4−2.筑波山全体の提案
筑波山全体に関わることについて以下の4つの提案を述べる.
(1)指定外ルートの対策
(2)オーバーユース対策
(3)情報の発信
(4)新たな統一的管理団体の設置
(1)指定外ルートの問題
指定外ルートの痕跡が放置してある現状では,登山客も簡単にルートに入っていくことができてしまう.
そこで,物理的にこの入口を封鎖することが最も有効だと判断した.具体的には,周囲に生えている植物を植えることで,指定外ルートの痕跡を無くす方法を提案する.この方法であれば,筑波山の外から植物を持ち込まないので,植生への影響が少なく済むと思われる.
また,一部,保守・点検,神社の祭事で使用する道もあるので,その箇所については案内板を入口部分に設置し,ルートが登山客の目に入らないようにする.
図4-2-a 指定外ルート入口への案内板設置前(左)と設置後(右)
(2)オーバーユース対策
登山道入口までのアクセスと,登山道整備状況を比べると,つくば市側の3コースが圧倒的に良好である.そのために,現在,登山客がそれらに偏り,オーバーユースの問題が発生しつつある.
その解消のために,現在あまり整備されていない筑波山北側のコースを整備・PRし,それらコースを含め,筑波山の登山道各コースに特色を持たせ魅力ある登山道にすることを提案する.
(3)情報の発信
上記(1)(2)の問題解消のためには,登山客の意識改革も欠かすことはできない.
(1)に関しては,自然保全よりも指定外ルートに対する好奇心を優先する登山客を減らすため,自然保全の重要性に関する情報を発信する.
(2)に関しては,オーバーユースということ自体の情報はもちろん,登山道の階段脇の斜面を多くの登山客が登ることで,その部分は登山道が拡幅され,植生が衰退しているという事実も,登山客へ伝える.
情報の発信場所として,ホームページ,パンフレット,登山口の情報板やビジターセンターを提案する.以下,特に情報板とビジターセンターについての提案を詳述する.
登山口の情報板
・各登山道入口に設置する.
・筑波山の自然の貴重さを伝え,自然保全の重
要性を主張.
・小学生対象のポスターコンクール入選作品を
使用して注意喚起.
・今見ごろになっている植物の情報を掲載.
ビジターセンター
・現在,休憩所となっているケーブルカー山頂駅2階を利用する.
・コースや筑波山の歴史を紹介.
・登山モラルの啓発など総合的な環境教育の場とする.
・高尾山ビジターセンターについては2−1−2.に前出.
(4)新たな統一的管理団体の設置
筑波山を観光資源として見ているつくば市と,登山道を整備してもあまり経済効果が望めない桜川・石岡両市との間には筑波山の登山道整備に関しての考え方に開きがある.
そこで,茨城県に筑波山全体の整備を専門とする部署を設け,包括的な整備計画の作成とその実行を行う必要がある.
図4-2-b 登山口の情報板イメージ図
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