欲的に活動をすること」と定義した。
つまり、「エネルギッシュなまち」とは、活動ができる環境を整えることで、人々がより意欲的に活動できるまちのことである。
部門別構想
都市像として定めた「エネルギッシュなまち」を実現するための構想として、次の5つの部門別目標を示す。
@人々でにぎわうエネルギッシュなまち
A地域活動でエネルギッシュに交わるまち
B安心してエネルギッシュに暮らせるまち
C緑とのふれあいでエネルギッシュなまち
D皆がエネルギッシュに運動できる霞ヶ浦
これら5つの部門別目標を設定し、部門別目標に基づいて重点的に計画を進めることによって、活動できる環境を整え、人々がより意欲的に活動できるようになる。これにより、土浦市がより意欲的に活動する人が溢れ、目標都市像の「エネルギッシュなまち」を実現させる。
目標都市像・部門別構想
人々でにぎわうエネルギッシュなまち
土浦市内の商店を見ると、荒川沖周辺において「さんぱる」の廃業などの空き店舗の増加が問題となっている。また、神立駅周辺の道路沿いにおける空き店舗など、市内において空き店舗問題があることがうかがえる。
中心市街地における空き店舗の数は、近年増加傾向である。それにより、景観が損なわれるだけでなく、商業空間としての連続性がなくなり魅力が失われつつある。また、歩行者通行量を見てみると、近年減少傾向にあることがわかる。これは、郊外に大規模商業施設が立地したことや、モータリゼーションが原因であると考えられる。
土浦市において商業を活性化させ、にぎわいを創出することで、「人々でにぎわうエネルギッシュなまち」を目指す。それを実現させるために、空き店舗にテナントを誘致したうえで、人々が足を運びたくなるように促す。
中心市街地の空き店舗の状況
(土浦市『土浦市中心市街地活性化基本計画』より)
歩行者交通量調査結果
(土浦市『土浦市中心市街地活性化基本計画』より)
地域活動でエネルギッシュに交わるまち
土浦市の一万人当たりの公民館のサークル登録状況を見ると少ないことがうかがえる。特に全体と比較して上大津公民館は少ない。特に音楽系・文化系・教養系の活動団体は少ない。このことから地域活動を通じた住人同士の交わりが減少や地域の活力の低下が生じることが考えられる。現状を踏まえて、「地域活動でエネルギッシュに交わるまち」という構想を掲げる。市民が地域活動を行うことを促進するために、地域活動のための活動場所を整備し、市民への団体情報やイベント等の情報を拡散することで、人々がより意欲的に活動できる環境を整える。そして、活動を通じたエネルギッシュな交わりを創出する。
安心してエネルギッシュに暮らせるまち
茨城県警察によると、平成26年の土浦市の1,000人当たり犯罪認知件数は18.5件であり、茨城県の平均の12件である。これは茨城県内の市町村別で、最も高く決して好ましい状況であるとはいえない。特に、荒川沖地区は犯罪率が高く、茨城県平均、全国平均と比べても高い犯罪率である。土浦市地区別人口を見ると、荒川沖地区において、子供が多いことがわかった。
構想として「安心してエネルギッシュに暮らせるまち」を掲げる。子どもから高齢者まで、誰もが安心して暮らせるまちを目指す。誰もが安心して暮らすために生活環境を整える。行政に生活環境を整えることを任せるのではなく、市民の目線から日常生活での課題を発見し、その課題を解決できるようにして、安心して暮らすことができるようにする。
緑とのふれあいでエネルギッシュなまち
土浦市内では新治地区、霞ケ浦周辺において農業が盛んである。土浦市の農業の課題として耕作放棄地の存在と高齢化が挙げられる。土浦市の耕作放棄地について、土浦市「土浦市耕作放棄地解消化計画(平成22年)」によると、農用地区域における耕作放棄地のうち、土浦市全体の約5割を新治地区が占めている。耕作放棄地となった理由としては、高齢化、耕作不便、人手不足といった理由が挙げられる。つまり、耕作放棄地の集約的な管理と新たな担い手が必要である。
特に新治地区で、平成20年度新治中学校地区における耕作放棄地面積を見ると、草刈り等で直ちに耕作が可能な農地が存在する。また、土浦市農業委土浦市内では員会「貸付等希望農地一覧(平成26年12月16日掲載)」によると、農地所有者が貸付等の希望している人がいる。ゆえに、新治地区において活用が可能な農地が存在する。
構想として、土浦市の農業や自然といった「緑とふれあいでエネルギッシュなまち」の実現を目指す。耕作放棄地を集約的な管理・活用することで耕作放棄地を解消し、人々が緑にふれあいエネルギッシュに活動できるようにする。
農用地区域における耕作放棄地の割合
(土浦市全体 191.1ha)
(土浦市「土浦市耕作放棄地解消化計画(平成22年)」より)
新治中学校地区における耕作放棄地面積
(土浦市「土浦市耕作放棄地解消化計画(平成22年)」より)
皆がエネルギッシュに運動できる霞ヶ浦
霞ヶ浦は、湖の面積としては日本第2位であり、知名度も高い。昔は泳げる湖として遊水場も整備されていたが、水質汚染の影響により現在は泳ぐことができない。依然として、霞ケ浦の水質汚染は大きな課題である。一方、霞ヶ浦ではウィンドサーフィンやヨットなどの水上スポーツが盛んである。周辺には、川口運動公園・霞ヶ浦文化体育施設などのスポーツ施設もあり、霞ヶ浦周辺でスポーツ施設の整備が行われてきている。湖の周囲が自転車道路になっていることも大きな特徴であろう。また、観光面・環境面でも整備を行っており、観光帆曳船・観光遊覧船などの観光船、ネイチャーセンターなど水生植物を保護する施設などが例である。産業面で考えると、漁業でワカサギやシラウオなどが漁獲される。また、釣りも盛んである。
霞ヶ浦周辺には、スポーツ施設が多く立地していることから、市民から市外の人まで多くの人々がエネルギッシュに利用できる空間を整備する。2020年には東京オリンピックが開催される。また、2019年に茨城県で国民体育大会(国体)が開催される。1974年に国体が開催されたときは、ヨットハーバーが競技の会場になっていたこともあり、水上スポーツも盛んであったことがうかがえる。そこで、既存のスポーツ設備を活かしながら、市民が日常的な運動で霞ケ浦を利用できるようにすることを目指す。