人口
土浦市の人口は増加してきましたが、近年は伸び方が鈍化し、人口減少が進んでいます。2014年10月1日現在、土浦市の人口は142,059人、世帯数は58,908世帯となっています。将来人口推計によると、2005年から人口減少が始まり、2035年には人口が約123,000人となります。また、少子高齢化も急激に進行し、2010年に22.4%だった高齢化率(人口に占める65歳以上人口の割合)は、2035年には36.8%に上昇します。
グラフ:人口推移と人口予測
産業
農業
土浦市は全国有数のレンコンの産地として、産出量全国第一位を誇っています。農業産出額の内訳を見ると、野菜の産出額が全体の約5割をしめていることがわかります。農業産出額は1985年から2003年頃にかけて右肩下がりでしたが、現在はほぼ横ばいとなっています。農家戸数と農家人口は年々減少しており、農業従事者数の減少が課題です。耕作放棄地の面積は土浦市による耕作放棄地全体調査開始の1975年以降年々増加傾向にありましたが、近年だけで見ると減少している傾向もみられます。
グラフ:農家戸数と農家人口
工業
土浦市には市北部を中心に、神立工業団地、東筑波新治工業団地、テクノパーク土浦北工業団地、土浦おおつ野ヒルズの4つの工業団地が立地しています。
図:土浦市内の工業団地
事業者数や従業者数に大きな変動はありませんが、製造品出荷額については経済状況のあおりを受けて大きな変動が見られます。
年 | 事業所数 (件) | 従業者数 (人) | 製造品出荷額等 (万円) | 1事業所当たり 従業者数 (人) | 1事業所当たり 製造品出荷額等 (万円) |
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2006年 | 168 | 12,231 | 72,396,311 | 72.8 | 430,930 |
2007年 | 182 | 13,152 | 83,089,505 | 72.3 | 456,536 |
2008年 | 187 | 12,312 | 89,330,287 | 65.8 | 477,702 |
2009年 | 175 | 11,743 | 51,811,460 | 67.1 | 296,065 |
2010年 | 168 | 12,570 | 60,457,030 | 74.8 | 359,863 |
2011年 | 195 | 11,840 | 65,180,604 | 60.7 | 334,260 |
商業
以前の土浦市は県南随一の商都として栄えてきました。しかし、その商都の中核であった中心市街地では、近年、シャッター通りが広がり、衰退の様相を呈しています。その一方で、市の郊外部では、モータリゼーションの進行により、ロードサイドショップや大型商業施設が立地し、商業機能の中心を担っている状況にあります。
グラフ:つくば市と土浦市の比較
また、年間売上額と事業所数について、つくば市と土浦市の間での比較を行ったところ、いずれの指標においても近年の土浦市はつくば市に逆転されているということが見て取れます。このことは、現在つくば市に立地している各商業施設が土浦市の施設よりも魅力的だという現状を示すものであり、土浦市の商圏としての相対的地位の低下が示唆されます。
交通
古くから水戸街道の宿場町として栄えた土浦市は、道路・鉄道を中心とした交通網が整備されています。道路に関しては、南北方向に常磐自動車道、国道6号が通り、東西方向に国道125号、国道354号が整備されています。2011年には国道354号土浦バイパスが全通し、土浦市内の慢性的な渋滞が緩和されました。今後は市内南部において、国道6号牛久土浦バイパスの建設が行われる予定です。バイパス建設により、国道6号荒川沖周辺での渋滞が緩和する見込みです。
土浦市には南北方向の鉄道路線としてJR常磐線が通り、北から順に神立駅、土浦駅、荒川沖駅の3駅があります。駅の利用者は近年減少傾向にあり、特に土浦駅・荒川沖駅での減少が顕著です。この要因として、2005年のつくばエクスプレス開通が挙げられます。2015年3月には上野東京ラインが開通し、常磐線は東京駅・品川駅に直通運転を開始し、都内への利便性が向上する見込みです。
市内のバスは関東鉄道、関鉄グリーンバス、関鉄観光バス、JRバス関東の4社が運行する路線バスと、コミュニティバス(キララちゃん)があります。路線バスの利用者は年々減少傾向にあり、赤字路線の廃止が相次いでいる一方、キララちゃんバス利用者は近年増加傾向にあります。2014年3月まで、新治地区において市が支援する新治バスが運行されていましたが、利用者低迷により廃止となりました。また、市内では、高齢者向け会員制乗合タクシー「のりあいタクシー土浦」があり、会員数・利用者数共に増加傾向にあります。
図:土浦市の河川および交通
グラフ:駅利用者数の推移
医療
土浦市には土浦駅周辺を中心に、市内各地に診療所やクリニック等が点在しています。平成27年10月には、おおつ野地区に新しい土浦協同病院の工事が終了し、秋以降に移転される予定です。新しい医療拠点として、市内外から多くの人が訪れ、地域の経済活性化につながることが期待されます。
しかし、許可病床数100床以上の総合病院は依然として少なく、医療体制の地域間格差が見られます。土浦市では65歳以上の高齢者人口が年々増加しており、平成22年度には高齢化率が市全体で23.1%となっています。少子高齢社会が増加する中で、万全な医療体制の確保が今後の課題となっています。
図:町丁目別高齢化率
教育
土浦市には小学校20校、中学校9校のほか高等学校8校と大学2校といった多くの教育機関に恵まれています。少子化に伴い生徒数は年々減少していますが、その中でよりよい教育活動を行えるよう、日々指導力向上に努めています。
また生涯学習館、青少年センター、市立公民館といった生涯学習施設の整備を推進しています。生涯学習推進の中核的な拠点施設として、平成29年度、駅前に新図書館が開設されます。今後は各学校と土浦市や市教育委員会との連携、教育の情報化などが課題となっています。
防犯
自主防犯組織の活動は活発で、2014年3月現在、土浦市全172町内会のうち168町内会で約7,000人が自主防犯組織のボランティアとして地域内の防犯パトロールなどの活動を行っています。2013年市民満足度調査によると、「地域ぐるみで取り組む防犯のまちづくり」の取り組みに対する満足度は全55項目のうち6番目に高く、防犯に対する取り組みは一定の評価を得ていることがわかります。
一方で土浦市の犯罪率(人口に占める犯罪発生件数)は18.5%(2013年)であり、茨城県内の市町村の中では最悪の発生率となっています。現状では、積極的な防犯活動が犯罪の防止にあまり役立っていないことがわかります。防犯意識のさらなる向上や地域ぐるみで取り組む防犯活動がより重要であると考えられます。
図:茨城県内市町村別の犯罪率(茨城県警察資料より)