*つくば市の水質保全と環境教育に対する提案*
第1章 *はじめに*
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1-1 はじめに〜物質循環社会の確立に向けて〜
近年、環境問題は多様化し、微量でも人体に影響を与える物質など、多くの問題が生じている。
これまでの公害では、技術の進歩によって解決してきた面もあるが、今後は1972年の国連人間環境会議
で採択された「人間環境宣言」にあるSustainable Developmentの達成が求められる。このような観点
から、地域でのZero Emissionを目標とした健全な物質循環が重要であるが、そのためには地域特性を考慮し
た、自治体レベルでの包括的な環境保全政策が必要といえる。自治体が独自の環境管理目標を設定してISO14
001を取得することは、その1つの試みである。現在、国内では7市区町村でISO14001を取得するに留まってい
るが、この動きが今後拡大していくことが望ましい。
私たちは、環境政策に先進的に取り組んでいるISO14001認証済みの自治体を参考にして、
そこで取り組まれている項目の中で今後つくば市において特に重要になるであろうと思われる問題に着目し、
テーマ「つくば市の水質保全と環境教育に対する提案」を設定した。
水質保全の提案では、つくば市の水循環における窒素負荷量を考え、窒素化合物削減のた
めの排水処理場での窒素除去設備の導入に関する経済分析を行う。
環境教育に関する提案では、「環境共生都市」をうたっているつくば市における、市民に
対しての環境教育・PRの機会が少ないという現状を踏まえ、つくば市で環境教育を推進していくために必要な
手段について、行政の対応・学校の現状・市民の意識に注目して考察を行なう。
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