地区別提案
1.新治
耕作放棄地の再利用を促進するために、体験農園を提案する。現在耕作が放棄されている土地を整備し、若者へ向けた体験農園を提案することにより、耕作放棄地の解消を行っていく。具体的運営方法は管理団体が土地を購入・整備し体験農業のサポートを行うことで、体験農園をビジネスとして活用し、また新治地区に住む高齢者にも生きがいを持って生活してもらうことができるようにしていく。
これに加え、体験農園で収穫した野菜で調理を行い、食べることの出来る施設を提案する。場所は現在新治地区にある直売所のJAさんふれ新治に隣接した立地とし、同施設とともに新治の地域活性化の拠点とする。
さらに、同施設は交通量の多い国道125号に隣接していることを考慮し、この施設を道の駅として整備していくことで、より地域拠点としての効果が高まると考える。
道の駅には休憩施設・トイレ・レストラン・情報提供施設などを設置して、市外からの来訪者にも新治地区、そして土浦の魅力を発信していける設備とする。

図1.「道の駅にいはり」イメージ図

表1.「道の駅しもつま」との交通量の比較
2.霞ヶ浦
水資源とそれに伴う水辺景観を活用したまちづくりを目指す。
霞ヶ浦では“健康増進”をテーマに、ランニングコースや水資源を楽しむことの出来るカフェなどの施設を提案する。
また、国内で有数なジョギングコースである皇居でランナーにヒアリングを行ったところ、「自然環境」「安全性」「ランニング支援の施設」等の要素がコースの選定に影響を与えているとの意見が聞かれた。
そこで、霞ヶ浦の自然環境を活かし、ランナーサポート施設やカフェ、休憩スポットや街灯を設けることで、ランニングの行いやすい環境を整え、市民ランナーにも愛される霞ヶ浦へ発展させようと考える。

図2.霞ヶ浦整備イメージ
3.おおつ野
私たちは企業・定住人口を誘致することにより職住近接型都市を目指すための施策を提案する。
私たちは、おおつ野ヒルズの特徴である職住が近接した環境を活かす開発を提案する。
具体的には、企業が立地するときに企業側が考慮する「住環境の整備」や「労働力の確保」を整備していく。
そこで私たちは様々な企業で持ち合うシェアハウスを提案する。
この提案によって入居する社員の側からは他の企業の社員との交流ができ、企業側からは社員離職率の低下などを図ることが出来ることにある。

図3.シェアハウス メリットの関係図
4.神立
私たちは、閑散とした神立駅を地域コミュニティの中心として活用していくことを提案する。
そこで、駅の利用者が使いやすい立地に交流施設を設け、自習室を設置する。このことによって高校生間の交流が生まれ、福祉の店にパンを販売することで障害者就業への理解を促進し、そしてそこを地域住民が交流の場として使うことで、活動のPRや交流の円滑化を狙う。

図4.神立交流施設 イメージ図

図5.施設概要
5.荒川沖
現状から、荒川沖駅周辺に子育て支援施設を設置し、地域コミュニティを強化することを提案する。
具体的には空き店舗を子どもや子育て世代が地域住民と交流できるように活用することを目指し、託児所や子育てカフェ、相談教室といった活用を図っていく。地域で子どもを育てる場へとすることで荒川沖の特徴を活かした空き店舗の利用を促進する。
また、荒川沖駅西通り線においては、毎月第3土曜日の昼間の時間帯を活用し、1車線と歩道を使って週末フリーマーケットの開催することを提案する。これによって駅前に賑わいを生み出し、さまざまな世代間の交流を図る。フリーマーケットの売り手を呼ぶ方法としては、フリーマーケット初心者でも出店しやすいサポートを行い、委託販売を可能とすることで多くの商品を販売できるようにする。買い手を呼ぶ方法としては、フリーマーケットの紹介を行うフリーペーパーを定期的に作成し、駅や地域コミュニティ内での配布を行い、周知を図る。
同時に、フリーマーケット開催日を土浦市公設卸売市場で毎月第3土曜日に行われる市場公開「いかっぺ市」と同日とし、駅前のフリーマーケットといかっぺ市の間にシャトルバスを運行することで、イベント相互の利用者増を目指す。

図6.フリーマーケットの構造図
6.中心市街地
6-1.市役所移転
私たちは、駅前にできる新市役所の立地や道路の混雑を考慮し、市職員の通勤時における公共交通の利用促進を提案する。
具体的には、公共交通を利用して通勤する職員に対しては通勤手当を全額支給し、自家用車での通勤を行う職員には一部のみ支給することで差別化を図る。また市では現状の制度通り駐車場の確保は行わず、通勤の際は各職員が民間もしくは市営の駐車場を借りることとして、自動車による通勤の自己負担額をあえて大きいものとする。
6-2.土浦駅ロータリー
市役所移転、駅北側再開発と合わせて駅前広場の再整備を行う。自家用車とバス・タクシーのゾーンを完全に区分し、ペデストリアンデッキから降りた後は平面移動のみで各乗り場へ移動できる構造を作ることでバリアフリー化も図っていく。ペデストリアンデッキは現在のものに加えて土浦駅北地区再開発に合わせて増設を行い、駅前広場・図書館方面への徒歩でのアクセスをしやすくする。

図7. 土浦駅西口 ロータリー案のイメージ
6-3.土浦駅北地区再開発
土浦市立図書館の土浦駅北側への移転を含む駅北地区再開発に一部修正を加える。
具体的内容はまず、市役所の移転に伴い必要となくなる公共施設や駐車場の面積削減によって施設棟の規模縮小を図る。そうして敷地面積を小さくした施設棟をモール505の利用促進を図るため用地北側に配置する。
これによって広くなった残りの南側の用地には都市公園を配置することを提案する。
都市公園を提案する根拠は市役所の移転に伴い昼間人口が増加するにもかかわらず、駅500m圏内に都市公園や一時避難場所がなく、地域の防災上脆弱な場所であると考えられること。また、駅周辺に緑地の確保をすることで、図書館利用者の休憩の場、地域交流の場として活用していくことが出来ることが挙げられる。

図8. 土浦駅北地区再開発のイメージ
6-4.モール505
私たちは、モール505の1階に安価な飲食店、弁当屋、惣菜店などを集積することを提案する。
この提案に至った理由は、市役所移転、土浦駅北地区再開発に伴う市立図書館の移転によって中心市街地における飲食店の需要が高まることが予測されたからである。
新市役所には食堂を作らないことを前提とし、昼には市役所職員をはじめとした駅周辺に勤める人々の昼食の提供の場として、夕方~夜には図書館での勉強や学校帰りに駅周辺を訪れる学生に利用される飲食店街を目指す。
既存の商店は飲食店を1階へ移動し、2階にはファッションといった固定客を狙った店舗、3階は倉庫や事務所を配置することで利用者が利用しやすい店舗配置に変更する。

図9. モール505店舗配置計画案
7.まとめ
ここまで行ってきた提案についてまとめる。

表2.提案のまとめ
以上の提案を通して、それぞれの地域の魅力を引き出して各地域の柱を強く太いものとし、土浦市をリフォームする。これによって土浦市の住人にとって住みやすく、来る人に開かれた「みんなの家 土浦」の実現をする。

図10.各地区の柱と「みんなの家 土浦」